床材にフローリングを使っている、という方は特に日本人には多いのではないでしょうか。木材の温かみを感じることができるフローリングは、木造建築が主流な日本人にとっては身近な存在ですよね。しかし一方で、お手入れに注意しなければいけないのもフローリングの特徴のひとつです。長い期間きれいにフローリングを使っていくためには、汚れ対策を意識していく必要がありますし、必要に応じてリフォームを検討することが大切です。そこで今回は、普段意識したいフローリングの汚れを防ぐ方法と、リフォームの目安についてご紹介していきます。
フローリングの種類にはどんなものがある?

ひとことにフローリングと言っても、実はさまざまな種類があるのをご存じでしたでしょうか。フローリングの種類によっても、耐用年数や交換時期の目安が変わってきますので、まずは自宅のフローリングがどの種類に該当するのかを知っておくことは大切です。そこでここでは、一般的に使われているフローリングの種類について詳しく解説をしていきます。
単層フローリング
単層フローリングとは、その名前の通りフローリング材が一枚のみで構成されているものを指します。一枚であるために薄く、また施工しやすいためDIYなどで選ばれやすいフローリングでもあります。一枚で構成されているフローリングですので、歪みなども生じにくく、耐久性も高い床材です。水が染み込みにくい構造であるため、水回りのフローリング材としても人気です。ただし、薄いため複合フローリングと比べると耐久性が劣り、防音性の面でも高い効果は期待できません。他の住戸への騒音を気にしなくてもいい、戸建て住宅などに向いているフローリングといえます。
複合フローリング
複合フローリングは、合板材に木目や石素材などを印刷したシートをはり付けもの、合板材に薄くカットした無垢材をはり付けたもの、もしくは少し厚めにカットした無垢材をはり付けたものの3種類に分けることができます。木目や石素材などのプリントをはり付けるタイプの複合フローリングは、フローリングのよさを生かしつつ、木目調の雰囲気や石調などの雰囲気を楽しむことができます。特に石素材などは実際の素材を入れると高価になりがちで、お手入れも難しくなりますが、複合フローリングにすることでそのデメリットをカバーすることができます。無垢材を合板にはり付けるタイプの複合フローリングは、全て無垢材にするのではなく上部のみを無垢材にすることで費用を抑えつつ、無垢材の高級感を楽しむことができます。
特殊加工フローリング
特殊加工フローリングとは、通常のフローリングにさまざまな機能を追加し、使用環境や目的に応じて性能を高めたフローリング材のことを指します。遮音性や防水性、耐久性など、特定の条件下での使いやすさを追求した製品が多く、マンションやペットのいる家庭、小さな子どもがいる家庭などに選ばれています。代表的なものに、防音フローリング、床暖房対応フローリング、抗菌・防汚フローリング、ノンワックスフローリングなどがあります。防音フローリングは、階下への生活音を軽減する構造になっており、特にマンションや集合住宅での需要が高いタイプです。床暖房対応フローリングは、温度変化や乾燥による反りや割れを防ぐための加工が施されており、冬場でも快適な室内環境を保つことができます。抗菌・防汚フローリングは、表面に特殊なコーティングを施すことで雑菌の繁殖や汚れの付着を防ぎ、日々のお手入れを簡単にしてくれます。また、ノンワックスフローリングは施工後のワックスがけが不要で、美しい表面を長く維持できるのが特徴です。小さいお子さんがいて床がよごれがちなご家庭にも人気です。
フローリングが汚れる原因とは?

