窓は住宅に太陽光を取り入れるだけではなく、換気を行い、室内に生活臭や食事の際の臭いが付着するのを防いだり、空気の湿度調整をするのにとても大切な役割を担っています。そんな窓ですが、「なんだか開け閉めがしにくい」「窓を開けるとギギギ…という異音がする」「隙間風を感じる」と、このように使っているうちに様々な悩みや不便が出てきてしまうことがあります。とはいえ「直接生活に影響はないからいいか」と、窓のトラブルに気付いていながらも、放置してしまう方が多いかと思います。しかし窓のトラブルは、放置することで雨漏りなどのトラブルにつながるリスクもあるということをご存じでしょうか。そこで今回の記事では、窓やサッシのトラブルを放置することでなぜ雨漏りが起きるのか、また雨漏りなどのトラブルを予防するにはどのように対処すればいいのかを具体的に解説していきます。
なぜ窓から雨漏りが発生する?

窓まわりからの雨漏りは、屋根や外壁に比べると軽く見られがちですが、実は意外と多いトラブルのひとつです。特に冒頭でも触れたような「開け閉めがしにくい」「異音がする」などの症状がある窓では、サッシや枠のゆがみが進行していることがあり、そのすき間からじわじわと雨水が浸入してくるケースも珍しくありません。こうした初期の異変を見逃したまま放置すると、雨漏りは壁内部にまで広がり、建材の腐食やカビの発生につながることもあります。では、具体的にどのような原因で窓からの雨漏りが起こるのでしょうか。
サッシや窓枠のゆがみによるすき間の発生
住宅は時間の経過とともに、さまざまな要因で少しずつ変形やズレが生じていきます。特に地震や台風、強風といった外的な力が加わると、建物の構造全体に微妙なゆがみが生じることがあります。そしてそうした外的な力の影響を受けやすいのが、開口部である窓です。窓サッシや窓枠が本来の形からわずかにたわんだり、傾いたりすると、サッシとガラスの間にわずかなすき間ができることがあります。最初は目に見えにくいほど小さな歪みであっても、やがてそのすき間が雨風の吹き込み口となって、内部へと水を導いてしまいます。また、サッシのゆがみによってパッキンやシーリング部分にも負荷がかかり、ひび割れや剥がれが生じて、そこからの雨水侵入も起こりやすくなります。雨漏りと聞くと「屋根が原因」と考えがちですが、実際にはこうした窓まわりの歪みや劣化などが原因となるケースも多く見られます。窓の開け閉めをした際に違和感や使いにくさを感じたり、ちょっとした引っかかりを感じた場合は、サッシの歪みが発生しているサインかもしれません。
シーリング材(コーキング)の劣化
外壁と窓枠の取り合い部分には、シーリング材(コーキング)が充填されています。窓枠に触れてみると、ぶにっとした感触の白や黒色のゴム状のものが確認できるかと思いますが、これがそのシーリング材です。このシーリング材は、雨水の侵入を防ぐ防水の役割を担っており、窓まわりの気密性や断熱性を保つためにも欠かせない素材です。しかしシーリング材はゴムという性質上、どうしても時間とともに劣化が進みます。特に直射日光や雨風にさらされることで硬化し、次第にひび割れたり、剥がれたりしていきます。シーリング材の劣化が進むと、わずかなひび割れから雨水が侵入し、壁内部へと染み込んでいくのです。特に築10年を超える住宅では、シーリング材が劣化しているケースが多く、放置すると雨漏りだけでなく内部の断熱材や木材の腐食、カビの発生といった深刻なトラブルにつながります。外から見てもシーリングが硬くひび割れていたり、指で押しても弾力が感じられない場合は注意しなければいけません。
排水機能の不具合(排水口の詰まりなど)
多くの窓サッシには、雨水が内部に侵入しても外へ排出できるように「排水口(ドレインホール)」が設けられています。これはサッシの下部に小さな穴として空いており、雨天時や結露などによる水分をスムーズに逃がすための大切な構造です。しかし、この排水口がゴミや砂、ホコリ、虫の死骸などで詰まってしまうと、水が正常に排出されなくなり、サッシの内部で水が溜まりやすくなってしまいます。時間の経過とともに溜まった水は逃げ場を失い、やがて室内側へとあふれ出してしまい、そして深刻な雨漏りにつながっていくのです。特に集合住宅の上階や吹き込みの多い方角の窓では、排水不良による雨漏りのリスクが高まります。排水口は普段意識して生活する機会が少ない分、多くの方が見落としがちな部分ですが、窓サッシの排水口のつまりは住宅に様々なトラブルをもたらす可能性があるため注意が必要です。
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雨漏りにつながる可能性があるサッシの歪みの見分け方とは?

