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防水工事は減価償却できる? 正しい経費計算で節税効果UP!

お役立ちコラム

所有している物件の工事を行った際に悩んでしまうのが「経費計上」についてですよね。特に大家さんになったばかり、投資のひとつとして不動産投資を始めたという方にとっては「何をどのように経費計上できるのか」はとても重要な部分です。不動産の課税対象は家賃収入から経費を引いた部分になってきますので、いかに上手く経費につけるかで節税効果も上がります。今回は大家さんや不動産投資を行っている方に向けて、防水工事がどのような分類で計上されるのか、またメンテナンスのタイミングについても詳しく解説をしていきます。

減価償却とは?

減価償却という言葉を初めて聞いた、という方もいらっしゃるかもしれません。減価償却とは資産取得にかかった費用を法定耐用年数に応じて分割し、費用計上する会計処理方法のことをいいます。基本的には一度に経費計上とすることはありません。また法定耐用年数は財務省令の別表にまとめられているため、取得した資産の法定耐用年数は以下から確認することができます。

参考元:減価償却資産の耐用年数等に関する省令/財務省の別表
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340M50000040015

減価償却の対象になる資産

資産には形がある「有形固定資産」、形のない「無形固定資産」、生き物が対象の「生物」の3種類に分けることができます。減価償却の対象となる資産の条件としては「使用可能期間が1年以上」かつ「取得価額が10万円以上」とされています。(※詳細は国税庁のHPにでご確認いただけます。)

▶減価償却の対象となる具体例
・建物、設備、車両など(有形固定資産)
・権利関係、ソフトウェアなど(無形固定資産)
・家畜や果樹栽培の樹など(生物)

具体的には上記なような物が減価償却の対象となります。またよく間違われてしまいがちな「減価償却の対象とならない物」についてもまとめました。参考程度に以下もご覧ください。

▶減価償却の対象とならない具体例
・建設中の資産
・在庫(売れた時に売上資産に計上)
・土地
・美術品や骨董品

減価償却の対象とならない資産は「時間の経過と共に資産が減少しない物」が分類されます。一度に会計処理すれば簡単に済むものを、なぜ数年に分けて減価償却するのか? と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、高額な資産ほど減価償却を行うことで長期的な節税効果が見込めます。またその年の会計処理において極端な利益減少が発生しないというメリットもあります。

参考元:減価償却のあらまし/国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm

「資本的支出」との区別に要注意

雨漏りしてしまった部分を防水工事して修繕費として計上できるなら、「ついでにもっといい素材を使って見た目もカッコ良くしてしまいたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし修繕費はあくまで修繕前と同品質のものに修理する場合に成り立つもので、明らかに修繕前より資産としての価値が上がっている場合は「資本的支出」という扱いになり、経費計上としては処理できません。具体的な処理の違いは以下の通りです。

▶修繕費と資本的支出の違い
修繕費:経費に計上できる
資本的支出:減価償却として毎年減価償却される

なぜ修繕費と資本的支出を区別しなければならないかと言うと、分類によって上記のような違いが出るからです。トータルの税金は減価償却を行って毎年払っていく、資本的支出の方が抑えられる可能性があります。しかし資本的支出にしてしまうとその時点での経過年数に関係なく、本来の耐用年数に従って減価償却する必要があります。耐用年数が47年のRC造マンションがある場合、20年目で防水工事を資本的支出とした場合は、その時点で新たに47年の減価償却を行う必要があります。手元の資金に余裕がある場合であれば資本的支出としても問題ありませんが、手元に資金があまりない場合はその年の税金が安くなる修繕費とした方がいい可能性もあります。

防水工事のメンテナンスのタイミング

資金繰りや税金の関係のお話をしてきましたが、ここからは防水工事の具体的なメンテナンスのタイミングについて解説をしていきます。防水工事は家を雨水の侵入から守る目的で行われる工事です。大家さんとしても住民の命と物件という不動産資産を守るために大切な工事です。正しいタイミングでメンテナンスをしていけるよう計画することも大切な大家さんのお仕事です。

合わせて読みたい記事!
防水工事の工法は4種類! それぞれのメリット・デメリットは?
https://www.elife-home.net/column/bousuikouji/.html

防水工事の各工法については上記記事で解説をしておりますので、是非参考にしてみてくださいね。

防水工事を怠るとどうなる?

防水工事は主に雨水の侵入を受けやすいマンション屋上部分やバルコニーに行います。普段生活している分には防水工事の効果をあまり実感する機会がないかと思いますが、建物にとってとても重要なものです。もし防水工事のメンテナンスを怠ってしまったらどのような事が起きるのでしょうか?

・内装(クロスや天井など)のシミ
・柱や屋根裏、基礎部分の腐食
・害虫被害の誘発
・腐食による屋根や天井のの崩壊
・漏電による家電の故障や感電 など

このように見ると防水工事がいかに大切な工事であるかご理解いただけたかと思います。ちょっとした雨水の侵入でさえも、大きな二次被害につながる危険性があります。特に日本は木造住宅がメインのため、被害も大きくなりやすいです。また鉄筋コンクリート造だから安心というわけでもなく、鉄筋も錆びることはありますので放置はできません。入居者の命を守り建物の寿命をのばすためにも、防水工事は必要な工事です。

防水工事が必要なサインとは?

屋上やバルコニーをよく観察すると、工事が必要なサインが出ていることもあります。管理業務を管理会社に委託しているなどの場合は、防水工事が必要なサインについて共有し、異常があった際は報告してもらうようにしておくと安心です。また任せっぱなしではなく、自分でも何回か足を運び実際に確認するとより安心ですよ。

合わせて読みたい記事!
ベランダの防水工事には寿命がある!?必要なメンテナンスの時期と内容
https://www.elife-home.net/column/beranndabousui/.html

防水工事のメンテナンスが必要なサインは、上記の記事で詳しく解説をしております。是非参考にしてみてくださいね。

修理が必要になる前にメンテナンス依頼をしよう

一般的に防水工事のメンテナンスは10~15年に一度必要だと言われています。ただし状況によってはもっと早い段階で工事が必要になる場合もあります。例えば台風が頻発する地域であったり、海沿いで塩害を受けやすい地域の場合、その他の一般的な気候の地域に比べて建物自体の劣化スピードが早い傾向にあります。防水工事は工事が必要になってから行うよりも、工事が必要になる前にメンテナンスとして行うことが大切です。実際にメンテナンス費用としても、雨漏りが発生してしまった場合よりも発生する前に行う方が安く済み、建物へのダメージも少なく済みます。まだ年数がたっていないけど少し不安だな、という方はプロの業者にメンテナンスが必要かどうかの様子を見てもらうのもオススメですよ。

悪徳業者に注意!

防水工事は修繕費の中でも比較的高い分類となります。そのため悪徳業者が不当な利益を得やすく、また一般的に詳しい工事内容を知っている方は少ないためそういった専門的な知識の部分を上手く利用して騙そうとしてきます。本来は必要ない工事を行おうとして利益を出そうとしてきたり、技術がないために全く修理されていない・・・そんなトラブルも実際にはよく起きています。プロの業者に依頼する際はしっかりリサーチを行い、契約・依頼を行うように心がけましょう。

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まとめ

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