夏になると気温と湿度が一気に上昇し、私たちの暮らしにさまざまな変化をもたらします。そのひとつが、害虫の急増です。ゴキブリやシロアリ、蚊、ムカデ、チョウバエなど、さまざまな害虫が活発になり、家の中に入り込んでくるトラブルが多発する季節でもあります。とくに築年数の経った住宅や、屋根・外壁にすき間がある家では、害虫の侵入リスクが高まります。家の中に害虫が入り込むと、衛生面の不安やストレスが増えるだけでなく、場合によっては健康被害や建物の劣化につながることも。だからこそ、「気づいたら虫が家の中にいた」という事態になる前に、しっかりと予防対策を行うことが大切です。この記事では、夏に害虫が増える理由や、家の中に害虫を入れないための具体的な対策ポイントについて、わかりやすく解説していきます。屋根や外壁のチェックポイントも交えながら、今日から実践できる対策を見つけましょう。
なぜ夏に害虫被害が増えるの?

夏は「害虫の季節」といわれるほど、多くの虫が目につくようになります。実際、害虫の発生件数は夏にかけて急増し、家庭内への侵入トラブルも後を絶ちません。ではなぜ、夏になるとこれほど害虫が活発になるのでしょうか? ここでは、夏の気候や住環境が害虫被害を招きやすくなる理由を、考えられる原因に分けて詳しく解説します。
高温多湿の気候が害虫の繁殖を促す
夏は気温が25~30℃以上になり、湿度も高くなるため、多くの害虫にとって最適な繁殖環境が整います。ゴキブリやシロアリ、蚊などはこの温暖多湿な気候を好み、活発に動き回るようになります。特にゴキブリは気温が上がると代謝が活発になり、食べ物や水を求めて屋内へと移動してきます。また、シロアリは梅雨明けから夏にかけて羽アリとなって飛び立ち、新しいコロニーを作ろうとします。こうした害虫は、わずかなすき間や通気口からでも侵入するため、家まわりの対策が不十分だと一気に被害が広がるおそれがあります。
室内と屋外のつながりが増えやすい
夏場は窓やドアを開けて風を通したり、庭で過ごす時間が増えたりと、屋内外の境界がゆるくなる季節でもあります。これにより、ちょっとした油断から害虫が家の中に侵入しやすくなるのです。網戸の破れや、玄関ドアのすき間、ベランダの排水口などが侵入口になってしまうこともあります。さらに、エアコンの配管や換気口などの構造的な隙間も、害虫にとっては格好の出入り口です。人の行動が開放的になることで、無意識のうちに害虫の侵入経路を広げてしまっているのです。
屋外環境が虫のすみかになりやすい
夏は雑草が伸びやすく、庭木の茂りも増す時期です。こうした屋外の環境は、害虫のすみかや繁殖地として絶好の条件になります。たとえば、落ち葉のたまった植栽まわりや、湿った地面の隙間などにはダンゴムシやムカデ、ヤスデといった虫がひそんでいることも珍しくありません。また、外に置いているゴミ箱や、使っていない鉢・バケツにたまった水は、蚊の繁殖場所になりやすいポイントです。庭や家のまわりの整理が行き届いていないと、結果的に家への侵入を招くリスクが高まります。
夏の害虫が侵入しやすい家の特徴とは?