サッシの歪みは、一見すると分かりにくく、見た目には特に異常がないように見えることもありますよね。しかし、わずかなズレや変形が密閉性の低下を引き起こし、雨水の侵入ルートとなってしまうケースは少なくありません。窓からの雨漏りを防ぐためには、早い段階でサッシの歪みに気づき、適切に対処することが重要です。そこでここでは、専門的な知識がなくてもチェックできる、サッシの歪みの代表的なサインをご紹介します。自宅の窓に歪みのサインが出ていないか確認する際の、チェックリストとしてぜひご活用ください。
窓の開け閉めがスムーズにできない
最も分かりやすいサインのひとつが、「窓の開け閉めがしにくい」と感じることです。引き違い窓を動かしたときに途中で引っかかったり、異常な音がする場合は、既にサッシに歪みが生じている可能性が非常に高いです。歪みでなぜ窓が動かししにくくなるかというと、サッシがわずかに曲がっていると、レールとのかみ合わせがずれて滑りが悪くなるため、動きが重く鈍くなるのです。こうした窓の歪みは、ほとんどの場合経年劣化によって引き起こされますが、大きな地震の影響で新築や築浅でも歪みやひずみが生じることはあります。また、過去にはスムーズだったのに急に開閉がしづらくなった場合は、経年劣化や建物のゆがみによってサッシが変形してきているサインかもしれません。
窓を閉めても隙間風や外の音が気になる
しっかり窓を閉めているにもかかわらず、隙間風が入ってきたり、外の音が以前より大きく聞こえると感じた場合も、サッシの歪みが疑われます。窓とサッシの密閉性が保たれていれば、基本的に気密性・遮音性はある程度確保されているものですが、歪みによって窓周辺に隙間ができると、空気や音が通りやすくなってしまうのです。「多少の隙間風程度なら問題ない」「居住スペースの窓じゃないから特に気にならない」と放置されてしまう方も多いですが、放置することで雨水が入り込み、気付いた時には窓枠が腐ってボロボロになってしまっていた、なんてケースも実際に目にします。隙間風は分かりやすいサッシの歪みのサインですので、見逃さないようにしましょう。
サッシの枠と窓の間に不自然な段差や歪みがある
窓を閉めたときに、上下または左右どちらかの隙間が広かったり、サッシの枠と窓の間に不自然な段差が見られるようなら、それもサッシの歪みのサインである可能性が高くなります。サッシとガラスの隙間が均等でない場合や、ゴムパッキンが浮いていたりよれている場合は、歪みやたわみが原因でしっかり押さえつけられていない可能性があります。歪みやたわみは近くで見ていても意外にも気付きにくく、カーテンなどで隠れてしまうわずかなものもあるため、ちょっと遠目で観察してみたりサッシと枠に触れて段差がないか確認するようにすると、気付きやすくなります。
窓からの雨漏りを防ぐ方法はある?

ここまででサッシの歪みやシーリングの劣化など、窓まわりの不具合が雨漏りの原因になることを、知っていただくことができたのではないかと思います。なんとなく放置しがちな窓回りの不調ですが、放置することが危険であることが再認識できましたね。では、窓からの雨漏りのリスクに対して、私たちはどのような予防を行っていけばいいのでしょうか。雨漏りは起きてからでは修理費がかかってしまったり、窓周辺だけではなく断熱材や窓枠、壁紙などの修復費用がかかってしまいます。雨漏りは起こさないように予防するのが大切です。そこでここでは、窓からの雨漏りを防ぐ方法について詳しく解説をしていきます。
定期的にサッシや窓枠を点検・清掃する
窓からの雨漏りを防ぐためには、サッシや窓枠を定期的に点検・掃除することが大切です。とくに窓下部の排水口(ドレインホール)はゴミやホコリで詰まりやすく、水の逃げ道がふさがれると雨漏りのリスクが一気に高まります。歯ブラシや綿棒などを使って汚れを取り除き、スムーズに排水できる状態をを維持できるように工夫しましょう。また、ガラス周囲のゴムパッキンやシーリング部分もチェックし、ひび割れや剥がれがないか確認する習慣をつけることが大切です。雨漏りにつながりそうな症状があれば、すぐにプロの専門業者に点検を依頼し、必要に応じた修理を行ってもらうようにしましょう。
異常を感じたら早めに専門業者へ相談する
窓の開閉がしづらくなったり、隙間風や異音などの異常を感じたときは、できるだけ早く専門業者に相談することが大切です。サッシの歪みや取り付けのズレなどは、自分で修正するのが難しく、無理に触ってしまうとかえって状態を悪化させてしまう可能性があります。DIYに慣れているという方でも、窓枠の修理は難しい部分です。専門知識と技術があるプロの目で直接現場を確認してもらい、必要であればシーリングの打ち直しやサッシの交換、再調整といった適切な対処を行ってもらうことで、被害の拡大を未然に防ぐことができます。また「今現状特にトラブルがない」という方でも、年に一度程度の点検を実施することで、自分では気付かないうちに進行していたサッシの歪みやひずみに対処することができます。
築年数に応じて外装リフォームも検討する
築10年以上が経過している住宅では、窓まわりの部材が目に見えない部分で劣化しているケースも多く見られます。特に外壁との接合部や、シーリング材の経年劣化が進んでいると、雨漏りのリスクはとても高くなります。築年数に応じて外装の定期点検を受け、必要に応じて外壁塗装やシーリングの全面打ち替え、場合によっては窓の交換などの外装リフォームを検討することも大切です。見た目の美しさだけでなく、住まいの防水性能や耐久性を維持するためにも、適切なタイミングでのメンテナンスが重要です。また築10年以上経過している住宅であれば、屋根や外壁のメンテナンスの適切な時期に重なっていることもあります。高所にある窓で外部からの修理が必要となれば足場費用が必要になることもありますので、屋根や外壁の点検・メンテナンスも同時に行うと、足場代の節約をすることも可能です。
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まとめ
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