寒い季節になると、「お風呂でのヒートショック」がニュースや特集で取り上げられる機会が増えます。ヒートショックとは、急激な温度差によって血圧が大きく変動し、体に深刻な影響を及ぼす現象のことです。特にお風呂場は、脱衣所や浴室、浴槽内で温度差が生じやすく、家庭内でも発生リスクが高い場所とされています。高齢者だけでなく、健康に自信がある人でも起こる可能性があるため、決して他人事ではありません。だからこそ、お風呂のヒートショック対策を正しく知り、日常生活の中で備えておくことが大切です。そこで今回の記事では、ヒートショックが起こる理由や放置する危険性に触れながら、家族の命を守るために今すぐできる対策を分かりやすく解説していきます。
お風呂場でのヒートショックはなぜ起こる?

ヒートショックは、急激な温度変化によって血圧が大きく上下することで起こりますが、家庭内でも特に発生しやすい場所がお風呂場です。なぜ日常的に使っているお風呂で、命に関わるような危険が生じるのでしょうか。ここでは、お風呂場でヒートショックが起こりやすい理由について、分かりやすく解説していきます。
脱衣所と浴室の温度差が大きい
お風呂場でヒートショックが起こりやすい最大の理由は、脱衣所と浴室の温度差です。冬場の脱衣所は暖房が行き届きにくく、室温が低くなりがちです。特に冬場は、脱衣室やお風呂場で寒い脱衣所で服を脱ぎ、体全体がこわばるような寒さを経験したことがあるという方も多いかと思います。体がこわばるようなこの現象は、服を脱ぐことで血管が収縮し、血圧が急上昇することで発生します。この欠陥が収縮し血圧が急上昇してしまっている状態で、さらに冷えた浴室へ移動すると、体への負担は一層大きくなります。お風呂場で起こりやすいこの血圧上昇は自覚しにくく、本人が気付かないまま進行する点もヒートショックを起こしやすい一因となっています。特に築年数が古い住宅では断熱性が低く、脱衣所と浴室の温度差がより大きくなりやすいため、ヒートショックのリスクが高まる傾向があります。
浴槽に入った瞬間に急激な体温変化が発生する
冷えた体で温かいお湯に浸かると、今度は血管が一気に広がり、血圧が急低下します。この血圧の急降下が、めまいや立ちくらみ、意識障害を引き起こす原因になります。特に肩までしっかり浸かる入浴スタイルの場合、体にかかる水圧の影響も加わり、心臓や血管への負担が大きくなります。血圧が下がった状態は時に意識を失うことも多く、気付かないうちにお風呂の中で失神してしまうことがあります。また浴槽内で意識を失うと、体の体勢によっては顔がお湯についてしまったり、体の力が抜けることで体勢が崩れて、浴槽内で溺れてしまう危険性も高まります。入浴というリラックスの時間が、思わぬ事故につながる可能性がある点は、十分に理解しておく必要があります。
入浴前後の動作による血圧の変動がリスクを上昇させる
お風呂では、立つ・座る・しゃがむといった動作を短時間で繰り返す場面が多くあります。体や頭の位置が頻繁に変わることで、血圧の調整が追いつかず、ふらつきやめまいが起こりやすくなります。特に湯船から立ち上がる動作は、血圧が下がりやすく、転倒や意識消失につながる危険性があります。浴室内は床が滑りやすく、転倒した際の衝撃も大きくなりがちです。こうした環境要因が重なることで、ヒートショックによる事故のリスクがさらに高まります。今まで問題なかった動作でも、その日の体調や浴室内の温度差によっては、ヒートショックの発生につながることがあるのです。
お風呂場が冷えやすい構造になっている
浴室はタイル張りやコンクリート構造であることが多く、家の中でも特に冷えやすい空間です。窓がある浴室では外気の影響を受けやすく、室温がさらに下がることもあります。暖房がない場合、浴室内の空気や床、壁が冷え切った状態になり、入室した瞬間から体に強い冷刺激が加わります。戸建ての場合は、浴室がより冷えやすくなる傾向にあります。床や壁の冷たさは足元から体温を奪い、体全体の緊張を高めます。この冷えが血管収縮を促し、ヒートショックを引き起こしやすい環境をつくってしまうのです。
お風呂場のヒートショック対策はなにをすべき?