「家の中にいつの間にか虫が入り込んでいた」という経験はありませんか? 実は、害虫が住まいに侵入しやすいかどうかは、建物の構造や立地環境、日々の暮らし方などによって大きく左右されます。特に夏は、害虫の活動が活発になるため、ちょっとしたすき間や湿気、屋外環境の乱れが被害の引き金になることも少なくありません。ここでは、夏の害虫が特に侵入しやすい家の特徴について、主なチェックポイントを整理してご紹介します。
換気口や排水口などが無防備な状態の家
換気口や排水口、エアコンの配管まわりなど、家の中と外をつなぐ部分が無防備な状態だと、そこから害虫が侵入しやすくなります。キッチンや浴室、トイレの換気口には、目の粗い網がついているだけというケースも多く、小さな虫であれば容易に通り抜けることが可能です。とくにチョウバエやユスリカといった微小な飛翔昆虫は、こうしたすき間を好んで侵入してきます。また、配管まわりに隙間があると、ゴキブリが水気を求めて屋内に入り込むきっかけにもなります。見た目では問題がなさそうでも、目に見えないところに「虫の通り道」が存在することは珍しくありません。
網戸やドアまわりに劣化やすき間がある家
網戸の破れやたるみ、ドアの隙間など、出入り口まわりの劣化は害虫の侵入を許してしまう原因のひとつです。夏は窓を開けて過ごす時間が増えるため、網戸が本来の役割を果たしていないと、その分、虫が入り込みやすくなります。特に網目の大きい網戸や、たわみ・ゆがみがあるものは注意が必要です。また、ドアの下部や枠まわりにできる1〜2mmのすき間からでも、ゴキブリやアリは簡単に出入りできてしまいます。玄関ドアを開閉する際、室内の明かりに誘われて飛び込んでくる虫も少なくありません。こうした小さな劣化や構造的なすき間が、夏の害虫被害を加速させる大きな要因となります。
植栽やゴミ置き場が建物の近くにある家
家のすぐそばに植栽やゴミ置き場があると、そこが害虫のすみかや発生源になることがあります。庭木や植え込みの下には、湿気がこもりやすく、日陰も多いため、ダンゴムシやムカデ、ヤスデなどが潜んでいることがあります。また、落ち葉がたまったままになっていたり、プランターや植木鉢の裏に水が溜まっていたりすると、蚊の発生源にもなり得ます。加えて、ゴミ置き場が家の壁際にある場合、生ゴミの臭いが虫を引き寄せる原因となり、ゴキブリやハエの侵入リスクが高まります。屋外の環境が乱れていることで、知らないうちに害虫の“拠点”が家の近くにできてしまうのです。
湿気がこもる場所が多い家
家の中で湿気がこもる場所が多いと、害虫にとって快適な環境が整ってしまいます。キッチンのシンク下、洗面所、浴室、脱衣所、床下、屋根裏など、風通しが悪く湿気がこもりがちな場所は、ゴキブリやシロアリ、チョウバエなどが好んで集まります。特に夏は、外気の湿度が高いだけでなく、冷房によって室内と屋外の温度差が生まれ、結露やカビが発生しやすくなります。これにより害虫のエサや棲みかになる要素が増え、家全体が「住みやすい環境」になってしまうのです。普段目にしない部分に湿気がたまりやすい家は、被害が表面化するまでに時間がかかる点でも注意が必要です。
屋根や外壁にすき間・ひび割れがある家
屋根や外壁にすき間やひび割れがある住宅は、害虫にとって絶好の侵入経路となります。外壁のモルタルにできたクラック(亀裂)や、経年劣化による外装材の浮き・破損などは、ゴキブリやムカデ、ヤスデといった害虫が外から侵入する際の“入り口”になります。特に基礎まわりの地面との接地面や、屋根と外壁の接合部など、目が届きにくい部分に隙間ができていると、外から虫が入り込み、家の中に棲みついてしまうこともあります。シロアリに関しては、こうしたすき間から床下や構造内部に入り込むことが多く、目に見えないところで被害が進行する可能性もあります。
◎合わせて読みたい記事!
外壁にクラックが発生する原因とは? 見つけた場合どうすればいい?
https://www.elife-home.net/column/crack-2.html
夏に害虫を家の中にいれないための対策5選!

