普段はあまり気にすることのない「屋根」ですが、気づかぬうちに鳥が巣を作り、フンが大量に蓄積していることがあります。「屋根の上に鳥がとまっているのをよく見る」「最近、屋根裏からコツコツ音がする」そんなサインを見逃してしまってはいませんか。実は、鳥の巣やフンを放置してしまうと、屋根材の劣化や雨漏り、さらには健康被害につながることもあるのです。そこで今回の記事では、鳥が屋根に巣を作る理由や放置による被害、そして今すぐできる対策方法までを詳しく解説します。
鳥の巣が作られやすい屋根の特徴とは?

鳥は、本能的に安全で居心地の良い場所を選んで巣を作ります。そして実は、住宅の「屋根」は鳥にとって格好の営巣場所になりやすいのです。とくに、ある条件を満たした屋根はターゲットになりやすく、気づかないうちに巣が作られてしまうことも珍しくありません。ここでは、鳥の巣が作られやすい屋根の共通点や注意したいポイントをご紹介します。今お住まいの家が条件に当てはまっていないか、確認しておきましょう。
隙間が多く、構造が複雑な屋根
屋根に小さな隙間があると、鳥はそこを安全な営巣場所と見なして巣を作ります。とくに瓦屋根やスレート屋根などは、瓦や板の重なり部分に微妙な隙間が生じやすく、雨風をしのげるちょうどよい空間となるため注意が必要です。また、築年数の経った住宅では、屋根材が劣化してずれていたり、破損して穴が開いていたりするケースもあり、鳥にとっては格好の住処となってしまいます。さらに、屋根裏の換気や排気のために設けられた通気口や軒天の通風孔も、網などでふさいでいないと侵入の原因になります。こうした構造上の隙間がある屋根は、鳥が巣を作りやすいだけでなく、フンや羽毛が入り込んで屋根裏の環境を悪化させる原因にもなります。屋根の構造が複雑な場合や、細かな部分が見えにくい家ほど、知らぬ間に鳥の被害が進行している可能性があるのです。
人目につきにくく、高所で静かな場所
鳥は天敵や人間から身を守るため、できるだけ静かで人の気配が少ない場所に巣を作ります。そのため、人通りの少ない住宅街や、周囲に高い建物がない戸建て住宅の屋根は特に狙われやすい傾向にあります。また、2階建て以上の家では屋根の位置が高く、地上から見えにくいため、鳥が巣を作っても気づかれにくいという点も要注意です。特に、屋根の裏側や庇の陰、ソーラーパネルの下など、影になって風雨をしのげる場所は鳥にとって理想的な巣作りの環境です。家主が屋根の状態を確認する機会が少ない場合、気づいたときにはすでにフン害や屋根材の傷みが進んでいることもあります。鳥の巣は一度できると習性で同じ場所に戻ってくることも多いため、見落としがちな高所・陰・静かな屋根周辺のチェックは定期的に行うことが大切です。
屋根の清掃や点検が長期間されていない
鳥にとって最も安心できるのは、「人が近寄らない場所」です。屋根の上が長期間放置され、清掃や点検が行われていない家は、鳥にとって非常に魅力的な営巣スポットとなります。とくに、落ち葉や枝などのゴミが雨樋や屋根の隅に溜まっていると、それがそのまま巣の材料になり、あっという間に巣ができあがってしまうのです。また、フンが蓄積しているにもかかわらず放置していると、鳥は「この場所は安全だ」と学習し、さらに仲間の鳥が集まりやすくなる悪循環に陥ります。屋根は高所にあるため確認しにくく、点検を後回しにしてしまう方も多いですが、見えない場所こそ定期的なチェックが重要です。最低でも年に1回は業者に依頼して点検・清掃を行い、鳥が巣を作る前の早い段階で対策をとることで、建物への被害を防げます。
屋根に鳥の巣が作られるとどんなリスクがある?

