屋根や外壁は、定期的に塗装を施すことで、外観美だけではなく本来の機能性を維持することができます。しかし、せっかくの外壁塗装、行ってからそんなに年数が建っていないのに塗装ムラを見つけてしまった…そんなご相談をいただくこともあります。プロの業者が行っているはずなのになぜムラができてしまうのか、またその塗装ムラは直すことができるのか、気になるところですよね。そこで今回の記事では、屋根や外壁の塗装ムラがなぜできてしまうのか、またその修復方法についても詳しく解説をしていきます。
なぜ屋根・外壁に塗装ムラができてしまうの?

塗装工事が完了したばかりなのに、ところどころ色が違ったり、ツヤが不均一だったりすることがあります。こうした「塗装ムラ」は見た目の問題だけでなく、仕上がりの品質や耐久性にも影響することがあるため、まずはなぜこのようになってしまったのか、同じことを繰り返さないためにも塗装ムラの原因を知ることが大切です。ここでは、塗装ムラが発生する主な原因について詳しく解説していきます。
下地処理が不十分
塗装の仕上がりを左右する重要な工程のひとつが「下地処理」です。古くなった塗膜をしっかり剥がしたり、表面の汚れやホコリ、コケ、カビなどを高圧洗浄で落としたりする作業を丁寧に行うことで、塗装がきれいに仕上がります。しかしこの下地処理が上手くいかないと、新しく塗った塗料がうまく密着せず、表面にムラが出やすくなることがあります。特に外壁にはチョーキングと呼ばれる劣化症状が出ていることも多く、チョーキングのような劣化現象にしっかり対処できていないと、塗料が滑ったり、塗布した際にばらつきが出たりしてしまいます。下地が整っていない状態で塗装をしても、見た目が不自然になるばかりか、耐久性にも大きな影響を及ぼしてしまうのです。プロの業者であっても経験が浅く、初期の劣化症状を見抜けないなどの人為的ミスがあると、塗装ムラにつながります。
塗料の混ぜ方や希釈が不適切
塗料はただ塗るだけではなく、「どのくらいの濃度で」「どのくらいの時間をかけて混ぜるか」が重要になります。塗料の種類によっては、水やシンナーなどで規定通りに希釈しないと、色の発色が安定せず、部分的に色味が違って見えることがあります。また、塗料が十分に混ざり切っていないと、成分が分離して表面にムラが出る原因になります。塗料が濃すぎると厚くなりすぎてシワやダレが発生し、逆に薄すぎると下地が透けたり耐久性が落ちたりと、トラブルのもとになります。塗料の混ぜ方や希釈のミスは目視ではわかりにくく、施工後しばらく経ってからムラが目立つこともあります。塗料の扱いに関しては、業者の腕に大きく左右されてしまうため、注意が必要です。
塗装する環境や天候の影響
屋根や外壁は屋外にさらされているため、塗装を行う日は気温・湿度・風などの自然条件が大きく関係します。たとえば、気温が極端に低い日には塗料の乾燥が遅くなり、ムラになりやすくなります。逆に、炎天下では急激に乾燥しすぎて、ローラーの跡や塗り継ぎの線が残るケースもあります。湿度が高すぎると、塗料が乾く前に水分を吸収しやすく、白く曇ってしまったり、塗料の本来の艶が出にくくなってしまうこともあるのです。雨が降る直前や、結露の可能性がある日の塗装は特に危険で、塗料がうまく定着せず、施工不良につながる恐れがあります。塗料のメーカーは天候の影響にも配慮して、一定の塗料推奨条件を提示していることがほとんどですので、「安いから」「スケジュールが空いていたから」という理由で、安易にスケジュールを決めてしまわないようにしましょう。
職人の技術や手順が不適切
塗装工事は一見シンプルに見えて、実は非常に繊細な技術が求められる作業です。たとえば、ローラーや刷毛での塗装では、力の入れ方や動かし方ひとつで塗膜の厚みや塗り跡に差が出てしまいます。均一な仕上がりを実現するには、重ね塗りのタイミングや気温への対応力など、経験や知識に基づく判断が欠かせません。また、工期を短縮するために必要な乾燥時間を省略したり、3回塗りすべきところを2回で済ませたりするような手抜き工事を行えば、当然ながら塗装ムラが目立つ結果となります。実際にこのような手抜き工事は、度々報告されているため注意が必要です。また職人の技術不足や、監督不在のずさんな現場管理が塗装の質を大きく左右することもあるため、どの業者に依頼するかは塗装の仕上がりにも影響を与えます。
塗装のムラはどのようにして修復する?

