ある日ふと見上げた屋根に、緑色のコケがびっしり……そんな光景に驚いたことはありませんか? 「見た目は悪いけど、放っておいても大丈夫だろう」と軽く考えてしまいがちですが、実はこのコケ、屋根にとって大きなリスクとなる可能性があります。湿気をため込み、屋根材をじわじわと劣化させるだけでなく、最悪の場合は雨漏りや構造の腐食にまでつながることも。この記事では、屋根にコケが発生する原因や放置によるリスク、見つけた場合の正しい対処法、そして再発を防ぐための予防策まで詳しく解説します。知らずに損をする前に、ここでしっかりと確認しておきましょう。
屋根にコケが生える原因とは?

屋根にコケが生えるのは、見た目の問題だけでなく、屋根材の劣化や建物全体へのダメージにもつながるため注意が必要です。けれども、普段はなかなか目が届かない屋根の上に、なぜコケが発生するのでしょうか? 実は、屋根の環境や素材によってコケの生えやすさは大きく左右されます。ここでは、コケが屋根に付着し、増殖していく主な原因について詳しく見ていきましょう。
日当たりや風通しの悪さ
屋根のコケは、湿気が多く乾きにくい環境を好みます。とくに日当たりの悪い北側の屋根面や、隣の建物や樹木の影になる部分は、常に日光が当たらず乾燥しづらいため、コケが発生しやすくなります。また、風通しが悪い環境では、空気の流れによる乾燥効果が得られないため、湿気がこもりやすく、胞子が定着する原因になります。朝露や雨が降ったあとも乾きにくい場所は、コケの温床になりやすいといえるでしょう。これらの環境条件が揃うことで、屋根の一部に集中してコケが生えるケースも珍しくありません。
屋根材の表面劣化や吸水性の高さ
コケの発生には、屋根材の状態も大きく関係しています。一般的に使用されるスレートやセメント瓦などの屋根材は、表面に防水性のある塗膜が施されていますが、経年劣化によってその塗膜が剥がれると、水分を吸収しやすくなります。吸水性が高くなることで、屋根材が湿気を含みやすくなり、コケの胞子が定着しやすい環境が整ってしまうのです。また、塗膜の劣化により屋根表面に細かな凹凸ができると、胞子が付着しやすくなり、そこから徐々にコケが広がっていきます。特に築年数の経過した住宅や、長年メンテナンスをしていない屋根では、このような表面劣化が進行しているケースも多く、コケが繁殖しやすい状態にあるといえます。
屋根の傾斜が緩く水はけが悪い
屋根の形状や傾斜の角度も、コケの発生に関係しています。屋根の傾斜が急であれば雨水が速やかに流れ落ち、表面が比較的早く乾燥します。一方で、傾斜が緩い屋根では雨水が屋根に残りやすく、乾燥までに時間がかかります。このような状態が続くと、屋根が常に湿った状態になり、コケが育ちやすくなってしまいます。特に、陸屋根(フラット屋根)や片流れ屋根のような、水はけの悪い構造は注意が必要です。雨が降ったあとに水が滞留しやすくなると、表面温度も下がり乾きにくくなるため、湿気と水分を好むコケの繁殖にとっては非常に適した環境となってしまいます。加えて、排水口やドレンのつまりなどによってさらに水が流れにくくなれば、コケだけでなく藻やカビが広がる原因にもつながります。
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屋根のコケを放置したらどうなる?

