
9月は台風が多く日本全国天気、大雨に見舞われましたね。台風によって雨漏り被害が発生してしまった、または今回は大丈夫だったけれど建物のメンテナンスについて考えるきっかけになった、という方もいらっしゃるのではないかと思います。雨漏りの発生原因はさまざまで一概にどこが原因だとは言い切れないものですが、雨漏りを防ぐために重要な部分のひとつが屋上や屋根、バルコニーの防水性能です。こらの部分は特に雨の影響を受けやすいため「防水工事」というものが施されます。雨漏り修理やメンテナンスでは度々防水工事が行われますが、初めて業者に依頼する方であればどんな業者に依頼すればいいか分かりませんよね。そんな時に役立つのが業者の「保有資格」です。防水工事に関する業者の保有資格について知っておくと、業者選びの際のひとつの判断材料となります。
そもそも防水工事とは?
防水工事とは、建物のうち雨の影響を受けやすい部分に雨水の浸水を防ぐために行われる工事のことです。「水を防ぐ工事」、文字そのままの意味ですね。雨水が建物内部に侵入するというと、天井からの雨漏りをイメージする方がほとんどだと思います。しかし実際には天井に届くまでの間の家庭で建物の柱や梁、天井裏など見えない部分から先に雨漏り被害が進んでいることが多く、目に見えて分かる雨漏り被害になっている時には既に雨漏り被害が進行してしまっている場合がほとんどです。雨漏りは木造住宅だけではなくRC造などの建物にも大きな被害を出す可能性が高く、雨漏りに気付かず放置してしまったことによりカビの発生などの二次被害を招く恐れがあり大変危険です。このようなことにならないためにも防水工事をしっかりと行う必要があるのです。
防水工事の種類
防水工事にはいくつかの種類があり、その中でも一般的な住宅や共同住宅に用いられる防水工事は4種類ほどあります。防水工事は屋根の形状や建物の構造体などによって使い分けていくものであるため、一見同じように見えるお隣の住宅でも違う種類の防水工事が施されているなんてこともあります。4種類の防水工事については他の記事でご紹介をしておりますので、詳しく知りたいという方は以下より合わせてご覧ください。
◎合わせて読みたい記事!
防水工事の工法は4種類! それぞれのメリット・デメリットは?
https://www.elife-home.net/column/bousuikouji/.html
防水工事に資格は必要ない

記事のタイトルで書いている防水工事に必要な資格についての答えですが、先に答えを言ってしまうと実は防水工事を行う上では資格は必要とされていません。さらに分かりやすく言ってしまうと「誰でも防水工事ができてしまう」のです。これは住宅規模の工事の場合の話ですが、そうは言ってもある程度の技術と経験がなければ防水工事を行うことは難しいものですし、住宅の寿命に関わる大切な工事ですので言葉通り誰でも行えるものでもありません。ほとんどの業者は防水工事について技術も知識もありますが、初めて依頼する方にとっては数ある業者の中から何を判断基準にすればいいか悩んでしまうものです。そのため防水工事を業者に依頼する時に是非注目していただきたい防水工事業者の保有資格について解説してきます。
「防水施工技能士」を持っている業者かどうか
防水工事を依頼する時にひとつの判断材料にしていただきたいのが、「防水施工技能士」を防水工事業者が持っているかどうかです。防水施工技能士は厚生労働省が認定する国家資格のひとつで、都道府県職業能力開発協会によって実施されている技能検定試験に合格した者が名乗ることのできる資格です。中でも実技試験においてはウレタンゴム系塗膜防水工事作業、アクリルゴム系塗膜防水工事作業、セメント系防水工事作業、シーリング防水工事作業、FRP防水工事作業、アスファルト防水工事作業、合成ゴム系シート防水工事作業、塩化ビニル系シート防水工事作業、改質アスファルトシートトーチ工法防水工事作業と9種類に細分化されています。資格保持者は防水工事のスペシャリストともいえる存在です。
資格習得までの流れ
防水施工技能士は1級、2級と階級分けがされておりそれぞれの階級には以下の受験資格が設けられています。
