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外壁塗装で黒にした外壁、艶消しをするとどうなる?

お役立ちコラム

更新日:2025/09/22

外壁塗装には艶に関する仕上げがあり、艶ありや艶消し、またはその艶の度合いを選ぶことができます。そのため、外壁塗装の仕上げの艶をどうするか悩まれる方がとても多いです。特に外壁を黒にした方は、全体的な雰囲気から艶消しを選ばれる方が多い傾向にありますが、仕上がりだけで艶を選んでしまうとその後のお手入れが大変になってしまうこともあるため注意しなければいけません。そこで今回は、外壁塗装で黒を選択した場合で、艶消しを行うとどのようなリスクがあるのか、また黒の外壁の艶仕上げの選び方についても詳しく解説をしていきます。

外壁に艶仕上げがあるということを、初めて知ったという方も多いかと思います。新築の際に外壁塗装をしていれば、おそらく艶についても選択をしているかと思いますが、なかには工務店や設計士にお任せにしてしまっているという方もいらっしゃいます。そのため、メンテナンスのタイミングで初めて艶の存在をするという方も実は少なくありません。そこで今回は、一般的に使用されている艶の割合とその仕上がりについて、それぞれ区分けして分かりやすくお話をしていきます。艶について知識がないという方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

メーカーによっては「艶消し」や「艶なし」など異なる呼び方をする場合がありますが、仕上がりはほぼ同じと考えていただいて構いません。艶消しとは文字通り、表面に艶がなく、マットな質感が特徴の仕上げです。艶のある仕上がりは、光の反射具合によって印象が変わりますが、艶消し仕上げでは光が外壁で拡散されるため、実際に光が反射していても、目には艶がないように映るように加工されています。

3分艶は、艶のある仕上げの中でも最も控えめで、艶消しに近い仕上がりを持つのが特徴です。艶の程度は光沢度と呼ばれる光の反射率で測定され、3分艶は光沢度100の基準のうちおよそ15程度に該当します。厳密な基準はないものの、一般的には光沢度が10%から25%の範囲が3分艶に分類されます。艶が強いほど外壁の表面が滑らかになり汚れが付きにくくなるため、3分艶は落ち着いたマットな質感を保ちながら、他の艶仕上げよりは劣るものの、一定の汚れ落とし効果を備えています。

5分艶は「半艶」とも呼ばれ、艶消しと艶ありの中間に位置する仕上がりです。程よい艶感が落ち着きを演出し、上品で洗練された印象を与えます。光沢度はおおよそ35とされ、艶が強すぎず、他の外壁材や装飾とも自然に調和するのが特徴です。一般的に5分艶の範囲は光沢度が25%から50%に分類されます。

7分艶は光沢度がおおよそ60で、5分艶と比べると艶がしっかりと感じられる仕上がりです。この艶感により、汚れが付きにくく、耐候性にも優れているため、外壁を美しい状態で長く保ちたい方に選ばれることが多いです。一般的に7分艶は光沢度が50%から70%の範囲に分類されます。控えめな光沢度の7分艶は上品な印象を与え、高い光沢度のものは鮮明な艶が出て、さらに汚れに強い特徴を持ちます。

艶ありは、一般的に光沢度が70以上のものが該当します。艶消しと比較すると、その光沢の高さは明らかで、外壁が光を多く反射するため、見た目にも明るく華やかな印象を与えます。また、耐候性が最も優れている仕上げとされ、汚れが気になる方に特に人気があります。艶あり仕上げは、長期間にわたり美しい外観を保ちたい方に適した選択肢と言えるでしょう。

外壁塗装の艶仕上げには、さまざまな段簡に分かれた艶加工があると知っていただくことができたかと思います。そのなかでも、艶消しは艶をあえて消した加工となるため、黒い外壁には相性がいいと一定数の人気があります。もちろん、艶消しがダメなわけではなく、メリットもたくさんあります。そこでまずは、黒の外壁に艶消しをすることでどんなメリットがあるのかを一緒に見ていきましょう。

