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ベランダの防水工事には寿命がある!?必要なメンテナンスの時期と内容

お役立ちコラム

更新日:2023/08/09

夏が近づき、「暑い日はベランダで子供用プールを使いたいな」「ベランダにプランターを置いて植物を育てたいな」など考えている方も多いのではないでしょうか。冬場よりも活用範囲が広がる夏のベランダですが、そんなベランダにもメンテナンスが必要だということはご存じでしょうか? 夏は地域によって台風なども発生しやすい時期ですので、ベランダはどうしてもトラブルが発生しやすい場所でもあります。夏本番を迎える前にメンテナンスをして安心して過ごしたいですよね。今回はそんなベランダの防水工事についてご紹介していきます。

ベランダ防水工事のメンテナンスを行う理由は?

冒頭でも触れたようにベランダは特に今の時期にトラブルが発生しやすい住宅の部分です。では、なぜベランダの防水工事は必要なのでしょうか。ベランダの防水工事は重要性が見えにくい分つい忘れられてしまいがちですが、なぜ定期的に行う必要があるのかを知っておくことで、住宅を長持ちさせようという気持ちの変化にもつながります。そのためまず初めに、ベランダの防水工事の必要性について解説をしていきます。

雨水を建物内に入れないため

ベランダは住宅で多くの場合がむき出しになる形状です。そのため、天候の影響を受けやすく雨水などに対して強くなければいけません。防水工事はそうしたベランダの構造上のデメリットを補うために、防水施工を行い天候の影響や雨水に強い設計になっています。雨漏りと聞くと屋根から入り込むイメージをされる方も多いですが、実はベランダの防水工事が劣化していることが原因で、ベランダから雨漏りを起こしてしまうこも珍しくありません。住宅を雨から守るためには、ベランダへの定期的な防水工事やメンテナンスが必須となります。

建物の寿命を守るため

木造やRC造問わず、雨漏りをしてしまうことでどのような建物も必ず傷みます。しかしベランダからの雨漏りは気付きにくいことも多く、気付いた時には建物の重要な構造にまで雨漏りの影響が出てしまっていた、なんてことも実際には珍しくありません。建物は基本的に雨水に弱いものですので、雨漏りを防ぐために防水工事を行うことは、建物の寿命を守るためにも必要なことであると言えます。

人の命を守るため

雨漏りによる部分的な建物崩壊は、その言葉だけを聞くとあまり現実的には感じませんよね。しかししっかりとした構造設計を行っている日本においても、雨漏りを放置することで建物が部分的な崩壊を起こしている例は令和の時代にも起きています。防水工事を行い、雨漏りを防ぎ建物の寿命を守るということは、人の命を守ることにもつながります。そのため決してベランダの防水工事は軽視できな必要な工事でもあるのです。

ベランダ防水工事の種類とメリット・デメリット

ここまでで、ベランダの防水工事の必要性を知っていただくことができたかと思います。新築依頼何もしてこなかったという方は、是非この機会に防水工事やメンテナンスを検討してみてくださいね。さて、ここからは実際にベランダ工事の種類とその内容についての解説に入ります。ベランダの防水工事でよく行われるものは「ウレタン防水」「FRP防水」「シート防水」の3種類です。それぞれメリットデメリットがあり、ご自宅やベランダの状態に合わせて使い分ける必要があります。どのような種類の防水工事かは建築当時の図面や仕様書を確認することで知ることができますが、専門の業者は現場を見て判断できますので、今どの種類の防水工事なのかやどの種類を行うべきかについてハッキリと分かっていなくても安心してくださいね。

①ウレタン防水

ウレタン防水とはウレタン樹脂塗料を重ね塗りし、ゴム状の防水膜を作る防水方法のことです。施工日数は3~10日前後です。完成後は歩くと弾力のあるゴム質な床になります。ウレタン防水工事には2種類あり、ほとんどのベランダでは「密着工法」という方法がとられますが、雨漏りをしているなどの異常がある場合は「通気緩衝工法」を使用します。

密着工法は補強布+防水材といった施工を行いますが、通気緩衝工法では通気をよくするために通気緩衝シート+防水材といった施工になります。ベランダの形にとらわれず仕上がりもきれいな施工方法ですが、職人の技術力に左右される工法でもあります。

メリット
・どんなベランダの形にも対応できる
・仕上がりに継ぎ目がなくきれい
・比較的安価で施工できる

デメリット
・年数がたつと亀裂が入るため定期的なメンテナンスが必須
・完成度は職人の技術に左右される

②FRP防水

新築住宅で多く用いられる工法で、FRPは繊維強化プラスティック(Fiber Reinforceed Plastics)の略称です。衝撃に強いプラスチック素材で耐水性に優れているため、ベランダ以外にもボートや自動車などにも使われています。FRP防水が新築住宅に多く使われるのは、軽量でありながら強度があり住宅構造への負担がかかりにくく、木造住宅などの施工に適しているためです。また速乾性があるため他の工法と比べても施工日数が1~2日と少なく済みます。ただし紫外線に弱いため経年劣化を起こしやすいといったデメリットもあります。

メリット
・軽量だが強度に優れている
・耐摩耗性に優れており歩き回っても剥がれにくい
・施工日数が少ない

デメリット
・紫外線に弱くひび割れが起きやすい
・メンテナンス頻度が他工法と比べ高くなりやすい

③シート防水

シート防水とは、ゴム製のシートを床面に貼り付けて仕上げる工法です。「塩ビシート防水」「塩化ビニールシート防水」「合成ゴム系シート防水工法」など様々な種類のシート防水がありますが、全てまとめて「シート防水」といいます。その場で作り上げていくウレタン防水などとは違って、シート防水は工場で作られたものをはっていく作業のため品質が安定しているという特徴があります。ただし既製品をはりつけていくため、複雑な形のベランダにはできない工法でもあります。施工日数は3~7日ほどかかります。

メリット
・工場生産のため品質が安定している
・紫外線に強く耐候性に優れている
・トップコート不要の場合が多い

デメリット
・複雑な形のベランダには不向き
・メンテナンス時は全交換が必要となる場合が多い

ベランダ防水工事のメンテナンスが必要な状態とは?