普段きちんと掃除をしているつもりでも、気が付いたらフローリングにシミができていたり、色あせや汚れが付着しているなんてこともありますよね。これはフローリングについた汚れの種類によって引き起こされたり、掃除不足によって起こることが多いです。ここではフローリングがどんな汚れに弱く、なぜ汚れが残ってしまうのかを、一緒に確認していきましょう。
人間や動物の皮脂
自宅のなかでスリッパを常に履いている、という方はどのくらいいるでしょうか。日常的にスリッパを履いている方は驚かれるかもしれませんが、実は室内でスリッパを履かない人はとても多いです。特に日本は玄関で靴を脱ぐ文化があり比較的床掃除も行うため、素足で家の中を歩いても足が汚れませんよね。そのためスリッパを履かない人も一定数いるのです。しかしどんなに床をきれいに保っているつもりでも、素足で床を歩くことで、床に足の裏の汚れや皮脂が付いてしまいます。皮脂は油汚れのひとつでもあり、実はとても落としにくい厄介な汚れです。また猫や犬などの動物と一緒に住んでいるという方は、動物の足の裏の汚れが床につくこともあります。特に無垢材は皮脂汚れがついてしまうと落としにくくなるため、注意しなければいけません。
食事の油跳ねや食べカス
フローリングをキッチン付近に使用している場合や、リビングダイニングに使用している場合だと、どうしても食べ物の油跳ねや食べカスの落下などは起きてしまうものですよね。しかしこうした食べ物に関する汚れも、フローリングの汚れの一因となっているのです。特に油跳ねはすぐに対処しないと、フローリングに染み込んでしまう可能性があります。一般的にフローリングにはトップコートのようなワックスをかけておきますが、そのワックスが劣化していたり、剥がれているとフローリングに染み込んでしまうのです。また化粧シートをはり付けているフローリングも同様で、特に高温の油などは化粧シートに穴をあけてしまうリスクもあります。食べカスにも調味料や油が染み込んでいるため、やはり放置することで、フローリングのシミや汚れにつながってしまうのです。
湿気によるカビ
寒くなるこれからの季節、気になるのが乾燥ですよね。そのため多くの住宅では、乾燥対策に加湿器を使用されるかと思います。しかし同時に増えてくるのが、加湿器の調整不良による加湿のし過ぎです。室内を加湿しすぎてしまうと逆に湿気が多くなり、窓や壁などの至る所で結露が生じてしまいます。床も同様で、結露が生じてしまい、そのまま放置すると湿気が原因のカビが発生してしまいます。カビが一度発生してしまうと、根をはってしまうため壁紙やフローリングの交換が必要になってしまったり、アレルゲンの一種であるカビの胞子を吸い込むことで健康被害が生じることもあるのです。冬の湿気は見過ごされがちですが、フローリングの汚れや痛みの原因となるため注意が必要です。
フローリングの汚れを放置するとどうなる?
フローリングは、リビングや寝室、廊下など、家の中で最も歩く頻度が高い場所に敷かれています。そのため日常生活で必ず汚れや傷がつきます。しかし汚れの一部は見た目にはあまり分からないことも多く、つい掃除を後回しにしてしまいがちです。「少しくらいなら大丈夫」「そんなに汚れ手いないはず」という油断こそが、フローリングを傷める大きな原因になります。また汚れを放置すると、表面の変色やシミだけでなく、コーティングの剥がれ、カビや雑菌の繁殖、異臭の発生など、見た目だけでなく健康面にも悪影響が出る可能性があります。ここでは、フローリングの汚れを放置するリスクについて詳しく解説していきます。
表面の変色やシミが定着する
ジュースやコーヒー、ワイン、調味料などの液体をこぼしたままにすると、フローリング表面の塗装層を通り抜けて木材に染み込み、シミとして残ってしまうことがあります。特に天然木を使った無垢フローリングや突き板フローリングは特に吸水性が高く、乾いた後でもう一度拭き取ろうとしても、染み込んでしまった部分までは完全にぬぐい取ることができません。また、紫外線や皮脂、埃が混ざることで、元の色合いから黄ばみや黒ずみへと変化することもあります。こうした汚れが原因となっているフローリングの変色は、表面の軽い掃除だけでは十分に落とすことができず、場合によっては研磨や張り替えが必要になります。