艶消し仕上げは光を反射しにくい特性があり、黒の外壁の持つ深みや重厚感を際立たせます。その結果、派手すぎず落ち着きのある上品な雰囲気を演出できます。特に、和風建築やモダンスタイルの住宅には相性が良く、他の建材や周囲の景観とも調和しやすい点が魅力です。例えば高級旅館や高級住宅で黒の外壁にする場合は、高級感や重厚感を演出するためにあえて艶消し仕上げにすることが多いです。

艶消し仕上げは、光を拡散させることで、目に優しい柔らかな印象を与えます。特に住宅街や自然環境が多いエリアでは、周囲の景観を損なうことなく調和するデザインが可能です。また、黒特有の重たい印象を和らげる効果もあります。外壁塗装を行う際は周辺住宅に与える影響も併せて検討しなければいけませんが、周辺の住宅が淡い色の住宅だと黒を選びにくいなんて方も多いです。そんな方でも艶消しを行うことで、黒色の印象を少しでも和らげ地域に溶け込みやすくすることができるのです。

艶がある外壁と比較して、艶消し仕上げは細かい汚れや傷が目立ちにくいという実用的なメリットがあります。黒い外壁は汚れが気になりやすいですが、艶消し加工を施すことで、日常的なメンテナンスの負担を軽減できます。特に雨垂れや埃が付着しやすい場所では、この効果が大きく感じられるでしょう。

艶消し仕上げは光の反射を抑えるため、日中の太陽光や夜間の街灯の光が目に刺さるようなまぶしさを軽減します。近隣住民への配慮としても有効で、特に光沢の強い外壁が好まれない地域では、大きなアドバンテージとなります。

黒の艶消し仕上げは、スタイリッシュでありながら控えめな印象を与えるため、他のカラーや素材と組み合わせやすい点もポイントです。例えば、木材や石材との相性が良く、アクセントを加えることで建物全体のデザイン性を高めることができます。また、艶消し仕上げはトレンドにも左右されにくく、長年にわたって飽きのこないデザインが実現します。

黒の外壁に艶消しをするメリットについて、一緒に確認してきましたね。具体的に「こうしたい!」といった要望がある方にとっては、黒の外壁に艶消し仕上げをすることで、理想的な仕上がりになることが多いです。しかし注意したいのが、なんとなく黒だからと艶消し仕上げにしてしまうことです。明確な目的がなく艶消しにしてしまうと、理想と違った部分が見えてきてしまったり、お手入れに苦戦してしまうなんてこともあります。そこでここでは、黒の外壁に艶消し仕上げをするデメリットについても触れていきます。

艶消し仕上げは傷や細かい汚れが目立ちにくい一方で、白っぽい汚れや水垢が付着すると目立ちやすいという特性があります。特に黒は色自体が汚れを吸収しやすいため、定期的な清掃が必要です。特に雨風にさらされる部分や、埃や花粉が溜まりやすい箇所ではメンテナンスの手間が増える可能性があります。定期的な外壁掃除が難しい方にとっては、外壁の汚れの目立ちやすさは気になる部分かもしれません。

黒は紫外線の影響を受けやすい色であるため、長期間外壁に使うと退色が進みやすいというデメリットがあります。艶消し仕上げは光を反射しない分、紫外線のダメージを吸収しやすく、他の仕上げよりも色あせが目立ちやすくなる可能性があります。特に日差しが強い地域では注意が必要です。

黒は熱を吸収しやすい色であるため、夏場の直射日光が当たると外壁の表面温度が非常に高くなることがあります。艶消し仕上げは光を反射しない特性があるため、艶あり仕上げに比べてさらに温度が上がりやすく、建物内の温度管理にも影響を与える場合があります。この点は特に断熱材の性能と併せて検討する必要があります。

艶消し仕上げは表面がざらついている場合が多いため、汚れが付着すると艶あり仕上げよりも落としにくいことがあります。掃除の際に特別なクリーナーや高圧洗浄機を使用する必要が生じる場合があり、メンテナンスコストが高くなる可能性があります。

