最近は、SNSを介した「闇バイト」が問題になっていますよね。普段の生活ではなかなか聞く機会のない言葉ではあるものの、近年闇バイトと思われる強盗被害などが多発しており、ニュースや新聞などで耳にする機会も増えた言葉です。特に一軒家が狙われやすい傾向にあり、強盗の下見として工事やリフォーム業者を装った事前訪問があったことも確認されています。強盗被害まで及ばなくても不審な業者の訪問による相談も増えています。そこで今回は、近年増えているリフォーム業者を装った強盗の下見に使われている手口や、被害に遭わないための予防法をご紹介していきます。
工事業者を装った強盗の下見を行う手口とは?

工事業者や修理業者を装った強盗は、一般的に信頼されやすい「点検」「下見」といった理由で家に訪れ、敷地内の状況や住人の在宅状況を把握します。特に、無料点検や見積もりを謳って突然訪問するケースが増えており、住人の不安や疑問に付け込みます。では具体的にどのような手口を利用して住宅の下見を行っているのでしょうか。相手の手口を知っておくことで犯罪の被害に遭う確立をさげることができますので、ここでは一緒に工事業者を装った強盗の下見を行う手口について、確認していきましょう。
親切心を装って声をかけてくる
突然工事業者を名乗る人の訪問を受けても、にこやかな笑顔で人当たりのよさそうな作業員に、「外壁劣化が酷いので修理したほうがいいですよ」「もしかすると他にも修理が必要なところがあるかもしれないので、一緒に見てみませんか?」そんな風に声をかけられたらどうでしょうか。あくまで営業を前面に出すのではなく、親切心を持って近づいてきていると見える状況だと、相手が危険な業者だと気付けない方も多いのではないでしょうか。もちろんきちんとした業者がきちんとした対応をしているのは当然ではあるものの、近年はこうした悪徳業者や犯罪グループの人も、丁寧な対応だったり悪い人には見えない穏やかな一面を見せてくることも多く雰囲気だけでは判断できないところがあります。そのため、「悪い人じゃなさそうだ」と思ってしまい、住宅敷地内や室内に入れてしまい、相手に住宅の情報を把握されてしまうというトラブルが増えているのです。
具体的な症状を伝えてくる
近年の悪徳業者や犯罪グループの手口はとても巧妙化しており、ただ声をかけるだけではなく、具体的な症状を伝えて不安をあおってくる傾向にあります。また住人が確認できないような位置に劣化や故障があると伝えて事実確認ができない状態で不安を与えてきたり、なかにはまったく違う住宅の壊れた屋根や外壁の写真を見せてくる業者もいます。自分の自宅と同じような形状であったり、同じ素材を使っている住宅の切り抜き写真などでは、本当に自分の住宅かどうかぱっと見て判断できないことも多く、写真を信じ込んでしまうといったケースも実際に発生しています。相手はいかに信じ込ませるかに重点を置いて近づいてくるため、普段慎重だという方も騙されてしまうことが多いです。
判断する時間を与えない
もうひとつ悪徳業者や犯罪グループの訪問時の特徴としては、必要以上に焦らせて判断したり考える時間を与えないという点です。優良な業者でも、営業の一環として訪問営業を行うことや、時に本当に危険がある状態の住宅に声をかけることはあります。しかし、事実ではないことを伝えて必要以上に焦らせたり、強引に敷地内に入ろうとはしません。一方で悪徳業者や犯罪グループは、不当な利益を得ようとたくらんでいたリ、強盗などの下見を目的としているため、なんとか契約にこぎつけようとしたり敷地内に入り込もうとしてきます。そのために、「今すぐ修理しないと危険ですよ、壁が崩れてしまいますよ」「とても危ないので今すぐ見せてください」などといって必要以上に不安をあおり、正常な判断をするための時間までも奪います。騙されてしまった方のなかにも、「後から考えればおかしいことだった」と気付ける方も多いのですが、やはりその場で焦らされてしまうと正常な判断ができなくなってしまう方の方が多いのです。
不自然なタイミングで現れる
工事業者を装った犯罪グループの手口のひとつに、「なぜ今?」と思わせるような不自然なタイミングでの訪問があります。たとえば、雨が降っている日や日が暮れた時間帯、あるいは台風や地震のあとなど、住人の不安が高まりやすい状況を狙ってくることが多いのです。こうした状況では、たとえ初対面の相手であっても「本当に親切で来てくれたのかも」と受け入れてしまう心理が働きます。また、ゴミ出しや庭掃除、郵便物の回収など、住人が屋外に出ているタイミングを見計らって話しかけてくるケースもあります。これは事前に住人の生活パターンを下見して把握している可能性があり、訪問そのものが強盗や侵入の計画と結びついている危険性もあります。不自然な時間帯や状況での訪問には、特に警戒する必要があります。