コーティングが剥がれ、傷が増える
フローリングの表面には、汚れや傷から守るためのウレタン塗装やUVコーティングが施されています。しかし、皮脂や油汚れ、砂埃などを長期間放置すると、コーティング層が徐々に摩耗し、保護機能が弱まります。コーティングが薄くなった状態では、日常的な歩行や家具の移動、ペットの爪などによる細かい傷がつきやすくなり、その傷口からさらに汚れや湿気が入り込みます。この悪循環が続くと、表面のツヤが失われるだけでなく、木材そのものの劣化も早まります。長時間コーティングが剥がれて放置されたフローリングは、木材部分が腐ってしまうこともあります。
異臭が発生する
フローリングが長期間汚れたままだと、内部に染み込んだ皮脂や食品カス、ペットの尿などが分解され、特有の悪臭を放ちます。この臭いは表面を掃除するだけでは取り除けず、床材を剥がして下地から処理する必要が出てくることもあります。特に、湿気と汚れが合わさることで雑菌が活発に繁殖し、臭いが強くなります。夏場や梅雨時は、普段より臭いが気になりやすく、住んでいる人は慣れてしまって気付けない臭いでも、来客時などに家に来た人に不快感を与える原因にもなります。
板の反りや浮き上がり
フローリングは木材を使用しているため、湿気や水分を吸収すると膨張し、乾燥すると収縮します。汚れや水分が長時間付着している状態では、局所的に含水率が高くなり、部分的な膨らみや反りが発生します。こうしたフローリングの反りや浮き上がりは、一度起こると自然には元に戻らず、放置すると隣の板との隙間が広がって見た目が悪くなるだけでなく、歩行時の段差によるつまずきの原因にもなります。釘などが飛び出たり、腐った一部の床材が足に刺さってしまうような怪我は、家庭内の怪我としても実際に多く起きています。さらに浮き上がったフローリングの隙間から湿気や汚れが入り込みやすくなり、カビや腐食を招く悪循環に陥ります。特に水回りや窓際、観葉植物の鉢の下などは注意が必要で、こぼれた水や結露をそのままにすると短期間で変形が進むことがあります。
カビや雑菌が繁殖しやすくなる
キッチンやダイニング、窓際などは、湿気や水分が溜まりやすく、汚れを放置するとカビの温床になります。特にフローリングの継ぎ目や裏側は空気が通りにくく、一度湿気を含むと乾きにくいため、カビが繁殖しやすい環境です。カビは見た目が悪いだけでなく、人間の目には見えないほど小さな胞子を空気中に放出し、無意識に吸い込んだ人がアレルギー症状や喘息、肌荒れなどの健康被害を引き起こすことがあります。小さい子供や高齢の家族、アレルギーを持っている方にとっては、命の危険につながることもあります。また、雑菌の繁殖によって、床に直接座ったり、赤ちゃんやペットが床を触ったりすることで、衛生的な環境が維持できないことも考えられます。
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フローリングの汚れを防ぐ方法とは?

フローリングの汚れは、気付かないうちに広がってしまう可能性がある、また思わぬタイミングで汚れが発生してしまうことがあるということを、知っていただくことができたかと思います。では、こうしたフローリングの汚れを防ぐ方法は、どのようなものがあるのでしょうか。気持ちよく日々を過ごすために、ここではフローリングの汚れを防ぐ方法について、ご紹介していきます。
皮脂汚れがつかない工夫をする
一度付いた皮脂汚れをきれいにするのは大変ですし、それが家の中全てとなると、やはり掃除も一苦労です。そのため普段できることとしては、皮脂がつかないような工夫をすることです。例えば家の中ではスリッパや靴下を履いて過ごす、などの対策が一番効果的です。動物に関しては仕方ないこともありますので、定期的に足をきれいに拭き取ってあげる、行動範囲をある程度決めておいて掃除の負担を減らすなどの工夫も必要になります。
フロアマットを使用する