もし屋根や外壁に塗装ムラが見つかった場合、無理に自分で手を加えると、かえって状態が悪化する可能性があります。しかしせっかくの塗装にムラを見つけてしまったら、どうにかして修復したい気持ちも当然ありますよね。もし塗装の仕上がりに不具合や不満がある場合は、自分でのDIYではなく、専門の塗装業者による対応が必要です。一方でプロの手によって行われる修復作業には、状態に応じたさまざまな方法があります。依頼する前にどのような修復方法があるのかは、知っておきたいポイントです。そこでここでは、実際に業者が行う代表的な修復方法を解説していきます。
ムラのある部分を研磨して再塗装する
表面に色むらやツヤの不均一が見られる場合、まずはその部分をサンドペーパーや電動工具で丁寧に研磨し、塗膜の厚みを均一に整える作業が行われます。塗料の盛り上がりやざらつき、ローラー跡などを削り落とし、その後に再塗装を行うことで、美しく滑らかな仕上がりに近づけます。この工程は部分的な修復に適しており、比較的軽度なムラであれば、施工範囲を最小限に抑えて直すことが可能です。全体ではなく部分的なムラ、部分的に修復したい箇所があるという方に向いている方法です。
ムラが広範囲なら全面的な塗り直しを行う
ムラが広い範囲にわたっている、または色味やツヤが大きく異なっている場合には、部分補修では逆に不自然な仕上がりになってしまうことがあります。そのため、必要に応じて外壁や屋根の一面全体、あるいは建物全体を再塗装する必要があるケースもあります。とくに上下階や左右で色調の差が目立つような場合では、全体のバランスを考慮して塗り直すのが一般的です。既存の塗装の表面にガタツキやヨレがある場合は、下地処理から丁寧にやり直していくことも必要になります。全面的な再塗装は、費用と工期はかかりますが、ムラを確実に解消したい場合には一番見た目に変化がある方法です。しかし失敗をした業者に修復を依頼しても、塗装ムラの原因が業者の技術不足だった場合、繰り返し同じような問題が発生する可能性があります。さらに修復作業は、より高い技術力が必要となるため、業者を変えて依頼することも検討する必要があります。
屋根・外壁塗装のムラを防ぐ方法はある?

塗装ムラの失敗は、見た目だけでなく住宅の機能性や資産価値にも悪影響を及ぼすことがあります。工事が終わってから後悔しないためには、最初の業者選びが極めて重要です。塗装ムラの多くは施工技術や管理体制の不備によって起きるため、経験豊富で信頼できる塗装業者に依頼することが最大の予防策といえます。ここでは、塗装ムラを未然に防ぐために意識すべき業者選びのポイントを紹介します。これから屋根や外壁塗装を依頼しようと考えている方や、修復の依頼を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
実績や施工事例をしっかり確認する
まず注目したいのは、その業者がどれだけの塗装経験を持っているかという点です。公式サイトやパンフレットなどで、過去の施工事例や施工中の写真を公開している業者は、実力や作業の透明性に自信を持っている証拠です。屋根や外壁といった難易度の高い場所での施工経験が豊富な業者であれば、塗料の扱いや塗り方にも慣れており、ムラの出にくい仕上がりが期待できます。公式サイトやパンフレットには、その業者が得意とすることが大きく書かれているため、複数の業者と比較してみるのもオススメです。
丁寧な下地処理を重視しているか確認する
塗装の仕上がりは「下地処理」で決まると言っても過言ではありません。そのため、契約前に「高圧洗浄」「ひび割れ補修」「旧塗膜の剥がし」などの下地処理をしっかり行うかどうかを確認しましょう。優良な業者は、見積書や工程表に下地処理の内容を明記してくれることが多く、曖昧な説明や「一式」の表記ばかりの業者は注意が必要です。見積もりを依頼する際には、こうした下地処理にどのくらい力を入れているか、説明をしてもらうと安心ですよ。修復をする際に「前回より高級な塗料を選んだから問題ないだろう」と、安心してしまう方も多いですが、下地処理をおろそかにすれば、いくら高級な塗料を使ってもムラは防げません。
担当者の説明が丁寧で誠実か
業者を選ぶ際は、価格だけでなく「担当者の対応」も大きな判断基準になります。たとえば、「どのような塗料を使うのか」「工程の内容や期間はどうなっているのか」といった質問に対して、専門用語を使いすぎず、分かりやすく説明してくれるかどうかをチェックしましょう。施工中や完了後のアフターフォローについても明確に案内がある業者は、万が一のトラブルにも誠実に対応してくれる可能性が高いです。
保証内容やアフターサポートが充実している業者を選ぶ
万全を期しても、まれに塗装後に不具合が出るケースはあります。そのため、塗装後の保証がしっかり整備されているかどうかも重要なポイントです。工事完了後に色ムラや剥がれが起きた際、無料で手直ししてくれる「工事後の保証」がある業者であれば安心です。また、定期点検や電話相談などのアフターサービスを提供している業者は、施工後も信頼関係を大切にしている証といえます。
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まとめ
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