・1級:実務経験7年以上
・2級:実務経験2年以上
職業訓練歴や学歴などにより実務年数が異なる場合がありますが、基本的に試験を受けるためには実務経験を積んでいることが必要となります。防水施工技能士の試験は学科試験と実技試験があり、合格するためには双方の合格基準を上回る必要があります。このような試験内容からも分かる通り、防水施工技能士を持っているということは経験・知識・技術の3点が一定以上の職人という証明にもなりますので、初めて依頼するような業者で技術力が分からなくても、防水施工技能士を持っているとなれば一定以上の品質が保証されているという見方ができます。
資格=技術力とは限らない
防水施工技能士を持っていれば安心ではありますが、資格がないから悪いというわけでもありません。資格を持っていない方の中でも優秀な職人の方は多くいらっしゃいますし、特に昔からの職人気質の方などは持っていないなんてこともよくある話です。信頼できる施工業者などの繋がりで紹介してもらった業者であればそちらの方が腕が保証されていて安心だ、という方もいらっしゃいます。防水施工技能士を持っているかどうかは、あくまで判断に困った際のひとつの判断材料として見ていただければと思います。無理に固執する必要はありません。
油断すると悪徳業者に騙されてしまうかも
最後に注意していただきたいのが、悪徳業者の存在です。そもそも防水施工技能士という資格の認知度が高くないため、一般の方は資格の存在を知らないという事も多いです。そのため防水工事業者を名乗る業者の営業に上手くのせられてしまい、終わってみればお金の支払い損になってしまった。なんてこともあります。悪徳業者は「知らない」という隙をついて必要のない工事を進めてきたり、どうせ分からないだろうと雑な工事を行ったり、酷い場合には工事の必要のない住宅に「今すぐ防水工事が必要だ」などと持ちかけ契約を急かし、高額な工事費を払わせるなんて被害も起きています。このような悪徳業者を避けるためにも、初めて依頼する業者はしっかりと見極め、判断悩んだら資格を持っているかを確認するようにしましょう。
◎合わせて読みたい記事!
屋根修理の悪徳業者に注意!特徴や騙されないために気を付けるべきこととは?
https://www.elife-home.net/column/yaneakutoku/.html
上記の記事で悪徳業者の特徴について詳しく解説していますので、これから依頼を考えている方は是非一度ご覧ください。
定期的なメンテナンスで住宅の寿命を長くしよう!
修理は雨漏りが発生した際にすればいい、と考える方が多いかもしれません。特に防水工事については工事そのものの存在が馴染みがないため、特に意識していなかったという方もいらっしゃいます。しかし雨漏りは発生してからよりも発生する前に防ぐ方が、工事費用も格段に安く済みます。メンテナンスを依頼したら自覚がないだけで雨漏りが実際に起きていたというケースも良く見受けられます。日本では屋根の雨漏りに気付かず放置していまい、腐敗した屋根材が屋根を支えられなくなり建物が倒壊していまうということが現実に起きています。命の危険にさらされることもあるため雨漏りは絶対に甘く見てはいけません。大きな被害になる前にメンテナンスをすることが大切です。
防水工事は10~15年に1度
それではどのタイミングで防水工事のメンテナンスを行うべきかという話ですが、一般的な住宅であれば10~15年に1度メンテナンスを行うことを推奨されています。部位別に見るとトップコートの耐久年数は5年、その下の防水層の耐久年数が10~15年と言われています。これはあくまでも一般的な話で、地域の気候特性によってはもっと早いタイミングでメンテナンスが必要になることもあります。バルコニーなどであればコケやひび割れが発生していると劣化のサインにもなりますので普段から観察しておくと、適切なタイミングでメンテナンスを行うことができます。
まとめ
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