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スレート屋根のメリット・デメリットとは? 適切なメンテナンスのタイミングも解説

お役立ちコラム

更新日:2024/04/03

屋根材を選ぶ際に「スレート屋根」を見たことがある、という方は多いのではないでしょうか。スレート屋根は国内でもシェア率が高く、人気の屋根材として知られています。スレート屋根は、商品名によっては「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ばれることもあります。一般名称と商品名称どちらも使われているため混同されてしまう方が多いですが、全てスレート屋根を指す名称です。今回はそんな国内で人気なスレートやねについての解説や、メリット面とデメリット面、また適切なメンテナンスのタイミングについて詳しく解説をしていきます。

スレート屋根とは?

スレート屋根には大きく分類すると、実は「天然スレート」と「化粧スレート」と呼ばれる2種類が存在します。またさらに化粧スレートを細かく分類すると、「平板スレート」「厚型スレート」「波型スレート」の3種類が存在します。日本国内の住宅には、化粧スレートの中の「平版スレート」という種類でできたスレート屋根が使われています。しかし中には天然スレートにこだわって住宅を建てる人もいます。では天然スレートと化粧スレートは、一体何が違うのでしょうか。それぞれの違いを把握し、イメージや予算に合うものを選べるようにしておきましょう。

天然スレート

スレートは英語をそのまま片仮名にして日本では使われていますが、直訳すると「粘板岩(ねんがんばん)」という意味になります。粘板岩とは地形の変形に伴う圧力などを受け、岩石が変形し薄くなったものを言います。天然のスレート屋根はこうした自然によってできた岩を加工して作り上げるものですが、自然にあるものですので大量生産ができず加工の手間もかかり、価格は高くなりやすい傾向にあります。そのため天然素材でできたスレート屋根は一般的な住宅に使われることはほとんどなく、日本の住宅では化粧スレートと呼ばれるものが使われています。天然スレートは化粧スレートと比べ、素材の質感で高級感を出すことができ、メンテナンスによる屋根塗装の手間が必要がありません。屋根の素材感にこだわりたい、家の外観に高級感が欲しい、予算を高く組めるという方であれば天然スレートもおすすめな屋根材です。

日本の住宅のスレート屋根で一番多く使われている平板スレートは、見た目が平たく薄い板状になっている屋根材です。薄板スレートや薄型スレートなどと呼ばれることもあります。天然スレートに似せて作られており、主成分はセメントです。本物に近いスレート素材を楽しみたい方にぴったりです。屋根材は1枚が5mm程度と薄く、屋根を軽量化したい方にもオススメですよ。セメントを主成分としており、レパートリーも豊富です。

平板スレートよりも厚みがあるスレートを、厚型スレートと呼びます。モルタルで厚みを出しているため、1枚あたりが15mmと瓦屋根のような厚みがあります。見た目が陶器瓦の屋根に近いもののスレート屋根のため瓦屋根と比べると比較的安く、予算などで陶器瓦を諦めたという方に人気がありました。しかし耐久性が劣り、平板スレートと比べると高価であることから現在は生産が終了しています。

波形状のスレート屋根で、工場や倉庫の屋根に使われている屋根です。2004年以前はアスベストの含有が問題となりましたが、現在は改善されているため安全に使うことができます。住宅の屋根として使われることは現在ではほとんどありませんが、自宅敷地内の小型倉庫などに使用されている方もいます。また大きな工場や倉庫の屋根であっても、近年は金属屋根に葺き替えたり、上から施工したりすることが増え、街中から姿を消す機会も多くなってきています。

スレート屋根のメリットは?

国内でのシェア率も高いスレート屋根ですが、「みんなが選んでいるから」と選んでしまうのは勿体ないです。しっかりとスレート屋根によって得られる良さを知ってから選ぶようにしましょう。上記でも触れていますが、以下で解説するスレート屋根の特徴については、シェア率が高い化粧スレートについての解説となります。それではさっそくスレート屋根のメリット面について、一緒に確認していきましょう。