屋根にコケが生えているのを見つけても、屋根にコケが生えることに危機感が持てず、つい後回しにしてしまったり、そのまま放置してしまう方も少なくありません。しかし、コケは見た目だけの問題ではなく、放置することで屋根材の劣化や雨漏りといった深刻なトラブルへつながる恐れがあります。特に、気づかないうちに屋根全体に広がってしまうと、その分ダメージも大きくなり、修理費用もかさんでしまいます。ここでは、コケを放置することで発生しやすい具体的なリスクについて詳しく見ていきましょう。
屋根材の劣化が進行する
コケは非常に水分を含みやすく、雨が降ったあともしばらくの間、水を屋根に留めてしまいます。そのため、屋根の表面が常に湿った状態になり、屋根材の劣化を早める原因となります。スレートやセメント瓦といった素材は水分を吸いやすいため、コケによって湿気を長時間保たれると、素材内部にまで水が浸透してしまい、ひび割れや剥離が起きる可能性があります。また、コケの根は屋根材の表面に入り込みながら成長するため、放置することで屋根材の構造自体が破壊されてしまうケースも。初期段階では見た目だけの変化で済んでいたものが、時間とともに屋根の耐久性を大きく損なってしまうのです。
害虫やカビの発生リスクが高まる
コケが繁殖する環境は、湿度が高く空気の流れが悪い状態です。こうした環境は、カビや害虫にとっても非常に好都合であり、コケの周囲に発生しやすくなります。特に湿気を好むシロアリや羽アリなどの害虫は、屋根から内部構造に侵入して木材を食い荒らす危険性があります。また、コケの繁殖によって屋根裏や壁内に湿気がたまりやすくなれば、カビ菌が増殖し、健康被害につながるケースもあるでしょう。住宅の寿命を縮めるだけでなく、住む人の健康にも影響を与える恐れがあるため、コケの放置は決して軽視できない問題です。
雨漏りや内部への浸水につながる
屋根材の劣化が進行すると、雨水を弾く力が弱まり、防水性が著しく低下します。その結果、屋根の隙間や亀裂から雨水が侵入しやすくなり、室内への雨漏りが発生する可能性が高まります。特に、下地材や防水シートまで傷みが進行している場合、水の侵入を食い止めることができず、壁の内部や天井裏にまで被害が広がることもあります。さらに、雨水の侵入によって断熱材や木材が長時間湿った状態になると、腐食やカビの発生にもつながります。見えない場所でダメージが進行し、最終的には大規模な修繕工事が必要になるリスクもあるため、注意が必要です。
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屋根のコケを見つけた場合の対処法とは?

屋根の上はつい見過ごされてしまいがちな劣化症状のひとつですが、コケの状態によってはすぐに対応が必要な場合もあり、判断を誤ると屋根全体に深刻なダメージを与えることにもなりかねません。屋根を守るために大切なのは、状況に応じた適切な対処を取ることです。そこでここでは、屋根修理のプロが屋根にコケを見つけた際の具体的な対応方法について詳しくご紹介します。
コケを見つけても基本的には自分で対処しない
屋根のコケを見つけても、自分で除去しようと無理をするのは危険です。屋根は高所作業になるため、落下や転倒などの事故リスクが高く、特に傾斜がある屋根では命に関わる事故に直結することもあります。また、無理にブラシで擦ったり、高圧洗浄機を使ったりすると、屋根材を傷つけたり、劣化を早める原因にもなりかねません。さらに、表面のコケだけを取り除いても、根が残っていれば再発する可能性もあります。安全面・効果の両方の観点から見ても、基本的には自分で処理しようとせず、専門家に相談するのが賢明です。コケの状況に応じた適切な方法を選ぶことが、屋根を長持ちさせるための第一歩です。
コケの状況が不明な場合はプロの専門業者に点検依頼する
コケがどの程度屋根に影響を与えているのか、自分では判断しにくい場合は、迷わず専門業者に点検を依頼しましょう。プロであれば、コケの種類や繁殖の範囲、屋根材への影響、下地の劣化の有無などを総合的にチェックしてくれます。見た目には小さなコケでも、すでに雨水が染み込んでいたり、防水層が傷んでいたりするケースも少なくありません。また、業者による点検は、写真付きの報告書をもとに状況を詳しく説明してもらえることが多く、今後の対応方針も立てやすくなります。専門的な目線での確認によって、被害を最小限に食い止めることができるため、早めの点検が重要です。
コケが広範囲の場合は屋根の修理を検討する
コケが屋根の広範囲にわたって繁殖している場合、表面的な清掃だけでは根本的な解決にならないことがあります。長年にわたってコケが繁殖していた屋根は、下地や防水層まで湿気や腐食が進行している可能性が高く、放置しておくと雨漏りや屋根材の崩壊といった深刻なトラブルにつながることもあります。そのため、状況によっては、コケの除去に加えて、屋根材の交換や塗装のやり直しなど、修理やリフォームを視野に入れる必要があります。特に築10年以上経っている住宅や、以前からコケの発生を繰り返している場合は、一度屋根全体の状態を見直し、長期的な視点での修繕を検討することが重要です。
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まとめ
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