夏は害虫の活動が最も活発になる季節です。気温と湿度が上昇することで、虫たちはエサや住みかを求めて行動範囲を広げ、ちょっとしたすき間からでも家の中に侵入してしまいます。しかし、住まいの構造や生活環境を見直すことで、こうした害虫の侵入リスクを大きく下げることが可能です。ここでは、夏の害虫を家に入れないために有効な対策を5つ厳選し、それぞれのポイントを詳しく解説します。特別な道具や薬剤を使わず、身近な工夫だけでも実践できる対策もあるため、できるところから取り入れてみてください。
網戸・玄関ドアのすき間や破れを修理する
網戸や玄関ドアは、夏に最も使用頻度が高く、虫の侵入経路にもなりやすい部分です。網戸に小さな破れやたるみがあると、蚊やコバエといった小型の虫が簡単に通り抜けてしまいます。また、ドア下のすき間や建てつけのずれからも、アリやゴキブリなどが侵入するケースが少なくありません。市販のすき間テープや専用の隙間カバーを取り付けることで、こうした出入り口の抜け道を防ぐことができます。また、網戸は目の細かい製品に張り替えると、微小な虫の侵入をより確実に防げます。日常的に使用する箇所だからこそ、劣化に気づいたらすぐ対処することが、快適な住環境の維持につながります。
排水口や換気口にフィルターや網を設置する
排水口や換気口は、屋内と屋外をつなぐ重要な設備であると同時に、害虫の侵入口にもなりがちな箇所です。とくにチョウバエやユスリカ、ゴキブリなどは、排水管の臭いや湿気を頼りに排水口から室内へ入り込んでくることがあります。また、換気口に何のカバーもついていない場合、小さな飛翔昆虫がダイレクトに侵入してしまうリスクもあります。これを防ぐためには、フィルターやステンレス製の網を取り付けることが有効です。ホームセンターなどで手に入る専用のフィルターシートは、通気性を保ちながら虫の侵入をシャットアウトでき、簡単に取り換えが可能です。換気機能を損なわずに快適さを守れる、手軽で効果的な対策といえます。
庭木やゴミ置き場を建物から離して配置する
庭木や植栽、家庭菜園、ゴミ置き場などが建物のすぐ近くにあると、そこが害虫のすみかとなり、結果的に家の中への侵入を招きます。落ち葉がたまって湿気を含んだ土の上は、ムカデやダンゴムシ、ナメクジなどにとって理想的な環境です。また、ゴミ置き場が屋外でも壁際にあると、生ゴミの臭いに引き寄せられたハエやゴキブリが、そのまま家に入り込むことがあります。できるだけ建物から距離をとって配置し、周辺の清掃・除草をこまめに行うことが効果的です。害虫はまず屋外の快適な場所に集まり、そこから住まいに侵入してくるため、「外で寄せつけない工夫」が大切になります。あわせて、防虫剤や忌避スプレーの設置も効果を高めてくれます。
湿気対策を徹底して風通しを良くする
害虫の多くは湿気を好む性質があり、特にゴキブリやシロアリ、チョウバエは、ジメジメした場所に引き寄せられます。そのため、家の中の湿気をこまめに取り除くことが、虫を寄せつけない住環境をつくるうえで非常に重要です。風通しを良くするために、晴れた日は窓を開けて換気を行い、浴室や脱衣所、シンク下などには除湿剤や小型の換気扇を設置すると効果的です。また、床下や屋根裏など目に見えない場所には、調湿材や防湿シートの導入も検討しましょう。冷房による結露が発生しやすい部分には、断熱材の見直しやサーキュレーターの併用も有効です。湿度管理はカビ対策にもつながり、結果として害虫のエサやすみかを根本から減らすことにつながります。
外壁や屋根のすき間・ひび割れを点検・補修する
外壁や屋根に生じたすき間やひび割れは、害虫にとって絶好の侵入口です。ゴキブリやムカデは、わずか数ミリのすき間でも体をくねらせて侵入することができ、建物内部に入り込んでしまいます。とくに、雨樋の付け根や配管のまわり、サッシの隙間、基礎と外壁のつなぎ目などは見落とされがちなポイントです。これらの部分を定期的に点検し、シーリング剤や防虫パテで補修しておくことで、害虫が物理的に入れない環境を作ることができます。建物の劣化は見た目以上に深刻な虫被害を引き寄せてしまうため、早めのメンテナンスが重要です。住宅の外観を保つだけでなく、衛生的な環境を維持するための第一歩となります。
◎合わせて読みたい記事!
雨漏りとシロアリの関係とは? 放置が招く二次被害の恐怖
https://www.elife-home.net/column/%e9%9b%a8%e6%bc%8f%e3%82%8a%e3%81%a8%e3%82%b7%e3%83%ad%e3%82%a2%e3%83%aa%e3%81%ae%e9%96%a2%e4%bf%82%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bc%9f%e3%80%80%e6%94%be%e7%bd%ae%e3%81%8c%e6%8b%9b%e3%81%8f%e4%ba%8c%e6%ac%a1.html
まとめ
イーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。もし他社の見積もりがあればご持参ください。当社との見積もりの見比べやご相談にも対応可能ですので、是非お気軽にご連絡ください。