バリエーションが豊富

国内で多く採用されているため、屋根材を開発する大手メーカーでも取り扱いが多く、そのバリエーションは豊富です。色はベーシックな黒や灰色、茶色の他にも、明るめの緑や灰色などが選べます。またスレート屋根と言えば一般的には長方形の長細い屋根材をイメージされるかと思いますが、うろこ形や正方形の格好状ラインを意識したものなどがあり、屋根で住宅の特徴を出すこともできます。住宅の系統にも左右されにくく、洋風から和風までどのようなデザインにもマッチしやすい使い勝手のいい屋根材です。

価格が安い

屋根材にはスレート屋根以外にも、ガルバリウム鋼板屋根や瓦屋根などがあります。いずれも㎡単価が6,000円~10,000円程度が相場となるため、全体の施工費も㎡単価に伴ってあがっていきます。しかしスレート屋根はガルバリウム鋼板屋根や瓦屋根と比べて比較的安価で、㎡単価で4,000円代から選ぶことができます。高品質なものでも㎡単価が8,000円程度と、その他の一般的な屋根材と比べても比較的手を出しやすい金額です。できるかぎり屋根の施工費を抑えたい、という方にはピッタリの屋根材です。

軽量で耐震性に優れている

スレート屋根は軽量のため、建物への負担が少なく済みます。屋根が軽いということは地震などの際にも屋根が崩れ落ちにくいため、耐震性に優れ、日本など地震が多い地域にマッチする屋根材です。今まで国内では瓦屋根がメインで使われてきましたが、瓦屋根は丈夫である一方、とても重いため耐震性の面で問題になることもありました。しかしスレート屋根は、なんとそんな瓦屋根の重さの半分程度で済みます。地震は小さな揺れが重なるだめでも建物や屋根にはダメージが蓄積されていきますので、建物へ負荷をかけたくないという方にもおすすめできる屋根材です。

施工可能な業者が多い

国内でシェア率が高く、またバリエーションも多いとなると、スレート屋根の対応ができる業者も多いです。そのため業者を探しやすく、依頼しやすいといった面もあります。台風などで屋根に大きな被害を受けてしまった、など急を要するケースでも対応している業者が多いと予約が取りやすく安心です。

スレート屋根は、メンテナンスやリフォームの際に塗装を行うことで、屋根を好きな色に変更することができます。「ずっと同じ色だと飽きてしまうかもしれない」「屋根の色でやってみたい色がほかにもある」という方は、スレート屋根を選んでおくとその後のリフォームで、好きな塗料で施工することができるためオススメですよ。もちろん、既存の色に近い色やクリア塗料などでスレートの元々の屋根材を楽しむこともできます。

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スレート屋根のデメリットは?

ここまで見ると価格や性能面のバランスが良さそうなスレート屋根ですが、そんなスレート屋根にもデメリット面が存在します。メリット面であるデザイン性の高さや金額の安さだけを見てスレート屋根にしてしまうという方は少なくありませんが、スレート屋根によるトラブルで「こんなはずではなかった」「知らなかった」と言う方もとても多いです。スレート屋根のデメリット面を知っておくことで、メンテナンスの時期などにも配慮し計画を立てていくことができますので、スレート屋根にすると既に決めている方もデメリット面についても頭に入れておくようにしましょう。

耐久性が低く定期的なメンテナンスが必須になる

住宅に使用される屋根材としては耐久性が低く、使用するスレート屋根材のグレードにもよりますが、15年~25年程度と言われています。その他の屋根材は30年~40年、一番耐久性が高い瓦は50年以上と言われており、比べると耐久性が低いということが分かるかと思います。耐久性が低い原因としては、スレート屋根が紫外線に弱いことがあげられます。そのため定期的にメンテナンスを行わずにいると、劣化が早まり雨漏りの原因につながってしまうこともあります。一方で、適切にメンテナンスを行っていれば30年以上もつスレート屋根もあります。

水を吸いやすい性質がある

屋根材としてはあまり良くない性質ではありますが、実はスレート屋根は水を吸収しやすい性質でもあります。水の吸収を防ぐためにメンテナンスを行い塗装をすることでデメリット面をカバーすることができますが、メンテナンスを行わずに放置してしまうと、屋根材が上手く水気を排出できずカビやコケの原因になることがあります。また酷いケースだと、スレート屋根が水分を含み過ぎて剥がれてしまったり、変形してしまうことがあります。

