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屋根の軒天からの侵入者に要注意! 軒天の劣化を放置するリスクとは?

お役立ちコラム

普段あまり気に留めることのない屋根の軒下(のきした)ですが、実は住まいを守るうえでとても重要な部分であることをご存じでしょうか。特に軒下にある軒天(のきてん)は、屋根裏への雨水や湿気の侵入を防ぎ、見た目の美しさを保つ役割を果たしています。しかし、この軒天が経年劣化や湿気によって傷んでしまうと、思わぬトラブルを招くことがあります。その代表的なものが、ハチやシロアリ、ネズミなどの「侵入者」による被害です。小さな侵入者たちですが、実は住宅に大きな悪影響をもたらします。そこで今回の記事では、軒天の劣化を放置することで起こるリスクや、被害を未然に防ぐためのチェックポイント、そして劣化を防ぐメンテナンス方法について詳しく解説していきます。

屋根の軒天は、外観では目立たないものの、家を快適で安全に保つために欠かせない部分です。屋根の軒下に取り付けられたこの板は、雨や風、湿気から家を守るとともに、害虫や小動物の侵入を防ぐ重要な役割を果たしています。まずは、軒天がどのような場所で、どんな働きをしているのかを詳しく見ていきましょう。

軒天とは、屋根の先端が外壁より張り出した部分(軒)の裏側を覆う板のことを指します。下から見上げたときに外壁と屋根の間に見える、平らで白や木目調の板が軒天と呼ばれる部分です。住宅の外観デザインにも影響する部分で、近年は軒天の長さを出したり素材でデザイン性を引き出す設計も行われていますが、軒天の本来の役割は屋根裏の保護です。軒天があることで、屋根内部に風雨やホコリ、虫が入り込むのを防ぎ、内部構造を長持ちさせます。素材にはベニヤ板、ケイ酸カルシウム板、アルミやガルバリウム鋼板などが使用されます。地域の気候や家のデザインに応じて、耐久性や通気性、見た目の美しさを考慮して選ばれます。特に湿気が多い地域では防カビ性の高いケイカル板がよく使われ、沿岸部ではサビに強い金属製が重宝されます。このように軒天は単なる化粧板ではなく、住宅の安全を支える重要な建材なのです。

軒天は、雨風や湿気が屋根裏や外壁の隙間から侵入するのを防いでくれる傘のような存在です。屋根の張り出し部分は、雨を外壁から遠ざける働きをしますが、風が強い日や台風時には雨が吹き上がって軒下に入り込むことがあります。その際に軒天がしっかりしていれば、内部構造材まで水が届くのを防ぎ、木材の腐食やカビの発生を抑えることができます。一方で、軒天が劣化して剥がれていたり、塗装が剥げていたりすると、雨水が内部まで入り込みやすくなります。長期間放置すると、屋根裏の木材が腐食し、やがて雨漏りの原因にもなりかねません。また、湿気がこもると断熱材や金属部材にも悪影響を与え、住宅全体の寿命を縮めてしまいます。軒天は見えにくい部分ですが、建物全体の耐久性を支える役割を果たしているのです。

軒天のもうひとつの重要な役割は、害虫や小動物の侵入を防ぐことです。軒天には換気を行うための通気口や有孔板が設けられていることがありますが、これが経年劣化や強風などで破損すると、思わぬ侵入経路になってしまいます。ハチが軒裏に巣を作ったり、コウモリやスズメが入り込んで屋根裏を住処にするケースも少なくありません。さらに、ネズミやイタチなどの小動物が侵入すれば、断熱材を食い荒らしたり、糞尿による悪臭や感染リスクが発生したりと、小さな侵入者たちでもその被害は深刻です。特に「羽音が聞こえる」「天井裏から物音がする」「軒下に泥のような塊がある」などのサインが見られた場合は、侵入が始まっている可能性があるため注意しなければいけません。

軒天は、普段の生活ではあまり目にしない部分ですが、屋根や外壁を守る大切な役割を担っています。ところが、経年劣化や雨漏りなどによって軒天が傷んでも、そのまま放置してしまうケースは少なくありません。また目に見えにくい部分のため、気付かずに劣化を放置してしまうケースも多いです。しかし軒天の劣化を放置すると、さまざまな二次被害が発生する可能性があります。そこでここでは、放置することで起こり得るトラブルについて詳しく解説していきます。

軒天が割れたり剥がれたりして隙間ができると、まず起こるのが「害虫・害獣の侵入」です。小さな穴からでも、ハチやコウモリ、スズメ、ネズミ、さらにはイタチなどが入り込み、屋根裏に巣を作ることがあります。特にハチの巣は放置すると短期間で巨大化し、刺傷事故のリスクも高まります。また、ネズミやイタチなどの小動物は断熱材を噛みちぎったり、糞尿で屋根裏を汚したりするため、悪臭や病原菌の拡散にもつながります。侵入者の被害が進むと、清掃や消毒、駆除に加えて断熱材や天井の張り替えが必要になることもあります。つまり、軒天のちょっとした劣化を放置するだけで、住宅全体に大掛かりな修繕が必要なほどのダメージを受ける可能性があるのです。

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軒天は本来、屋根裏への雨水の吹き込みを防ぐ役割を果たしていますが、劣化して隙間ができると、その防御機能が失われます。雨風が強い日や台風時などに雨水が内部へ入り込み、木材を腐らせたり断熱材を濡らしたりすることで、建物の耐久性が低下します。特にベニヤ板などの木製軒天は水分を吸いやすく、一度傷むと内部まで腐食が進みやすいのが特徴です。さらに、腐食が進むと天井や壁にシミが現れ、やがては雨漏りとして室内に影響を及ぼすようになります。湿気を含んだ状態が続くと、カビやダニの発生源にもなり、家の中の空気環境にも悪影響を与えます。こうした雨水による被害は、早期発見が難しく、気づいたときにはすでに修繕範囲が広がっているケースも多いのです。

