リフォーム工事は、完成した瞬間がゴールではありません。むしろ、住み始めてから初めて気づく不具合や、時間の経過による劣化など、あとから発生するトラブルも少なくないのです。そんなときに頼りになるのが「リフォーム後の保証」です。保証があれば急な出費への不安も減り、安心して生活することができますし、万が一の際には保証での修理対応が可能です。しかし、保証の内容や期間は業者によって異なり、契約後に「思っていた内容と違う」「カバーしてほしい部分がされていない保証だった」と後悔するケースもあります。そこで今回の記事では、リフォーム後にどんな保証をつけるべきか、契約前にチェックすべきポイントをわかりやすく解説していきます。
リフォームの保証とはどんなもの?

リフォームにおける「保証」は、実は2種類存在します。ひとつめは法律によって定められた「絶対に設けなければいけない法律で守られている保証」、そしてふたつめは「業者独自に設けている保証」です。保証について理解を深めるためには、まずはこのふたつの保証の違いを知っておく必要があります。そこでここでは、リフォームのふたつの保証の違いについて詳しく解説していきます。
法律で守られている「瑕疵担保責任」
リフォームでも一定の条件を満たす場合、法律で定められた「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」が適用されます。これは、施工業者のミスや隠れた欠陥が原因で重大な不具合が発生したときに、修理などの責任を負うという制度で、法律で守られている保証です。ただし、対象となるのは構造部分や雨漏りなど「住宅の基本的な性能」に関わる工事に限られます。たとえば外壁の張り替えや屋根の葺き替えなどは該当しますが、内装や設備の交換だけでは適用されない場合もあります。保証期間は原則1年〜10年とされており、契約内容や工事規模によって異なります。リフォーム瑕疵保険に加入している業者を選べば、万が一業者が倒産しても第三者機関が修理を保証してくれるため安心である一方で、細かな保証がないため「すべて保証で保護されている」と勘違いしないよう注意が必要です。
業者によって異なる「独自保証」
法律で守られていない部分については、各リフォーム業者が独自に定めた「任意保証」が適用されます。これは冒頭でお話をした、業者独自に設けている保証のことです。たとえば、壁紙のはがれや床のきしみ、外壁塗装の剥がれなど、施工の質に関するトラブルが対象です。保証期間は箇所によって1年~10年と幅があり、施工内容や会社の方針によって大きく異なります。この独自保証は瑕疵担保責任における保証とは違い、細かな部分も補償内容に組み込むことができます。そのため、業者の強みとして独自保証に力を入れている業者も増えています。どこの業者も似ているようにも感じるこの独自保証ですが、実際には業者によって異なる保証内容であるということを、しっかりと理解しておく必要があります。
リフォームの独自保証をつけないとどんなリスクがある?

リフォームを依頼する際、見積もり金額ばかりに目が行きがちですが、「保証の有無」も同様に慎重に確認すべきポイントです。独自保証がない業者を選んでしまうと、施工後に不具合が起きたときに思わぬ出費やトラブルに発展することもあります。瑕疵担保責任の保証はついてくるから大丈夫、と安易に考えてしまうことで、後々後悔をしてしまうなんてこともあります。そこでここでは、独自保証をつけないことで生じる主なリスクを具体的に解説していきます。
不具合が発生しても自己負担になる可能性が高い
リフォームの独自保証がない場合、施工後に不具合が起きても修理費を全額自己負担しなければならない可能性があります。たとえば、壁紙の剥がれや床の沈み、外壁塗装の剥離などは、施工直後に発生することも少なくありません。原因としては下地材となっている木材が、湿気などの影響を受けて縮んだり伸びたりするためです。どの住宅でも起こりうることです。そのため本来なら保証期間内であれば無償で修理してもらえるケースですが、保証がなければその都度費用が発生してしまうことがあります。小規模な補修なら数千円〜数万円で済むこともありますが、外壁や屋根、配管などの修理になると数十万円規模になることも珍しくありません。施工ミスによる不具合でも、証拠を示すのが難しいため、保証がないと泣き寝入りするケースも実際にはあります。
業者が対応してくれないケースがある
独自保証のない業者は、施工後のアフターフォロー体制が整っていない場合が多いです。リフォームは工事が終わってから本当の品質がわかるものですが、保証がないと不具合を指摘しても「工事完了後なので対応できません」と断られてしまうことも珍しくありません。また、リフォーム業界では小規模業者や個人経営の会社も多く、万が一その業者が倒産した場合、連絡が取れなくなることもあります。保証書がなければ、第三者機関に相談しても補償が受けられないケースがほとんどです。工事を依頼する際に業者の倒産や音信不通までリスクとして考えている方は少ないですが、実際には相談内容として「以前依頼した業者が倒産した」「人員不足によりなかなかフォローしてもらえない」という声もあります。まれなケースではあるものの、独自の保証がないことによって、自分にも起こるかもしれないリスクとして知っておくことが大切です。
将来的なメンテナンス費用がかさむリスクがある
リフォーム保証がないと、将来的なメンテナンス費用が大きく膨らむ可能性もあります。たとえば、保証付きの工事であれば施工不良によるトラブルを無償で修繕してもらえることがありますが、保証がない場合は再施工・部材交換のたびに費用が発生します。また、保証がある業者は定期点検などを実施して早期に不具合を発見してくれることが多く、結果的に長期的なメンテナンスコストを抑えられます。一方、保証がない業者ではトラブルが起きるまで放置されることが多く、見えない場所で知らず知らずのうちに被害が拡大しやすいのです。目先の費用を安く抑えたつもりでも、長い目で見れば結果的に高くつくことも少なくありません。
リフォームの保証内容、なにを見ればいい?