キッチン周辺や食事を行うダイニングテーブルの付近は、気を付けていてもどうしても汚れがちな部分です。そのため、汚れ対策としてフロアマットを敷くのをオススメします。もちろんフロアマットも定期的な掃除が必要ですが、高温の油などが跳ねてもフローリングのダメージを最小限にすることができるため、よく揚げ物などをするという方にもオススメですよ。小さいお子さんがいるご家庭は、食べこぼしなどによりフロアマットのお手入れも負担になってしまうかもしれません。その場合は、新聞紙やゴミ袋などを敷いて毎回簡単に捨てることができるような工夫をしておくといいかもしれませんね。
掃除を定期的に行う
どんなに対策をしても、フロアマットを飛び越えて油がはねてしまったりすることはありますよね。そのため、掃除も定期的に行っておくことが大切です。特に油や食べカス、飲み物などの汚れはフローリングに染み込んでしまう可能性があるため、汚してしまった時にすぐに掃除をしましょう。すぐに拭き取る、だけでも十分フローリングのダメージを抑えることができますよ。
定期的な換気を行う
加湿のし過ぎなどによる室内結露を防ぐために、定期的な換気も必須です。特に冬の場合は意識的に行うことで、結露が原因のカビを予防することができますよ。加湿を行っている場合はできれば1時間に1回、5分程度の換気を行うようにしましょう。室内の湿度の目安は大体60%程度と言われており、それを超えると息がしにくくなるなどの不快感も出てきますので、湿度計で小まめに湿度チェックをしておくのもオススメです。
こんな場合はリフォームもオススメ!

丁寧なお手入れ、定期的なお掃除を心がけていても、毎日使うフローリングですからやはり傷みや劣化は出てくるものです。傷みや劣化が進んだフローリングを使い続けると、さまざまなトラブルが発生することもあるため、適切な時期の交換・リフォームも視野に入れておくことが大切です。では、一体どのような場合にフローリングの交換・リフォームをするのがいいのでしょうか。またどのような内容のメンテナンスを行うべきなのでしょうか。以下で詳しく解説をしていきますので、一緒に確認していきましょう。
床の傷が目立ってきた場合
単層フローリングや、表面に無垢材をはり付けているタイプの複合フローリングの場合、木材を水や汚れから守るために基本的にはワックスなどの仕上げが施されています。しかし歩いたりすることによってワックスがすり減り摩耗していくと、床面の傷が目立ちやすくなったり、艶が失われ始めます。こうした変化に気付いた場合は、ワックスをかけ直すサインだと思ってください。床のワックスは年に1回程度が理想とされていますが、家族が多いなどで床面に負担がかかりやすい場合は、半年に1回程度のワックスがけも効果的ですよ。ただし、床材によっては相性が悪いものもありますので、使用する場合はワックスの種類と床材の種類をよく確認しておきましょう。
穴あきや剥がれ
フローリングに重い物を落としてしまったり、家具を引きずってしまって床材が剥がれてしまったなどの場合は、できるだけ早めに修理を依頼するようにしましょう。無理にその部分をシーリングなどで塞いでしまうと、見栄えが悪くなるだけではなく、床材に負担がかかってしまうこともあります。今は床材のDIY修理なども簡単にできる時代ではありますが、念のためプロの業者を呼んで対応してもらうようにしましょう。全体的な劣化ではなく部分的な穴あきや剥がれ程度であれば、修理も部分的なもので済みます。逆に放置してしまうと穴が大きくなってしまったり、剥がれにつまづいてしまうなどのリスクもありますので、注意が必要です。
10年~15年経過している
フローリングの施工から10年~15年経過している場合は、全体的なリフォームが必要となります。フローリングの基盤に問題がなければサンディングといって、フローリングの表面部分を削り上から仕上げ材の再塗装を行うことができます。全体的なリフォームとしては、サンディングは比較的安価で済むため人気があります。一方で劣化が目立ち始めている場合は、既存の床材の上から新しい床材をはり付ける上貼り工法というリフォーム方法もあります。こうすることで床の強度を保ちつつ、新しい床材を楽しむことができます。既存の床材の傷みが激しい場合は、全面張り替えという手法もあります。既存の床材をすべて取り除き新しくはり付けるため、床がほぼ新築同様の仕上がりになります。
まとめ
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