汗ばむような季節が過ぎ、そろそろ冬の準備をしているというご家庭も多いのではないでしょうか。衣替えや冬に備えた住宅のメンテナンス、この時期はやるべきことがたくさんあります。そして今の時期は住宅の「隙間風」が気になるという方も増えてきます。「まだ暖房を多用はしていないけれど、どこからともなく隙間風を感じる。」「暖房効率が不安」そんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、この時期から気になってくる隙間風について、その正体と今の時期にやっておくべきメンテナンスについて詳しく解説をしていきます。
隙間風が発生する原因とは?

冬の冷たい空気が室内に忍び込んでくる「隙間風」。夏は気にならなかった隙間風でも、冬は快適な生活を邪魔するものです。そしてその隙間風の原因は、単純に「古い家だから」とひとことで片づけられるものではありません。実際には建具の劣化や外壁のひび割れ、屋根の隙間など、住まいのあらゆる部分から冷気が侵入してくる可能性があります。また、施工当時の断熱技術や気密性の差も影響していることもあります。隙間風をなくすためには、まずは隙間風を発生させている原因を知ることが大切です。ここでは、隙間風が発生する代表的な原因を5つに分けて詳しく解説していきます。
建具の劣化による隙間
玄関ドアや窓サッシなどの建具は、長年の使用によって歪みや隙間が生じやすい部分です。特にゴムパッキンや戸車は経年劣化で硬化・摩耗し、密閉性が低下します。そしてゴムパッキンや戸車は経年劣化で硬化・摩耗し、密閉性が低下してしまった結果、冷気がわずかな隙間から侵入し、暖房を効かせても足元がスースー冷える状態になってしまうのです。さらに、木製の建具は湿気や乾燥で反りや縮みが起こりやすく、季節によって状態が変化することもあります。建具の劣化を放置すると、ドアや窓の開閉に支障をきたすこともあり、隙間風の問題だけではなく防犯面にも悪影響を与える恐れがあります。
外壁のひび割れやシーリングの劣化
外壁にひび割れができたり、外壁材の継ぎ目を埋めるシーリング材が劣化したりすると、そこから外気が侵入します。ひび割れ部分は風だけでなく雨水の侵入経路にもなり、内部の断熱材を湿らせて性能を下げてしまうというトラブルも発生する可能性があります。特に築年数が経った住宅で外壁のメンテナンスが適切に行われていない場合、外壁塗装の防水性が落ちているため、隙間風と同時に建物全体の劣化を早める要因になります。シーリングは物理的な衝撃だけではなく、紫外線によってひび割れや剥離が起こりやすいため注意が必要です。
屋根や小屋裏からの侵入
屋根材のズレや破損、軒下や小屋裏の通気口などは、隙間風の侵入経路になりやすい箇所です。特に瓦やスレートが一部破損していると、そこから冷たい風が小屋裏へ入り込み、天井裏を伝って室内に冷気が流れ込むことがあります。断熱材が十分に施工されていない古い住宅では、この影響が大きくなる傾向にあります。また、台風や大雨で屋根材がずれたまま気づかずにいると、風だけでなく雨漏りのリスクも高まり、構造部分を傷める原因につながります。屋根や小屋裏のトラブルは普段生活しているなかでは、なかなか気付きにくく、隙間風が発生して初めて気付く方も多い部分です。
基礎や床下の隙間
建物の基礎部分や床下の換気口からも、隙間風が侵入するケースがあります。特に古い木造住宅では基礎の気密性が低いため、床下を冷たい風が流れ込み、畳や床板の隙間から室内に冷気が上がってきます。冬に足元だけが冷える「底冷え」の正体は、床下の隙間風によるものが多いのです。床部分から冷たい空気が入ってきてしまうと、どんなに部屋を暖めても、足先が冷たく常に寒さを感じてしまうというため不快感が強まります。さらに、床下は湿気がたまりやすい環境でもあるため、冷気と湿気が合わさると結露やカビの原因になり、住宅の耐久性に影響することもあります。
施工時の断熱・気密不足
隙間風の原因は必ずしも劣化だけではなく、建築当時の断熱・気密施工が不十分なこともあります。古い住宅は現代と比べて気密性を重視していなかったため、壁や天井、窓回りに細かな隙間が残されているケースが少なくありません。特に断熱材が均一に入っていなかったり、施工が甘かったりすると、わずかな隙間であったとしてもそこから冷気が流れ込んでしまいます。施工によるトラブルの場合は、新築やリフォーム直後でも隙間風を感じることがあるため、住宅の築年数に左右されず発生します。
隙間風予防のために、建具・外壁・屋根で修理すべき箇所とは?

