
夏が近づき、「暑い日はベランダで子供用プールを使いたいな」「ベランダにプランターを置いて植物を育てたいな」など考えている方も多いのではないでしょうか。冬場よりも活用範囲が広がる夏のベランダですが、そんなベランダにもメンテナンスが必要だということはご存じでしょうか? 夏は地域によって台風なども発生しやすい時期ですので、ベランダはどうしてもトラブルが発生しやすい場所でもあります。夏本番を迎える前にメンテナンスをして安心して過ごしたいですよね。今回はそんなベランダの防水工事についてご紹介していきます。
ベランダ防水工事のメンテナンスは10~15年に一度!
ほとんどのベランダには防水工事いうものが施されています。防水工事を行う理由は、雨などの際にベランダから建物への雨水の侵入を防ぎ、建物にダメージを与えないようにするためです。どんなに丁寧にお手入れをしていても、外気や雨風に常にさらされているベランダは必ずメンテナンスが必要になります。防水加工の種類にもよりますが、ベランダのメンテナンスの時期は大体10~15年に一度といわれています。
部位別に見るとトップコートの耐用年数は5年、その下の防水層の耐用年数は10~15年と言われています。トップコートだけであれば自分で塗り替えることも可能ですが防水層は難しい作業となるため、耐用年数が経過する前後にはプロの業者にメンテナンス工事を依頼するようにしましょう。
ベランダ防水工事の種類とメリット・デメリット

ベランダの防水工事でよく行われるものは「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」の3種類です。それぞれメリットデメリットがあり、ご自宅やベランダの状態に合わせて使い分ける必要があります。
①ウレタン防水
ウレタン防水とはウレタン樹脂塗料を重ね塗りし、ゴム状の防水膜を作る防水方法のことです。施工日数は3~10日前後です。完成後は歩くと弾力のあるゴム質な床になります。ウレタン防水工事には2種類あり、ほとんどのベランダでは「密着工法」という方法がとられますが、雨漏りをしているなどの異常がある場合は「通気緩衝工法」を使用します。
密着工法は補強布+防水材といった施工を行いますが、通気緩衝工法では通気をよくするために通気緩衝シート+防水材といった施工になります。ベランダの形にとらわれず仕上がりもきれいな施工方法ですが、職人の技術力に左右される工法でもあります。
メリット
・どんなベランダの形にも対応できる
・仕上がりに継ぎ目がなくきれい
・比較的安価で施工できる
デメリット
・年数がたつと亀裂が入るため定期的なメンテナンスが必須
・完成度は職人の技術に左右される
②FRP防水
新築住宅で多く用いられる工法で、FRPは繊維強化プラスティック(Fiber Reinforceed Plastics)の略称です。衝撃に強いプラスチック素材で耐水性に優れているため、ベランダ以外にもボートや自動車などにも使われています。FRP防水が新築住宅に多く使われるのは、軽量でありながら強度があり住宅構造への負担がかかりにくく、木造住宅などの施工に適しているためです。また速乾性があるため他の工法と比べても施工日数が1~2日と少なく済みます。ただし紫外線に弱いため経年劣化を起こしやすいといったデメリットもあります。
メリット
・軽量だが強度に優れている
・耐摩耗性に優れており歩き回っても剥がれにくい
・施工日数が少ない
デメリット
・紫外線に弱くひび割れが起きやすい
・メンテナンス頻度が他工法と比べ高くなりやすい
③シート防水
シート防水とは、ゴム製のシートを床面に貼り付けて仕上げる工法です。「塩ビシート防水」「塩化ビニールシート防水」「合成ゴム系シート防水工法」など様々な種類のシート防水がありますが、全てまとめて「シート防水」といいます。その場で作り上げていくウレタン防水などとは違って、シート防水は工場で作られたものをはっていく作業のため品質が安定しているという特徴があります。ただし既製品をはりつけていくため、複雑な形のベランダにはできない工法でもあります。施工日数は3~7日ほどかかります。
メリット
・工場生産のため品質が安定している
・紫外線に強く耐候性に優れている
・トップコート不要の場合が多い
デメリット
・複雑な形のベランダには不向き
・メンテナンス時は全交換が必要となる場合が多い
ベランダ防水工事のメンテナンスが必要な状態とは?
ベランダのメンテナンスは耐用年数で判断するほかに、見た目などでメンテナンスが必要か判断することもできます。生活していて異変に気付いた際は、業者に連絡しベランダのトラブルが大きくなる前に対処するようにしましょう。
①ひび割れが発生している
表面にひび割れが発生している箇所はございませんか? トップコートが剥がれただけだろうと放置されてしまうことも多いのですが、ひび割れの大きさによってはその下の防水層まで達してしまっている場合があります。ひび割れが発生する前にはトップコートが色あせるなどの前兆が現れますので、よくベランダの床を観察してみてください。
ひび割れの他にも、トップコートの剥がれや内側が水膨れのように膨らんでいる場合も同様に注意が必要です。色あせだけであればご自身でトップコートを塗りなおすなどの作業も可能ですが、ひび割れなどは見た目だけでは判断がつきにくいためプロの業者に依頼して防水層のメンテナンスが必要か確認しましょう。
②水が流れていかない
大雨の後やベランダで水を流した際に、ベランダに水がとどまってしまって水たまりができてしまったりしていませんか? ベランダは排水溝に向かって歩行に問題のない程度の傾斜が付けられており、その傾斜によって自然に水が排水溝へと流れていく仕組みなのですが、排水溝がつまっていたり建物のゆがみなどで水が流れていかないことがあります。
排水溝のつまりはお掃除で解消できる場合がほとんどですが、建物のゆがみなどはベランダ防水の問題ではないためベランダの勾配そのものを調整する必要があります。水たまりをそのまま放置してしまうとベランダからの雨漏りなど深刻な問題に発展してしまうため、気付いたらすぐに業者に依頼するようにしましょう。
③雨漏りをしている
ベランダの経年劣化によりベランダのトップコートやその下の防水層から水がしみ出し、雨漏りなどを引き起こす可能性があります。
ベランダの下が住宅部分の場合、クロスなどへの被害も懸念されます。木造住宅の場合は雨漏りにより構造体が腐ったりカビたりしてしまう可能性が高く、早い段階で対処する必要があります。ベランダにひび割れが発生していないかなどを普段から確認し、大きな被害にならないよう普段から気を付けて観察してみてくださいね。
ベランダ防水工事は外壁と同時期のメンテナンスがおすすめ!
ベランダのサビや雨漏りは、ベランダだけの問題だけではなく放置してしまうと外壁からの雨漏りなどの原因にもつながります。ベランダの防水工事は単体でも可能ですが、ベランダにトラブルが発生している場合は外壁もトラブルを抱えている場合が多いです。
またベランダと外壁工事を同時期にメンテナンスすることでメンテナンス時期をそろえることができ、一度に工事ができるためおすすめです。ベランダ防水工事のメンテナンスをする際は、是非外壁のメンテナンスも検討してみてください。
まとめ
今回はベランダの防水工事について、その種類や気を付けていただきたいベランダ劣化のサインについてご紹介してまいりました。いかがだったでしょうか。季節の変わり目などは気候にも変化があるためこうした住宅のメンテナンスが増える時期です。問題が起きる前に対処できるよう、定期的なメンテナンスを心がけましょう。
またイーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。ベランダのメンテナンスをお考えの方はお気軽にご相談ください。