家の中を歩くと、ギシギシと床が鳴って気になることはありませんか? 床鳴りは単なる音の問題ではなく、放置すると下地材の損傷や住宅全体の寿命に影響することもあります。そのため「どうにかして直したい」と思って、DIYでの補修を検討する方も少なくありません。しかし実は、床鳴りの原因は複雑で、誤った方法で修理するとかえって悪化させてしまう危険性もあるのです。そこで今回の記事では、床鳴りが起こる原因や放置するリスク、そしてDIYが危険な理由について詳しく解説していきます。快適で安心できる住まいを維持するために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
床鳴りする原因とは?

歩くたびにギシギシと音がする床は、想像以上に生活のストレスになります。「新築なのに歩くたびに床が鳴る」「築年数が経った家で鳴る」など、原因は住宅や環境によって異なります。床鳴りの原因は大きく分けて、木材の性質、下地材の状態、施工や設計の問題の3つです。それぞれの特徴や仕組みを理解することで、どのような対策が必要かが見えてきます。まずここでは、床が鳴る代表的な原因を詳しく解説していきます。
木材の乾燥や収縮による床鳴り
木材は温度や湿度の変化に敏感で、季節や室内環境によって膨張したり収縮したりします。特に冬の乾燥時やエアコンによる室内の低湿度環境では、木材が収縮してわずかに隙間が生じます。この隙間が歩行時の衝撃で摩擦され、ギシギシという音として現れるのです。また、木材は水分を吸収したり放出したりする呼吸のような性質を持っており、気温や湿度の変化に応じて微妙に膨張・収縮を繰り返しています。「木は呼吸している」という話を聞いたことがある方も多いかと思いますが、木材のこの水分の吸収や放出の性質がそのように言われるようになった理由でもあります。しかしこの木の呼吸によって、新しいフローリングでも季節によって音が鳴ることがあります。さらに、古い木材では乾燥が進み、もともとぴったりと組まれていた床板の接合部分がわずかにずれることで、より大きな床鳴りの原因となってしまうこともあるのです。
下地材や床板のゆるみ
床板の下には、合板や根太(ねだ)などの下地材があります。これらは床板を支える重要な役割を持っていますが、長年の使用で少しずつ動いたり、釘やビスが緩んだりすることがあります。こうした部材の経年劣化による緩みは、歩行時の衝撃で床板が微妙に沈み、摩擦が発生する原因になります。特に築年数の経った住宅では、下地材の経年変化による床鳴りが多く見られます。また、床板自体が反りやねじれを起こすこともあり、このねじれも歩行時の摩擦音につながります。下地材や床板のわずかな動きが、住宅全体の構造には影響を及ぼさなくても、床鳴りとして症状が出てしまうのです。
施工不良や設計上の問題
新築やリフォーム後すぐに床鳴りが発生する場合、施工不良や設計の問題が原因であることがあります。具体的には、床板の間隔が適切でなかったり、根太の間隔が規定より広く設計されていたり、釘やビスの打ち込みが不十分だったりするケースです。施工不良が床鳴りの原因の場合、床板が微妙に動きやすくなり、歩くたびに摩擦音として現れます。また、施工時に木材の乾燥状態や収縮を十分に考慮していないと、施工直後から季節変動による収縮で床鳴りが生じることもあります。設計や施工上のわずかなズレが、思わぬ床鳴りにつながることがあるため、原因を知ることが重要です。
床鳴りを放置するリスクとは?

床鳴りは「音が気になるだけ」と思われがちですが、放置することで住宅や生活環境にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。単なる不快な音の問題として軽視してしまうと、後から住宅にさまざまな影響を及ぼします。では具体的に、床鳴りに気付いていながら放置してしまうことで、どのようなリスクが発生するのでしょうか。ここでは、床鳴りを放置した場合に考えられる主なリスクについて詳しく解説します。
音が次第に大きくなり生活のストレスになる
床鳴りを放置すると、最初は気にならなかった小さな音が、時間とともに頻度や大きさを増していくことがあります。歩くたびに床がギシギシと鳴ることで、家の中での移動が気になるようになり、日常生活に小さなストレスが積み重なります。特に夜間や早朝、家族や隣人の睡眠時間帯に鳴ると、不快感だけでなく、睡眠妨害や生活リズムが乱れるなどのリスクも高まります。さらに、音の原因が複数箇所に分散している場合、どこから音が鳴っているのか特定できず、急に音が鳴って驚いてしまうなどの精神的なストレスがさらに高まることがあります。落ち着いて過ごしたい住宅のなかで、「いつ音が鳴るか分からない」「静かに過ごしたいのに音に邪魔される」という問題は、家族の体や心の健康を害する原因のひとつにもなり得るのです。
床材や下地材の損傷が進行する
床鳴りは、下地材や床板の摩擦やゆるみによって生じます。放置すると、摩擦が繰り返されることで床板の接合部分が徐々に摩耗し、下地材の緩みがさらに進行します。これにより、歩くたびに床の沈みやたわみが大きくなり、床全体の均一性が崩れていきます。また、部分的な摩耗が広がることで、床鳴りが発生する範囲も拡大し、住宅の使用感や快適性にも影響します。床板や下地材の損傷は表面だけではなく内部構造にも及ぶため、時間が経つほど修復が難しくなる傾向があり、修理の際に予算以上の費用が必要になることもあります。
住宅全体の構造に悪影響を及ぼすことがある
床鳴りは単なる音だけの問題ではなく、住宅構造全体への影響も無視できません。床板や下地材が長期間摩耗・ゆるんだ状態で放置されると、床自体が建物の荷重や振動を適切に分散できなくなります。特に築年数の経った住宅では、床鳴りが構造体トラブルの兆候となることもあります。下地材や床板のわずかな変形や摩耗は、梁や柱など他の構造部材に微小な負荷をかけ、建物全体の耐久性や安全性に影響する可能性があるのです。さらに住宅全体の構造に悪影響が及ぶと、災害時に家が崩れやすくなる、家の安全性が保てないなどの命の危険につながるリスクもあるため注意しましょう。
見た目や資産価値への悪影響が発生する
床鳴りが長く続くと、床板の変形やたわみ、表面の摩耗などが目に見える形で現れることがあります。見た目で住宅のトラブルが分かってしまうと、美観や安心感が損なわれ、住宅の印象が悪くなるだけでなく、将来的に売却や賃貸を考えた場合にも資産価値が低下する可能性があります。小さな音の問題でも、長期間放置すると物理的な損傷と結びつき、住宅全体の価値や快適性に悪影響を及ぼすことを理解しておく必要があります。特に将来住宅を子世帯に譲渡予定の方や、売却予定の方は、安全性や資産性に影響が出る可能性があるため放置は危険です。
床鳴りをDIYで修理するのはなぜ危険?