冬のお風呂では、ヒートショックがさまざまな要因で発生する可能性があると、知っていただけたかと思います。特に高齢者に発生しやすく、一緒に住んでいるという方は注意しなければいけませんが、若い方のヒートショックでの悲しい事故も報告されているため、どなたもヒートショックの対策をしておくことが大切です。ヒートショックを予防するためには、正しい知識を持ち、入浴前後の行動や環境を少し見直すことで予防できる可能性があります。特別な医療知識がなくても、日常生活の中で意識できる対策は多く存在します。そこでここでは、お風呂場でのヒートショックを防ぐために、家庭で実践しやすい具体的な対策について解説していきますので、是非参考にしてみてくださいね。
入浴前に脱衣所と浴室を暖めておく
ヒートショック対策としてまず重要なのが、脱衣所と浴室の温度差をできるだけ小さくすることです。入浴前に暖房器具を使って脱衣所を暖めたり、浴室に暖気を送ったりすることで、寒暖差による血圧の急変を抑えやすくなります。脱衣所が冷え切った状態で服を脱ぐと、それだけで体に大きな負担がかかるため、事前の温度調整は欠かせません。少々面倒に感じてしまうかもしれませんが、命を守るために意識してみてくださいね。特に冬場の朝晩は室温が下がりやすく、入浴前後で体感温度に大きな差が生じます。短時間でも暖房を使用し、体が急激な寒さにさらされない環境を整えておくことで、入浴時の安全性を高めることにつながります。
シャワーや暖房で浴室全体を温めてから入る
浴室内が冷えている場合、シャワーを使って壁や床にお湯をかけ、浴室全体を温めてから入浴する方法も効果的です。暖房機能が付いている場合は、入る前に暖房機能を使用して、お風呂場全体を温めておくと他の部屋との温暖さも最小限にすることができ、ヒートショック対策としてより効果的です。浴槽に入る前に浴室内の空気温度を上げることで、冷たい空気による急激な体温低下を防ぎやすくなり、お風呂場に入る際のヒンヤリとした不快感を防ぐこともできます。特にタイル張りの浴室では、床や壁の冷たさが体に伝わりやすいため、お風呂に入る前に浴室内を温めておくという工程が重要になってきます。浴室全体が温まることで、入室時の冷えによる血管収縮を和らげることができ、体への負担を軽減することができますよ。準備として行うだけでも、ヒートショックのリスクを抑える効果が期待できます。
お湯の温度を高くしすぎない
熱いお湯に入ると体が一気に温まり、血管が急激に広がることで血圧が大きく下がるおそれがあります。そのため、ヒートショック対策としては、お湯の温度を高くしすぎないことが重要です。特に寒い日は熱めのお湯を好む人が多いですが、温度差が大きいほど体への負担も増します。ぬるめと感じる温度でも、ゆっくり浸かることで体は十分に温まります。急激な温度変化を避けることが、入浴中の体調変化や事故を防ぐポイントとなります。高齢の方は暑さや寒さへの感じ方が若い方と異なることも多く、高齢者だけの住まいではお風呂の温度が高すぎることもしばしばあります。身近に高齢者だけで生活されている方がいたら、今一度お風呂場の環境やお湯の温度を確認しておくと安心です。
入浴前後の水分補給を心がける
入浴中は発汗によって体内の水分が失われやすく、気付かないうちに脱水状態に近づくことがあります。水分が不足すると血液が濃くなり、血流が悪化することで血圧の変動が起こりやすくなります。そのため、入浴前後に水分を補給することは、ヒートショック対策として重要です。特に高齢者は喉の渇きを感じにくく、水分摂取量が不足しがちです。自分で水分補給のタイミングを上手くとることができない小さなお子さんも、同様のリスクがあります。入浴を習慣にするのと同じように、水分補給もセットで意識することが大切です。
家族で声かけや見守りを行う
ヒートショック対策は、入浴する本人の注意だけで完結するものではなく、家族全体で意識を共有することが重要です。入浴前に「今日は体調どう?」と声をかけたり、「これからお風呂に入るよ」と一言伝えてもらったりするだけでも、異変に気付きやすくなります。こうしたやり取りがあることで、入浴中に何かあった際にも、周囲が状況を把握しやすくなります。また、入浴時間が普段より極端に長い場合や、浴室から物音や返事がない場合は注意が必要です。特に冬場は、寒暖差の影響で体調が急変するリスクが高く、本人が異変を自覚できないケースもあります。そのため、「いつもより長いな」「静かすぎるな」と感じた段階で、早めに声をかけたり様子を確認したりする意識が大切です。毎回完璧に行う必要はありませんが、日常的な声かけや確認を習慣化することで、万が一の際にも早期発見・早期対応がしやすくなります。
お風呂場のヒートショック対策にはリフォームも有効!