艶消し仕上げは光沢がないため、外壁の細かな凹凸や劣化が目立ちやすいという側面があります。ひび割れや欠けた部分が発生した際には、艶あり仕上げよりも補修箇所が目立ちやすくなるため、細かいメンテナンスが必要になることもあります。

艶消し仕上げは非常に人気がありますが、メーカーや塗料によって選べる仕上げの種類やカラーバリエーションが限られている場合があります。希望するデザインが見つからないことや、特定の艶消し塗料が他の塗料よりも高価になるケースも考えられます。

黒の外壁に艶消し仕上げをするのは、メリットだけではなくデメリットもあるということを、知っていただくことができたかと思います。デメリットがあることを知ったうえで、「それでも黒い外壁に艶消し仕上げをしたい」と考えている方もいらっしゃるかと思います。そこで最後に、黒の外壁に艶消し仕上げをする際の注意点についてお話をしていきます。

黒の外壁は、建物が建っている環境によって汚れ方や劣化のスピードに大きな差が出ます。例えば、幹線道路沿いでは排気ガスによる黒ずみや油汚れが付着しやすく、沿岸部では塩分を含んだ潮風によって塗膜の劣化が早まる傾向にあります。また、山間部や川の近くでは湿気がこもりやすく、カビや苔の発生が目立つこともあります。そのため「どのような環境に家があるか」を事前に把握しておくことが大切です。環境によってはメンテナンスの頻度を多めにしてプロに点検をしてもらったり、少し予算をあげて汚れや湿気に強い塗料を選んだりするなど、立地に合わせた対策を選択しましょう。

黒色は他の色に比べて太陽光を吸収しやすく、外壁表面の温度が上がりやすい色であることは広く知られていますよね。しかし実際には、夏場の直射日光下では、外壁の表面温度が60℃以上に達することもあり、外壁を艶消し仕上げにすることでさらに顕著になるリスクがあります。艶がある塗料は光を反射して熱の吸収をある程度抑えられますが、艶消しは光をほとんど反射しないため、熱をそのまま抱え込みやすいのです。こうした色や仕上げによって発生する吸熱リスクを防ぐには、遮熱塗料や断熱塗料を併用するのが効果的です。遮熱塗料は赤外線を反射して外壁の表面温度を下げる働きがあり、断熱塗料は熱の伝導を抑えて室内への影響を軽減します。最近では「艶消しでも遮熱性能を備えた塗料」も増えているため、デザイン性と機能性の両立が可能になっています。さらに、外壁の色を黒一色ではなく「チャコールグレー」や「ダークブラウン」といった黒に近い色にすることで、熱吸収を多少抑えることもできます。もし黒の艶消しにこだわる場合でも、遮熱塗料の導入や外壁材の工夫を取り入れることで、熱による劣化リスクを大幅に軽減できます。

黒の艶消し外壁は非常にスタイリッシュで高級感がありますが、その美しさを実現するには高い施工技術が必要です。特に艶消し仕上げは「光の反射が少ない=ムラや粗が隠せない」という特徴があり、施工時のわずかな不均一さでも仕上がりに大きく影響してしまいます。具体的には、塗料を均一に塗布できなかった部分が斑点のように浮き上がり塗装ムラが目立ってしまったり、塗料の混ぜ方や乾燥時間の違いによって、仕上がりの色味が部分的に変わることがあります。こうした施工時の失敗は、施工直後は気づきにくくても、日光の角度や夜間の照明で顕著に見える場合があります。特に黒は光の当たり方で陰影がはっきり出るため、ムラがより目立ちやすいのです。依頼する業者の技術をしっかり見極めるとともに、万が一のリスクを知っておき、下地によっては均一にならない場合もあることを知っておきましょう。

