瓦屋根は歴史が長く、飛鳥時代に朝鮮半島から伝わったことをきっかけに普及していったと言われています。西暦で言うと588年頃と言われており、瓦屋根にはかなり長い歴史があることが分かります。そんな瓦屋根ですが、耐用年数が50~60年ととても長いことが特徴です。現在は瓦屋根よりもお手頃で性能のいい屋根がたくさん販売されていますが、それでも瓦屋根は新しい屋根の約2倍の耐久性があります。そのためか、瓦屋根を使用している住宅では「瓦屋根は強いから大丈夫なはず」とメンテナンスを怠ってしまうケースがあります。しかし瓦屋根も他の屋根と同様メンテナンスは必須です。また雨漏り被害が発生した後に放置してしまうと、他の屋根よりも修理費用が高くなってしまうこともあり注意が必要です。今回はそんな瓦屋根に雨漏りが発生した際の症状や修理方法について詳しく解説していきます。自宅の屋根が瓦屋根だという方は、これから解説する雨漏りの症状が当てはまっていないかも併せて確認してみてくださいね。
瓦屋根に起こりやすい雨漏りの症状

ではさっそく、瓦屋根を使用している住宅に起こりやすい雨漏りの症状について解説していきます。雨漏りと聞くとポタポタ天井から滴り落ちるようなイメージをするかもしれません。しかし実際には雨漏りのほとんどが気付かないうちに進行しており、また必ずしも居住スペースに発生するとは限りません。ですので、雨漏りをしていないかを意識して定期的に確認する必要があります。中には屋根の内部を見ないと分からないということもありますが、普段の生活の中で確認できる部分もありますので覚えておくようにしましょう。
天井のシミ
雨漏りが発生した際の症状で一番分かりやすいのが、この天井のシミです。雨漏りが発生した部分を中心に、茶色の輪を描くように広がっているのが特徴です。必ずしも分かりやすい部分にできるとは限らず、押し入れなどの天井部分にできていることもあります。押し入れは、短時間で布団の出し入れなどを行うだけのため電気を付けていないことも多いかと思います。こうした場所は意識して確認しないと、雨漏りを発見するのに時間がかかってしまうこともあります。そのため押し入れの天井部分などは、掃除や物の出し入れのついでに意識して確認するようにしましょう。暗くて分かりにくい場合は懐中電灯や携帯のライト機能などを使うと分かりやすいですよ。
天井裏のシミやカビ
天井裏スペースのある住宅だと、天井裏スペースで雨漏りが広がってていることがあります。この場合は木材部分にシミ、腐敗が生じていることが多いです。また天井裏は空調が届かずジメジメとした空間になりやすく、そこに更に雨漏りが発生してしまうことで、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。メンテナンスなどで気付くことが多く、既に広範囲に渡って天井裏の木材がシミやカビに侵されていることも少なくありません。こうなってしまうと修理費用も高額になりやすいため、天井裏スペースは定期的に目視やカビによる臭いがないかを確認しておくようにしましょう。
軒天のシミ
軒天とは天井裏のボード部分のことを言います。軒天は家の外から屋根を見上げるようにして見ると、確認することができます。この軒天部分は通常雨水に晒される構造にはなっていませんが、雨どいの破損や瓦屋根の破損などにより排水が上手くいかず、軒天部分に雨水が流れ込み発生する雨漏りです。時間が経ち雨水が蒸発することで、天井のシミのように軒天にもシミが出現します。一見汚れのように見えて見過ごしてしまいがちな雨漏り症状ですが、軒天の一部分だけがシミ状になっている場合は多くの場合雨漏りによるシミです。洗濯物を干したり外に出たついでなどに、軒天にシミができていないか確認するようにしましょう。
瓦屋根の雨漏りはなぜ発生するの?