ベランダの防水工事の耐用年数は、一般的には10年~15年ほどと言われており、そのスパンで点検・メンテナンスを行っていきます。しかし台風が多い地域で合ったり塩害を受けやすい場所においては、想定している耐用年数よりも早い段階でベランダが劣化してしまうことがあります。そのため、耐用年数だけではなくベランダの状況に応じてメンテナンスが必要であれば依頼するようにしましょう。では、具体的にどのような状態になったらベランダのメンテナンスを依頼すればいいのでしょうか。ベランダの劣化にいち早く気付くためにも、具体的な劣化症状について一緒に確認していきましょう。

①ひび割れが発生している

表面にひび割れが発生している箇所はございませんか? トップコートが剥がれただけだろうと放置されてしまうことも多いのですが、ひび割れの大きさによってはその下の防水層まで達してしまっている場合があります。ひび割れが発生する前にはトップコートが色あせるなどの前兆が現れますので、よくベランダの床を観察してみてください。

ひび割れの他にも、トップコートの剥がれや内側が水膨れのように膨らんでいる場合も同様に注意が必要です。色あせだけであればご自身でトップコートを塗りなおすなどの作業も可能ですが、ひび割れなどは見た目だけでは判断がつきにくいためプロの業者に依頼して防水層のメンテナンスが必要か確認しましょう。

②水が流れていかない

大雨の後やベランダで水を流した際に、ベランダに水がとどまってしまって水たまりができてしまったりしていませんか? ベランダは排水溝に向かって歩行に問題のない程度の傾斜が付けられており、その傾斜によって自然に水が排水溝へと流れていく仕組みなのですが、排水溝がつまっていたり建物のゆがみなどで水が流れていかないことがあります。

排水溝のつまりはお掃除で解消できる場合がほとんどですが、建物のゆがみなどはベランダ防水の問題ではないためベランダの勾配そのものを調整する必要があります。水たまりをそのまま放置してしまうとベランダからの雨漏りなど深刻な問題に発展してしまうため、気付いたらすぐに業者に依頼するようにしましょう。

③雨漏りをしている

ベランダの経年劣化によりベランダのトップコートやその下の防水層から水がしみ出し、雨漏りなどを引き起こす可能性があります。

ベランダの下が住宅部分の場合、クロスなどへの被害も懸念されます。木造住宅の場合は雨漏りにより構造体が腐ったりカビたりしてしまう可能性が高く、早い段階で対処する必要があります。ベランダにひび割れが発生していないかなどを普段から確認し、大きな被害にならないよう普段から気を付けて観察してみてくださいね。

ベランダ防水工事をお得に行うには?

ここまで読んでいただいた方の中には、ベランダの防水工事について本格的に依頼を検討したいと考えている方もいらっしゃるかと思います。しかし、そのまま工事を依頼してしまうのは少し勿体ない部分があります。実はベランダ工事は他の工事と合わせて依頼することで、トータル費用が安く済み、かつ他の部分のメンテナンスも同時進行することが可能です。ベランダの防水工事を検討されている方は、是非これからご紹介する内容も目を通したうえで、必要があれば実際に業者に相談してみてくださいね。

外壁塗装工事と同時に行う

ベランダの防水工事は、外壁の塗装工事を同時に行う方が実は多いです。ベランダの防水工事と外壁塗装工事はともに高所作業になるため、足場の設置を行うケースも珍しくありません。足場は一般的には15万円~20万円と高額な費用が一回にかかるため、足場が必要なメンテナンスは一度に済ませてしまうことで足場代節約になります。そのため、ベランダの防水工事を行う際は外壁塗装工事のメンテナンスも一緒に検討することをオススメしています。

定期的にトップコートの施工と点検を依頼する

ベランダの防水工事は主に2種類のメンテナンス方法に分けられます。ひとつ目がトップコートのみの修理、再施工です。ふたつ目がトップコートの下にある防水層含めた修理、再施工です。ベランダの防水工事は10年~15年に一度だけでいいと思われている方も多いですが、より長持ちさせて高いコストパフォーマンスを狙うためには、5年ごとにトップコートの修理や点検を行い、必要に応じて再施工を行うことが必要となります。防水層にまで劣化が達してしまうと工事費用が高くなるだけではなく、建物にも影響を与えてしまうため、こまめな点検は欠かさず依頼するようにしましょう。

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まとめ

今回はベランダの防水工事について、その種類や気を付けていただきたいベランダ劣化のサインについてご紹介してまいりました。いかがだったでしょうか。季節の変わり目などは気候にも変化があるためこうした住宅のメンテナンスが増える時期です。問題が起きる前に対処できるよう、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

またイーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。ベランダのメンテナンスをお考えの方はお気軽にご相談ください。