一見すると、屋根に鳥の巣があるだけでは大きな問題には見えないかもしれません。しかし、放置してしまうことで屋根の劣化や雨漏り、健康被害にまで発展するケースも少なくありません。鳥の巣は「自然の一部」として軽く見られがちですが、住宅にとっては深刻なダメージを引き起こす原因になることも。ここでは、実際にどのようなリスクがあるのかを詳しく見ていきましょう。
屋根材の腐食や破損につながる
鳥の巣に含まれるフンや巣材(枝・枯れ葉など)は、長期間放置されると屋根材に悪影響を及ぼします。とくに鳥のフンには強い酸性成分が含まれており、屋根の塗装や防水層を劣化させる原因となります。スレート屋根や金属屋根では、塗装がはがれたり、サビや割れが生じたりすることも。さらに、フンが雨水と一緒に屋根材のすき間に入り込むことで、下地の木材が腐食しやすくなり、雨漏りのリスクが高まります。見た目には気づきにくいため、「屋根の塗装がまだ新しいから大丈夫」と油断していると、内部の劣化が進行してしまうケースもあります。屋根の寿命を縮める原因として、鳥の巣の影響は意外と見過ごせません。
雨樋の詰まりや排水トラブルを引き起こす
鳥が屋根に巣を作ると、その周辺に落ち葉・羽毛・フンなどが落ちて雨樋に詰まる原因になります。雨樋が正常に機能しなくなると、雨水があふれ出して外壁や基礎にまで被害が及ぶことがあり、住宅全体に悪影響を及ぼします。また、雨樋に水がたまりやすくなることで、湿気がこもりやすくなり、コケやカビの繁殖を促進する環境ができあがってしまいます。さらに、冬場にはたまった水が凍結して雨樋が破損するリスクもあるため、季節を問わず影響が出る点に注意が必要です。「鳥の巣が屋根にあるだけ」と軽く考えてしまうと、知らないうちに排水機能が失われ、修理費用が高額になるケースも少なくありません。
害虫や細菌の発生、健康被害の恐れもある
鳥のフンは見た目以上に危険をはらんでおり、カビ・雑菌・寄生虫などが含まれている場合があります。とくにハトのフンには病原菌が含まれることもあり、乾燥して空気中に舞い上がると、吸い込んでしまった家族に呼吸器系のトラブルを引き起こすおそれもあります。さらに、鳥の巣にはダニやノミ、羽毛ジラミなどの害虫が付着しているケースも多く、屋根裏や室内に侵入する可能性も否定できません。こうした害虫や微生物は、アレルギー症状や皮膚炎などを引き起こすリスクがあるため、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では特に注意が必要です。健康被害を防ぐ意味でも、鳥の巣は早めに撤去し、屋根の清掃と消毒を徹底することが大切です。
屋根の鳥の巣対策は何をすればいい?

屋根に鳥の巣ができると、住宅の劣化や健康リスクといったさまざまな問題につながることがわかっています。屋根に鳥の巣を作られやすい環境の方も、多いのではないかと思います。屋根のうえは普段なかなか見えない場所ですので、すぐに気付けないことも多く、不安に感じている方も多いです。では、そんな屋根の鳥の巣対策ですが、具体的にはどんな対策を取るべきなのでしょうか。また、どのような対策をすれば屋根に鳥の巣を作られずに、屋根や住宅の安全を守ることができるのでしょうか。そこでここでは、すぐに実践できる屋根の鳥の巣対策をご紹介します。
通気口やすき間をふさいで「侵入口」を作らない
鳥が屋根や屋根裏に入り込むのは、わずかな隙間があるからです。とくに注意すべきなのは、屋根裏の通気口や排気口、軒天の開口部などの「小さな穴やすき間」です。鳥は5cm程度の隙間があれば簡単に入り込めるため、こうした場所には防鳥ネットやパンチングメタル、金網などでしっかりとフタをすることが大切です。通気機能は維持しつつ、鳥の侵入だけを防ぐような施工を意識しましょう。また、古い瓦屋根では瓦のズレや割れが放置されているケースも多く、それらも侵入口になるため、早めの修繕が必要です。
鳥よけグッズを活用して「居心地の悪い場所」にする
市販されている鳥よけグッズを活用するのも有効な対策です。たとえば、棘状の鳥よけスパイク(剣山)を屋根の庇部分や雨樋に設置したり、反射するCDや防鳥テープ、フクロウの形をした模型を吊るすといった方法があります。こうしたグッズは、鳥が「警戒すべき場所だ」と判断するきっかけになるため、巣作りを未然に防ぐ効果が期待できます。ただし、鳥が慣れてしまうこともあるため、設置場所や種類を定期的に変えることが重要です。屋根の上という設置しにくい場所もあるため、安全面を考慮して設置は専門業者に依頼するのが安心です。
屋根・雨樋の定期点検と清掃を欠かさない
鳥の巣は、屋根の上が長期間放置されていることを鳥が察知したときに作られやすくなります。人の気配がない、安全そうな場所に巣を作る習性があるため、年に1回以上は屋根と雨樋の清掃・点検を行うことが予防につながります。点検では、落ち葉や巣材になりそうな枝などが溜まっていないかを確認し、雨樋が詰まっていないかもチェック。必要に応じて業者に依頼して高所からの目視点検やドローン調査を実施するのも有効です。見えないからこそ、定期的に「人が関わっている」と鳥に認識させることがポイントです。
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まとめ
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