軽量のため割れやすい

スレート屋根は軽量で耐震性があるというメリット面を持っていますが、同時に軽量であるために割れやすいというデメリット面も発生します。例えば台風や突風などによる飛来物の衝撃で割れてしまったり、雪降ろしなどの事情で屋根に登った際の人の重みで割れてしまう、などといったケースがあります。軽量な屋根というのはいい面もありますが、このように悪い面も持ち合わせています。屋根は丈夫なはずだ、と思い込んでしまいがちですが、使われている材料によっては衝撃に弱いということも知っておきましょう。

軽量であるということは、耐震性の面で優れる一方で強風などの突風で飛ばされてしまうリスクもあります。台風の多い沖縄や九州地方などでは、特にスレート屋根は飛ばされてしまうリスクがあるため、施工時にはよく検討しなければいけません。万が一スレート屋根が飛ばされてしまったら、雨漏りにつながることもありますし、飛ばされた屋根が近隣の住宅などにぶつかる可能性もあります。台風が多く突風が発生しやすい地域では、スレート屋根以外の屋根も検討してみてもいいかもしれませんね。

スレート屋根は薄いため、断熱性の面で劣る部分があります。そのため、結露しやすく屋根の内部が湿気でカビてしまったり、縁くしてしまう原因にもなります。スレート屋根を使用する際には、屋根の薄さを考慮して断熱性はもちろんのこと、遮音性なども考慮して屋根の下地や断熱材に配慮しなければいけません。現在の技術では多くの場合、下地や断熱材の補強により問題なくスレート屋根を使うことはできますが、手抜き工事に騙されないよう新築・リフォーム問わず業者に依頼する際にはしっかりと確認しておく必要があります。

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スレート屋根のメンテナンス時期と費用は?

何度が文中でも「スレート屋根はメンテナンスをしなければいけない」とお伝えしていますが、メンテナンスは自分で業者に依頼する必要があるため、使っている屋根材に応じたメンテナンス時期や内容を知っておく必要があります。スレート屋根を使う予定の方も、必ずメンテナンス時期は覚えておき、メンテナンス時期に応じて計画的に予算を立てておきましょう。

時期は7年~10年に一度

スレート屋根はグレードや酒類によっても、推奨されているメンテナンス期間が違います。そのためすべてに対して言える数値ではありませんが、どの商品でも7年~10年に一度はメンテナンスを行うようにしましょう。耐久年数よりも短いスパンでメンテナンスを行う目的は、屋根の劣化や雨漏りなどの症状を事前に防ぐ目的があります。また定期的にメンテナンスを行うことで、万が一雨漏りが発生していても早い段階で気付くことができます。その他に、メンテナンスでは劣化や雨漏りの修理・発見の目的の他に、屋根材を塗装する目的でも行います。スレート屋根は紫外線に弱いため、塗料を上から重ねることで屋根材の劣化を防ぐ目的があります。

費用は1万円~30万円

屋根の一部分の修理であれば、費用は1万円からで高くても10万円以下で収まるケースがほとんどです。しかしメンテナンスで行う屋根全体への塗料の塗布は、30坪ほどの住宅であれば30万円ほどかかるケースがほとんどです。メンテンナンスと修理を同時に行う、あるいはメンテナンス時に修理が必要な個所が発覚した場合には30万円以上かかる可能性があります。30万円以上の見積もりの際でも焦らず、複数業者に依頼して見積もりが適正かどうかを落ち着いて判断するようにしましょう。ほとんどの場合、2~3業者に見積もりを依頼すれば自宅の屋根のメンテナンス相場を掴むことができ、過剰請求なども見積もり段階で見抜くことができます。

葺き替えをすすめられることもある

メンテナンスを定期的に行っていたとしても、屋根は必ず劣化していきますので、状態が悪い場合や耐用年数を大きく過ぎている場合には、屋根の葺き替え工事をすすめられることもあります。葺き替え工事は塗料を塗っていくなどのメンテナンスとは違い、屋根全体を新しくやり替える工事ですので、とても高額になります。スレート屋根で30坪の住宅の場合、葺き替え工事の費用相場は100万円前後です。屋根を葺き替えることで、屋根の寿命も長くなり、建物を雨漏りなどの被害からしっかり守っていくことができます。ただし葺き替え工事を依頼する際はメンテナンスよりも金額が大きくなりますので、業者選びもより慎重に行うようにしましょう。

まとめ

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