しつこく個人情報を聞き出そうとする
悪質な業者や強盗目的の犯人は、外からは見えない住宅の内部情報や住人の家族構成、生活リズムなどを探るため、さりげなく会話の中に個人情報を聞き出すトリックを織り交ぜてきます。たとえば「お子さんはまだ小さいですか?」「ご家族でお住まいですか?」などの何気ない会話に見せかけて、在宅時間や住人の人数を把握しようとします。また、「連絡先を教えてください」「日中はどの時間が都合いいですか?」といった問いかけも、実際には家を空ける時間帯を知るためのものかもしれません。このようにして得た情報をもとに、後日空き巣や強盗を計画するケースも報告されています。住宅や個人に関する質問が多いと感じた場合は、相手のことを信じすぎず、自分たちの情報を話し過ぎないように注意しましょう。
工事業者を装った強盗の下見はどこを見ている?

工事業者を装って強盗の下見に来ている犯罪グループは、敷地内や住宅内のさまざまな場所を見ています。そして下見をしたうえで、「この住宅なら簡単に強盗ができそう」などと見極めて犯罪リストの優先順位をつけているのです。では実際に、犯罪グループはどのような場所を見ているのでしょうか。
防犯カメラの設置の有無
強盗グループは、まず最初に家の外周や玄関付近に防犯カメラが設置されているかどうかを確認します。防犯カメラがある家は、犯行が発覚するリスクが高まるため、狙われにくくなります。そのため、カメラが設置されていない住宅は優先的に標的にされることが多いのです。さらに、設置されているカメラの位置や種類、録画状況まで確認することもあり、隠しカメラなどがないかどうかもチェックします。防犯カメラが設置されていても、稼働していない、ダミーである場合もありますが、犯罪者はこれらを見極めて判断し、カメラの死角や映らない部分を確認して侵入経路を探ることもあります。
敷地の人目のつきやすさ
敷地が道路や近隣住宅からどれだけ人目につくかも、強盗グループが注目するポイントです。人目につきにくい場所、特に高い塀や生垣で隠れている家は、侵入時に見られるリスクが低いため、犯行しやすいと判断されやすいです。さらに、窓や玄関がどの程度通行人から見えるか、近所の住民からの視界が遮られているかどうかも確認します。防犯意識の高い住宅地で、近隣住民が普段から互いに見守り合っている地域では、犯行が難しくなります。逆に、見通しが悪く、近隣との接触が少ない場合は、リスクが低いと考えられ、狙われる可能性が高まります。
侵入経路とその方法
強盗グループは、下見の際に侵入がしやすい場所や方法をチェックします。特に、窓や裏口の鍵がしっかり閉められているか、錠前の種類や強度、ガラスの防犯性などを観察します。また、庭やベランダに物が置かれている場合、それが足場になる可能性があるかどうかも確認します。さらに、住宅の裏側や見えにくい部分から侵入できるルートがないかも探し、どこから侵入すれば目立たずに侵入できるかを見極めます。泥棒が下見の際に特に重要視するのは、「侵入しても気づかれない場所」や「素早く逃げられる経路」があるかどうかです。
住宅内の間取り
強盗グループは、住宅内の間取りを把握することで、侵入後にどのように行動するかを計画します。玄関からリビングや寝室までの距離、階段の位置、または貴重品が保管されていそうな部屋の位置を把握することで、短時間で効率よく犯行を行えるかを見極めます。特に、見積もりや下見の際に、リビングやキッチンが視界に入りやすい場合、貴重品や家電製品の存在も確認されることが多いです。また、部屋の間取りが複雑であったり、侵入後の動線が明確でない場合は、リスクが高いと判断され、犯行対象から外されることもあります。
住人の家族構成や生活時間
住人が何人いるのか、そしてそれぞれがどのような時間に家を出入りしているかも、下見の重要な要素です。特に、共働きで昼間は誰もいない家庭や、旅行で長期間留守にしている家は、狙われやすくなります。また、子供や高齢者がいる場合、犯罪グループはそれを見て侵入のタイミングを図ることが多いです。家族構成や生活パターンを観察することで、強盗は侵入しやすい時間帯を見極めることができます。例えば、朝早くから家を出て夜遅く帰宅する家族が多い場合、その間に侵入するリスクが低いと判断されることがよくあります。
工事業者を装った強盗が狙いやすい家の特徴とは?