屋根の種類問わず、屋根からの雨漏りはほとんどが同じような原因で発生します。しかし瓦屋根は一枚一枚重ねていく構造から、他の屋根にはない雨漏り原因もあります。瓦屋根が雨漏りしやすい原因を知っておくことで、どういった状況の場合に雨漏りが発生するか、またはしている可能性があるか把握することができます。メンテナンスの際にも役立つ知識ですので、原因について知っておくことも大切です。
板金の劣化
屋根の板金と聞いてもピンとこないという方も多いかもしれません。板金には主に2つの役割があり、1つめは雨水の侵入を金属の板によって防ぐことです。2つめは同じ方向に向かって斜めになっている二つの屋根の先端をつなぐ部分に板金を設置することで、屋根同士の隙間を埋め排水をスムーズにする雨樋のような役割です。瓦屋根の場合は主に2つめの「谷樋(たにとい)」と呼ばれる構造が多く用いられるため、谷樋が原因での雨漏りトラブルは多いです。谷樋はその名前の通り二つの屋根で作られた谷部分に設置されている板金のため、雨水が一番集まりやすく、さびなどによって劣化し穴が開いてしまうことがあります。この谷樋の穴が原因で雨漏り被害が発生します。
瓦のズレ
瓦屋根は瓦を1枚1枚折り重ねるようにして形成しているため、それぞれの瓦がズレてしまうことがあります。ズレてしまう原因としては地震、台風や突風などの自然災害によるものが多いです。大きな地震があると地面に叩きつけられている瓦映像などがテレビで報道されることがありますが、こうした現象は瓦屋根独特の被害です。例え瓦屋根が地面に落ちていなくても、瓦屋根を使っている住宅では大きな自然災害の後は特に注意する必要があります。
瓦の破損
瓦がズレることもあれば、破損することもあります。真っ二つに割れていることもありますし、亀裂が入っていることもあります。丈夫な屋根である一方で、瓦は陶器という性質上、衝撃に弱いです。台風などの飛来物が原因で起きることが多いです。破損してしまった瓦の部分から雨水が染み込んでしまい、じわじわと広がっていくうちに雨漏り被害につながることがあります。
瓦屋根から雨漏りしたら、プロはどうやって修理する?

雨漏りが発生してしまった場合、瓦屋根は修理が難しそうだと思われてしまいがちです。実際に瓦屋根の施工には技術が必要となるため、施工そのものを行える業者が少ないです。しかし、修理の際は他の屋根と比べて比較的安く、小規模で行えることが瓦屋根のメリットでもあります。では一体どんな修理を行うのでしょうか。詳しく解説していきます。
壊れた部分の瓦を交換する
瓦屋根の最大のメリットは、1枚から瓦の交換をすることができるという点です。そのため部分的に破損しただけであれば、その部分を交換するだけで済みます。破損した場合の修理費用は他の屋根と比べてもかなり安いです。瓦屋根は一枚一枚屋根にのせていく必要があり、技術も必要になるため、瓦屋根を導入するにはコストがかかります。しかし長期的な目で見て修理費用が安く済むこともあり、コストパフォーマンス面で決して悪くはありません。
修理範囲が広い場合は葺き替えを行う
瓦屋根も瓦の下にあるルーフィングが破れてしまうことで、下地がダメになってしまうこともあります。その際は屋根全体を新しく取り換える葺き替え工事が必要になります。瓦屋根の場合、耐久性はありますが衝撃に弱い面もあるため、大きな台風などの自然災害時には葺き替え工事が行われることは少なくありません。修理費用は安いものの、全面的な葺き替え工事が発生した際は、他の屋根より工事費用がかかります。
悪徳な修理業者に要注意

悪徳な修理業者は、修理できるなどと言いながら、適当な処置を行うケースが多々あります。特に瓦屋根は雨漏りした際の特定が他の屋根よりも難しく、「なんとなく隙間があるからという理由でシーリング材を補填して終わり」なんて業者もいます。屋根の雨漏りは必ずしも一箇所とは限らず、また一見ちょっとした瓦の亀裂でも、その亀裂が下地材まで達しており雨漏り被害が進行していたなんてことも現場ではよくあるケースです。いくら施工技術が高くても、雨漏りの原因を見抜けなければ、何回修理しても雨漏りは繰り返します。繰り返す雨漏りは建物にも大きなダメージとなり、建物の構造に重要な柱や梁が腐る、カビる、といった大きな二次トラブルにつながることもあります。依頼する際には悪徳な修理業者に引っかかってしまわないよう、瓦屋根の修理も対応できる業者を探すようにしましょう。屋根の雨漏りに専門知識で対処できる「雨漏り診断士」といった資格もあるため、業者に依頼する際にはこうした専門資格を保有しているか、などに注目して依頼することをおすすめします。
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まとめ
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