保証があるリフォームといっても、その内容は業者によって大きく異なります。「保証がある」と言われても、実際にどの範囲まで対応してもらえるのか、どんな条件で保証が受けられるのかを確認しないと、後から「思っていた内容と違う」と後悔することになりかねません。そこでここでは、実際にリフォーム現場を担当しているプロの目線から、契約前に必ずチェックしておきたい保証内容のポイントを5つ紹介していきます。
保証対象に含まれる工事範囲をチェックする
保証内容の確認で特に重要なのが、「どの部分が保証の対象になるか」です。たとえば、外壁塗装の保証では「塗膜の剥がれ」や「色あせ」は対象でも、「ひび割れ」や「汚れ」は対象外となることがあります。もうちろん人によっては、ひび割れや汚れまで保証は必要ない、と判断される方もいるため「自分があると安心できる部分までカバーされているか」を確認することが大切です。。保証書に「対象外」と明記されている項目も、具体的にどのような状況が対象外になるのかを必ず確認しておきましょう。どの範囲まで対応してもらえるかを理解していれば、万が一トラブルが起きた際にもスムーズに対応できます。
施工業者とメーカー、どちらの保証かを確認する
リフォームの保証には、「施工業者による工事保証」と「メーカーによる製品保証」の2種類があります。たとえば、トイレや給湯器などの設備機器はメーカー保証、設置や配管工事などは施工業者の保証が適用されます。少しややこしいですが、このふたつの保証の違いを理解していないと、トラブル時にどちらへ連絡すべきか分からなくなることもあります。契約時には「どの部分を誰が保証しているのか」を明確にしておくと安心ですよ。信頼できる業者は、保証の区分を丁寧に説明し、保証書をメーカーと併せて渡してくれます。多くの業者はしっかりとこの違いや保証内容について説明をしてくれますが、不安がある方は契約前に確認し、業者と共通認識の擦り合わせをしておくと安心です。
自然災害・経年劣化・使用ミスが対象外かを確認する
保証と聞くと「何かあったら全部直してもらえる」と思われがちですが、実際には対象外となるケースも多いです。たとえば台風や地震などの自然災害による損傷、長年の使用による経年劣化、あるいは使用者の誤操作による故障などは、多くの保証で除外されています。いくら丁寧な施工をしても使い方を間違えれば壊れるものは壊れますし、業者も対応しきれない内容のこともあります。しかし最初からすべて直してもらえる、と思っていると、実際に壊れてしまった際に困ってしまいますので、対象外のものがなにかを確認しておくことが大切です。また、対象外条件は保証書の「免責事項」欄に記載されていることが多く、つい見落としやすい部分です。契約前には免責事項を含めてよく確認し、不明点をなくしておきましょう。
保証が適用される条件や手続き方法を確認する
保証があるといっても、どんな状況で適用されるのかは業者によって異なります。たとえば「施工後5年以内」「定期点検を受けている場合に限る」など、条件を満たさないと保証が受けられないことがあります。また、修理依頼をする際に必要な書類や連絡方法、対応までの日数なども、事前に確認しておくと安心です。特に注意したいのが「他社による手直しを行った場合は保証対象外」といった条項。別の業者が修理を行うと、保証が無効になることが多いのです。こうした条件は保証書の細かい部分に記載されているため、サインする前に必ず目を通し、疑問点があればその場で確認しましょう。適用条件を理解しておくことで、いざという時にスムーズに保証を利用できます。
保証期間の長さと内容を確認する
保証期間は、長ければ良いというものではありません。たとえば「10年保証」と書かれていても、対象がごく一部の工事に限られているケースもあります。逆に、期間が短くても内容が具体的で、幅広い範囲をカバーしている場合もあるのです。一般的に、外壁塗装や屋根工事のような外装リフォームは5〜10年、内装や設備工事は1〜2年程度が目安です。保証期間が短すぎる場合は、施工の質や業者の責任意識に不安が残ります。万が一の際に大きな出費となりそうな場所に関して保証が不十分な場合は、しっかりと保証をしてくれる業者を探した方が安心です。このように期間と内容のバランスを見極めることで、表面的な「年数」だけに惑わされず、本当に安心できる保証かどうかを判断できます。
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まとめ
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