工事業者を装った強盗が最初に行うのは、「どの家なら狙いやすいか」を見極める下見です。この時点で、彼らは表向きには親切な業者のふりをしながら、敷地内や建物の様子をしっかり観察しています。特に、防犯対策が甘そうな家や、留守が多そうな家は標的になりやすく、実際に犯罪被害に発展するケースもあります。ここでは、強盗グループが「入りやすい」「バレにくい」と判断しがちな住宅の特徴を詳しく解説します。ご自身の家に当てはまる点がないか、ぜひチェックしてみてください。
死角が多く、外から見えにくい家
住宅の外構や立地は、防犯に大きく影響します。例えば、敷地の周囲を高い塀や植木で囲っていて、玄関や窓が外から見えづらくなっている家は、強盗にとって非常に都合のいい環境です。人目に触れにくいということは、侵入しても見つかりにくいということ。特に袋小路や裏通り、住宅街の奥まった場所にある家などは、外部からの視線が届きにくく、犯行のリスクが低いと判断されがちです。また、インターホンが目立たない場所に設置されていたり、玄関まわりに街灯や防犯灯がない場合も要注意です。夜間に照明がなく暗がりができてしまうと、下見の段階でも行動がしやすくなり、結果的に「この家は安全に近づける」と判断されてしまいます。外からの見えやすさ=防犯対策の一環であることを意識して、適切に整備しておくことが重要です。
防犯カメラやセキュリティ設備がない家
外から見える範囲に防犯カメラが設置されていない住宅は、強盗グループにとって「リスクが低い」と判断されやすくなります。カメラがないというだけで、証拠を残さずに動けると見なされるからです。また、防犯カメラが設置されていても、配線や機種から「ダミーである」と見破られてしまうこともあります。プロの犯人グループは意外とこうした機器に精通しており、どの程度本格的なシステムなのかを見極めているのです。センサーライトがなかったり、録画中であることを示すステッカーや、警備会社との契約を示す表示がない家も、狙われやすい傾向にあります。逆に、防犯カメラ・ライト・警備会社ステッカーなどの防犯対策が複数見られる家は、「入りにくい家」としてリストから外されるケースが多いため、外から見える“防犯の存在感”が犯罪抑止に繋がるといえるでしょう。
郵便物がたまりがちで、留守が多く見える家
郵便受けに大量のチラシや郵便物が溜まっている家は、留守にしている、あるいは住人が日々不在がちだと判断される要素の一つです。特に数日間以上不在だったことが一目で分かるような状態になると、下見をしている強盗にとっては格好のターゲットになってしまいます。「この家は昼間も誰もいない可能性が高い」「数日間様子を見ていても動きがない」と判断されれば、その家の内部構造や生活パターンまで探られてしまう危険性もあります。また、夜になっても照明がついていなかったり、カーテンがずっと閉じたまま、洗濯物も干されていないといった“生活感のない家”も、狙われやすい傾向があります。強盗グループは単に一度のタイミングだけでなく、複数日かけて観察することもあり、こうした「人の気配の少ない住宅」をしっかりとリストアップしていくのです。たとえ一人暮らしや共働きで昼間に家を空けることが多くても、防犯意識の高さは見せておくことが重要です。
訪問時に対応する人が限定されている家