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軒天から侵入した湿気や水分は、屋根裏や梁などの木材部分に深刻な影響を与えます。木材は一度湿気を吸うと乾きにくく、長期間湿った状態が続くと内部から腐朽菌が繁殖し、構造的な強度が低下していきます。屋根を支える部材が傷むことで、最悪の場合、屋根の一部がたわんでしまったり、崩落するなどの危険もあります。また、内部の湿気が高まるとカビの発生が進み、天井裏や壁の内側で黒カビが広がることもあります。カビは家の素材を傷めるだけでなく、胞子が空気中に放出されるとアレルギーや呼吸器系のトラブルを引き起こすこともあるため軽視できません。軒天の劣化は、見た目の問題にとどまらず、住宅の「健康寿命」を大きく縮める原因になるのです。

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軒天の劣化を長期間放置すると、見た目の印象が悪くなり、家全体が老朽化して見えるようになります。特に外観の印象は住宅の資産価値に直結するため、売却を考えている場合は大きなマイナス要因になります。また、劣化が進行してから修繕しようとすると、部分的な補修では済まず、軒天だけでなく屋根や外壁まで交換が必要になることもあります。早い段階で塗装の塗り直しや小さな剥がれの補修を行えば数万円で済むものが、放置すると数十万円規模の修繕費に膨れ上がることも珍しくありません。見えない部分だからといって後回しにしていると、修理が必要なタイミングで大きな出費につながってしまうことも多いです。

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軒天は普段あまり目につかない場所にあるため、気づいたときにはすでに傷みが進行しているケースも少なくありません。しかし、日常的な点検や正しい対策を心がけることで、劣化や害虫の被害を未然に防ぐことができます。では具体的に、屋根の軒天トラブルを防ぐためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。ここでは、軒天を長持ちさせるための具体的な予防策を紹介していきます。

最もシンプルで効果的な方法が、定期的な目視点検です。軒天は屋根の裏側にあるため、普段は視界に入りにくい部分ですが、だからこそ意識的に確認することが大切です。塗装の剥がれやシミ、変色、さらには小さな亀裂などは、劣化の初期サインであることが多く、これを見逃すと内部まで水が入り込み、木材の腐朽やシロアリ被害へと発展します。特に台風や大雨のあと、または強風の翌日などは軒天にダメージを受けやすいため、天候が落ち着いたタイミングでチェックする習慣をつけるのが望ましいでしょう。確認時は、軒下の色の変化や水のシミ跡を中心に観察します。もし違和感を覚えた場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。初期対応の早さが、その後の修繕費用を大幅に抑えることにもつながります。

軒天トラブルの大きな原因のひとつが、湿気の滞留です。屋根裏や軒裏に湿気がこもると、木材が腐食したり、断熱材がカビたりするだけでなく、害虫や小動物が巣を作りやすい環境にもなります。こうしたリスクを防ぐためには、通気性の確保が欠かせません。まず確認すべきは、軒天に設けられている「換気口」や「有孔ボード」が機能しているかどうかです。これらがホコリやクモの巣、塗料の重ね塗りなどで塞がっていると、換気性能が大きく低下します。また、屋根裏の通気経路をふさいでしまうような断熱材の施工ミスも見落としがちなポイントです。必要に応じて、通気性を高めるための軒天換気口の増設や、換気部材の交換を検討してもよいでしょう。新築時よりも古い住宅ほど換気機能が弱くなっていることが多いため、築10年以上が経過している場合は、専門業者による点検をおすすめします。

軒天の劣化は、直接的な原因だけでなく、屋根や雨どいの汚れから間接的に引き起こされることもあります。雨どいに落ち葉や泥が詰まると、排水がうまくいかず、雨水が軒天方向へ逆流してしまいます。これが繰り返されると、軒天の裏側が常に湿った状態になり、木材の腐食や塗装の剥がれにつながります。そのため、年に1~2回は雨どいや屋根の清掃を行うようにしましょう。特に秋の落ち葉が多い時期や台風シーズンのあとは、詰まりが起きやすいため要注意です。掃除の際には高圧洗浄を使うよりも、専用ブラシやホースを使い、やさしく汚れを取り除くのがポイントです。また、屋根にコケやカビが発生している場合も、軒天に悪影響を与える可能性があります。コケは水分を含みやすいため、屋根から軒天へ湿気が伝わりやすくなるのです。こうした汚れを定期的に落とすことで、軒天をより良い状態で保つことができます。

軒天の塗装は、単なる見た目の問題ではなく、防水性・防カビ性・防虫性を維持するための重要な要素です。塗膜が劣化すると、雨水や湿気が木材内部に侵入しやすくなり、やがて腐朽や剥離の原因になります。そのため、おおむね10年を目安に塗り替えを行うことが推奨されています。塗り替えの際には、軒天専用の透湿性塗料や、防カビ・防藻機能を備えた塗料を選ぶのがポイントです。これにより、内部の湿気を逃しながら外部からの水分侵入を防ぐことができます。また、外壁塗装のタイミングに合わせて軒天も一緒に塗装することで、施工コストを抑えつつ住宅全体の防水性を高められます。さらに、塗装後のメンテナンスも重要です。塗膜が剥がれたり、表面にカビや黒ずみが現れたりした場合は、塗料が機能を失っているサインです。そのまま放置せず、早めの再塗装を検討しましょう。

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