黒の外壁は、特に艶消し仕上げでは水垢や埃などの汚れが目立ちやすい特徴があります。雨だれや白い粉状の汚れ(チョーキング現象)が発生した場合は、見た目を損なうことがあります。そのため、定期的な清掃や外壁洗浄を計画することが重要です。特に湿気が多い地域や砂埃が舞いやすい環境では注意が必要です。頻度は年に1回程度しっかりとプロの手で清掃を行っていくことで、汚れの目立ちはあまり気になりませんが、幹線道路の近くや沿岸部など環境的に汚れがつきやすい場所に住宅がある場合は、1年よりも短いスパンで外壁のお手入れを行っておくと安心です。

外壁塗装の塗料には、グレードや機能性に応じてさまざまな種類に分類されています。特に艶なしの仕上げをする場合は、外壁に汚れがつきやすくなるため、できれば高性能のセルフ洗浄機能が備わっているような塗料を選ぶと、外壁の汚れがつきにくくなります。また外壁の塗料にはグレードによって耐用年数も違いがでてきますので、より長持ちさせたい場合はハイグレードの塗料を選ぶようにしましょう。ハイグレードの塗料を選ぶことで、塗料そのものの寿命が長くなり、外壁をよりきれいに維持できるようになります。

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黒の外壁を艶消しで仕上げる場合、選ぶ塗料の種類も大切ですが、それ以上に重要なのが「どの業者に依頼するか」です。艶消しは光沢がない分、ごまかしが効かず、塗りムラや色ムラが出やすいため、施工技術の高い業者を選ばなければ理想の仕上がりになりません。そこで最後に、黒い外壁の艶消し仕上げを安心して任せられる業者を見極めるポイントを解説していきます。

艶消し仕上げは一般的な艶あり仕上げに比べると依頼数が少なく、対応経験のある業者が限られます。そのため、過去にどの程度「黒い外壁と艶消し」の外壁を施工してきたのかを確認することが大切です。公式サイトの施工事例や写真アルバムを見せてもらうのはもちろん、可能であれば実際に施工した家を見学できるか確認してみましょう。実績のある業者は仕上がりに自信を持っているため、実例の提示にも積極的です。この際に注意したいのが、実際に事例を見ずに依頼してしまうことです。施工実績はあっても施工が難しいケースもあったり、営業と実際に施工をする作業員との間で認識が違っていることもあるため、やはり安心なのは施工実績をしっかりと目で見てデータとして確認しておくことです。

黒の艶消しは照明や太陽光の当たり方によって見え方が変わるため、頭の中のイメージと実際の仕上がりが大きく違うこともあります。そのため、依頼する前にサンプル板を取り寄せたり、実際の外壁材に試し塗りをして色味や質感を確認させてくれる業者を選びましょう。「塗ってみないと分からない」という対応をする業者は、仕上がり後にトラブルになる可能性が高いため注意が必要です。もちろん日光の入り加減や立地条件によって、サンプルやイメージとは異なった見え方をすることも多いのが現実ですが、「塗らないと分からない」「お客さんが選んだものをただ塗るだけ」といった対応の業者は、知識が少なくアドバイスができないなどの問題を抱えていることもあります。お金を出して依頼するのですから、やはりしっかりと寄り添い、できる限りの対応をしてくれるような業者を選ぶようにしましょう。

数人で作業し、塗布のスピードや乾燥時間を適切に管理できる業者であれば安心です。また、吹き付け塗装やローラー塗装のどちらに対応できるかも確認しましょう。業者によってはコスト優先でローラー仕上げしか行わない場合もありますし、予算によってはそうした選択でも問題ありません。しかし、外壁や仕上げ工法にこだわりがあり、より精度の高い仕上がりを求めるなら吹き付けに対応できる業者が望ましいです。

黒い外壁は汚れや劣化が目立ちやすいため、施工後のメンテナンスが欠かせません。施工後に定期点検を行ってくれるか、保証期間がどのくらい設定されているかは必ず確認しておきましょう。優良業者ほど「施工して終わり」ではなく「施工してからが本当のお付き合い」と考えているため、保証やアフターサービスに力を入れています。依頼する前に必ず確認しましょう。

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