ヒートショック対策というと、入浴方法や声かけなどの工夫が思い浮かびますが、住まいそのものを見直す「リフォーム」も非常に有効な対策のひとつです。浴室や脱衣所の寒さ、温度差は、建物の構造や設備によって生じている場合も多く、日常の工夫だけでは限界があります。リフォームによって室内環境を整えることで、ヒートショックの根本的なリスクを減らすことが可能になります。
浴室暖房乾燥機を設置する
浴室暖房乾燥機を設置することで、入浴前に浴室内を温めることができ、急激な温度差を防ぎやすくなります。冬場の浴室は外気の影響を受けやすく、室温が一気に下がるため、ヒートショックの大きな原因になります。暖房機能を使ってあらかじめ浴室を暖めておけば、脱衣所から浴室へ移動した際の寒暖差を緩和できます。また、浴室暖房乾燥機はヒートショック対策だけでなく、カビ対策や洗濯物の乾燥などにも活用できる点が特徴です。日常的に使いやすい設備のため、結果的に浴室の環境改善が習慣化しやすく、安全性と快適性を維持できるようになります。
脱衣所・洗面所の断熱性を高める
ヒートショックは浴室だけでなく、脱衣所や洗面所との温度差によって引き起こされるケースも少なくありません。特に脱衣所は暖房設備がない住宅も多く、冬場は非常に冷え込みやすい空間です。壁や床、窓の断熱性能を高めるリフォームを行うことで、室温の低下を抑えやすくなります。断熱性が向上すると、暖房を使用した際の効率も良くなり、室内全体の温度を一定に保ちやすくなります。脱衣所が寒くなりにくい環境を整えることは、入浴前後の体への負担を減らし、ヒートショック予防に直結するポイントです。
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床が冷えにくい浴室に変更する
浴室の床が冷たいと、足元から急激に体温が奪われ、血圧の変動を招きやすくなります。近年の浴室リフォームでは、断熱材が入った床材や、冬でもヒヤッとしにくい素材が採用されるケースが増えています。こうした床材に変更することで、浴室に入った瞬間の冷えを軽減できます。床の冷えが抑えられると、無意識に体をすくめる動作も減り、入浴時の緊張を和らげる効果も期待できます。見落とされがちな部分ですが、足元環境の改善もヒートショック対策として重要なリフォームポイントです。
浴室と脱衣所の温度差を減らす間取り・設備にする
浴室と脱衣所の位置関係や間取りによっては、どうしても温度差が生じやすい場合があります。引き戸への変更や、開口部のすき間対策、補助的な暖房設備の設置などを行うことで、空間同士の温度差を緩やかにすることが可能です。間取りや設備の工夫によって室温の急変を防ぐことは、ヒートショックのリスクを下げるうえで効果的です。家族構成や生活スタイルに合わせたリフォームを検討することで、より安全なお風呉環境を整えやすくなります。お風呂のリフォーム時期や、同居など家族人数や構成の変化時に、一度お風呂の間取りや設備のリフォームを検討してみるといいかもしれませんね。
まとめ
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