犯人グループが「狙いやすい」と感じる要素のひとつが、その家の対応者の傾向です。特に、訪問者への対応が高齢者のみ、あるいは未成年の子どもだけというケースは、犯罪者にとって“入りやすく警戒されにくい”と映ることがあります。話を聞く側が防犯意識に乏しかったり、相手を疑うことに慣れていなかったりすると、思いのほか簡単に敷地内や玄関先に招き入れてしまうことがあるためです。また、一人暮らしの高齢者宅などでは、判断力の低下や体力的な不安を逆手にとって、「今すぐ対応しないと危険」「このままだと家に住めなくなる」といった強い言葉で不安をあおる手口も多く見られます。こうした家庭では、万が一トラブルがあっても助けを求めにくい、通報が遅れるといったリスクもあり、結果的に狙われやすくなってしまうのです。家族が複数人いる家庭でも、「対応はいつも奥さんだけ」「日中は子どもしかいない」など、対応パターンが固定されている場合は注意が必要です。できるだけ訪問者には複数人で対応する、またはインターホン越しだけで済ませるなど、簡単には家の中に入れない工夫が大切です。
工事業者を装った強盗の下見を行わせないための対策法とは?

犯罪行為の被害に遭わないためには、犯罪行為の下見をさせないというのが一番の対策です。また必ずしも犯罪グループは、住人に直接接触してくるとは限りません。現場近くで住宅や住人の様子をうかがって下見をするというケースもあります。そこでここでは、万が一の際に備えて犯罪に巻き込まれないための予防法について紹介していきます
防犯カメラやセンサーライトの設置
工事業者を装った強盗の下見を防ぐためには、防犯カメラやセンサーライトの設置が非常に有効です。特に、防犯カメラは犯行を記録するだけでなく、犯罪の抑止効果もあります。現場付近に来て下見にきた犯罪グループなどにも効果的です。侵入経路や敷地の目立つ場所にカメラを設置することで、犯罪者に「この家は見られている」という印象を与え、犯行を未然に防ぐことが期待できます。また、センサーライトも有効で、夜間に敷地内に侵入した際にライトが点灯することで、周囲に不審な動きを気づかせる効果があります。カメラとライトの併用で、より強力な防犯対策を行いましょう。
不審な業者や人物に対応する際の心得
工事業者を装った強盗は、見積もりや工事の下見を理由に家の中や周辺を見回ることが多いため、不審に感じた場合はしっかりと対策を講じることが重要です。例えば、業者が名乗った会社名や連絡先を事前にインターネットなどで確認し、正当な業者であるかどうかをチェックしましょう。また、初対面の業者に対しては家の中に入れず、玄関先での対応に留めるなど、慎重な態度を心掛けましょう。さらに、何か不審な点があれば、警察に相談することも有効な手段です。自分一人で対応せず、周囲に助けを求めることも重要です。
近隣住民と連携する
防犯対策を行う際、近隣住民との連携も大切です。普段から近所付き合いを大切にし、互いに家の様子を見守ることで、強盗の下見を未然に防ぐことができます。特に、長期間家を留守にする場合や、不審な業者が訪問してきた際には、近所に一声かけておくと安心です。また、近隣住民が防犯カメラを設置している場合、お互いに映像を共有し合うことで、さらに強力な防犯ネットワークを構築することが可能です。住民同士での情報交換や見守り体制が、犯罪を防ぐ大きな力となります。
工事依頼前に正当な業者かを確認する
工事業者を選ぶ際、下見の段階で強盗の下見を行わせないためには、依頼する業者が正当な業者であるかを事前にしっかり確認することが重要です。インターネットでの口コミや評判、資格や許認可を持っているかなどを調査し、信頼できる業者かどうかを見極めましょう。また、契約前に詳細な見積書や業者の連絡先、過去の実績などを確認することで、詐欺や強盗のリスクを軽減できます。不審な業者に依頼しないことが、家の安全を守る第一歩となります。
まとめ
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