床鳴りを見つけると、「自分で直せるのでは?」と考えたり、床鳴りのリスクを見て「業者の予約がなかなか取れないから、怖いし自分で対処してしまおう」と考えている方も多いかと思います。しかし、床の構造や材料を十分に理解せずにDIYで修理を行うことは、思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。安易に作業を進めると、床鳴りが悪化するだけでなく、住宅全体に影響を及ぼすリスクもあります。そこでここでは、DIYで床鳴りを修理することの危険性について詳しく解説します。
構造や原因を正確に把握できない
床鳴りの原因は、木材の収縮や下地材の緩み、施工時のわずかなズレなど、複雑に絡み合っています。DIYで表面だけを補修しても、内部の原因が特定できていなければ、床鳴りは再発することがあります。場合によっては、作業によって床板や下地材の位置がずれ、摩擦やたわみが増して音が悪化することもあります。また、原因が複数箇所にある場合、無計画な作業ではどの部分を直せばよいのか判断が難しく、かえって症状を複雑化させるリスクがあります。今後の安全性もふまえると、手軽に自分でできるからとDIYしてしまうのは危険なのです。
住宅設備を傷付けたり怪我をする可能性がある
床の下には給排水管や電気配線が通っていることがあります。DIYで釘を打ち込んだり床板を剥がしたりすると、配管や配線などの生活に欠かせない大切な設備を傷つける危険があります。さらに設備を傷付けるだけではなく、水漏れや電気トラブルを引き起こすと、床下浸水や漏電などの床鳴り以上に大きな問題につながる可能性があります。水漏れや電気トラブルは、プロの業者でないと対応できないため、業者到着の間までにさらに被害が広がってしまう可能性もあるのです。また、床板を剥がしたり不安定な状態で作業することで、転倒や工具でのケガといった安全面のリスクも高まります。素人判断で無理に作業を行うことは、思わぬ事故の原因となるのです。
時間と労力の負担が大きい
DIYで床鳴りの補修を試みても、原因が正確に特定できていないと、作業時間や労力に見合った効果が得られないことがあります。部分的に作業しても、別の箇所で新たに床鳴りが発生することがあり、結果的に何度も作業を繰り返すことになります。さらに、誤った作業で床板や下地材を傷めると、修理の難易度や費用がかえって増す場合もあります。作業前にしっかり下調べをする時間を設けたのにも関わらず、ただただ疲れて思ったようなDIYが実施できないなんてことも多いです。このように、DIYで床を無理に直そうとすることは、時間・体力・労力の無駄になりやすく、床鳴りの根本的な解決にはつながりにくいのです。
床鳴りに気付いたらどうすべき?

床鳴りは、放置すると音が悪化したり下地材の損傷につながることもあるため、早めに対応することが望ましいサインです。しかし、原因の特定や修理方法を誤ると、かえってトラブルを招くことがあります。先ほどもお話をしたように、DIYでの対処は正しい対処法とは言えません。では実際に、床鳴りに気付いた場合はどのように対処するのがいいのでしょうか。ここでは、床鳴りに気付いたときに取るべき基本的な対処法や注意点について解説します。
まずは原因の把握と確認を行う
床鳴りの原因は、木材の収縮、下地材の緩み、施工不良などさまざまです。気になる音を感じたら、まずどの場所で音が発生しているのかを確認し、床板の沈みやたわみの有無、音が鳴るタイミングなどをチェックすることが大切です。原因を曖昧なまま修理しようとすると、部分的な作業では改善せず、逆に音が悪化することもあります。音の発生状況や場所を把握しておくことで、専門業者に相談する際にも正確な情報を伝えることができ、対応がスムーズになります。
無理にDIYで直そうとしない
床鳴りに気付いたからといって、すぐに自分で補修しようとするのは危険です。床の構造や下地材、配管や配線の存在などを把握していないまま作業をすると、床鳴りが悪化したり、住宅設備に影響を与えたり、思わぬ事故につながる可能性があります。安易にDIYで直すのではなく、まずは安全面やリスクを考慮し、原因を正確に把握することが重要です。
専門家に相談して状況を確認する
床鳴りは、見た目では原因を特定しにくいことが多いため、専門家による点検が最も確実です。専門業者は床の構造や下地材の状態を正確に把握できるため、音の原因を特定し、必要に応じた適切な対応策を判断できます。また、長期間放置すると床材の損傷が進み、補修範囲や費用が大きくなることがあります。早めに専門家に相談することで、音の悪化を防ぎ、住宅全体の耐久性や快適性を維持することができます。
まとめ
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