隙間風はちょっとした劣化やズレから入り込むため、「このくらいなら大丈夫」と放置してしまう人も少なくありません。しかし、その小さな隙間こそが冷暖房効率を下げ、光熱費の上昇や体調不良につながります。これから迎える冬を快適に過ごすためには、隙間風の原因を特定して修理しておくことが大切です。そこで、建具・外壁・屋根という隙間風の原因となる代表的な部分に注目し、特に修理や点検をしておくべき箇所を具体的に解説していきます。
玄関ドアや窓サッシのパッキン・建て付け
建具の中でも、玄関ドアや窓サッシは隙間風の原因として非常に多い部分です。パッキンは本来、ドアや窓を閉めたときに気密性を確保する役割を果たしていますが、長年の紫外線や温度変化で硬化し、弾力を失うと隙間ができてしまいます。冷たい外気がパッキンの劣化部分から侵入し、冬場に「窓辺だけひんやりする」という状況をつくり出します。さらに、ドアや窓の建て付けが悪くなれば、閉めてもわずかに隙間が残り、隙間から風が吹き込むようになります。ドアや窓の建付けによる不具合は快適さを奪うだけでなく、結露やカビを発生させる要因にもなり得ます。定期的な調整やパッキン交換は比較的低コストで可能なので、早めの対応が効果的です。
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外壁のひび割れとシーリング材
外壁は常に雨風や日差しを受けているため、年数が経つと劣化は避けられません。特に注意すべきは「ひび割れ」と「シーリング材の劣化」です。ひび割れは小さなものでも外気の通り道となり、そこから隙間風が室内に伝わることがあります。また、シーリング材はサイディングや窓枠の隙間を埋める重要な役割を担っていますが、紫外線で硬くなったり縮んだりすると、剥離して空気が自由に出入りできる状態になります。さらに厄介なのは、風だけでなく湿気や雨水も侵入する点です。内部の断熱材や木材が濡れると断熱性能が落ち、建物全体の寿命を縮める恐れもあります。外壁の表面だけでなく目地やシーリング部分を定期的に点検し、劣化が見られたら補修を行うことが、隙間風予防と建物保護の両方に役立ちます。
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屋根材のズレや割れ
屋根は普段確認しにくい場所ですが、隙間風の大きな侵入口になることがあります。瓦やスレートが強風や経年劣化によってズレたり割れたりすると、そこから冷気が小屋裏に流れ込み、天井を伝って室内に冷たい空気が降りてきます。特に断熱材が十分に入っていない家では、暖房を効かせても部屋全体が冷える原因になります。さらに問題なのは、風だけでなく雨水の侵入も招く点です。小さな破損でも雨が吹き込めば、木材の腐食やカビの発生を引き起こし、修繕費用が膨らんでしまう可能性もあります。屋根の不具合は自分で確認しづらいため、定期的に業者点検を依頼するのが安心です。早期に修理すれば部分補修で済む場合も多く、トラブルの発覚が遅れることによる大掛かりなリフォームを避けることにもつながります。
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小屋裏や軒下の通気口まわり
小屋裏や軒下には湿気を逃がすための通気口が設けられていますが、ここは隙間風の侵入経路になりやすい場所でもあります。本来は建物を守るために必要なものですが、網やカバーが劣化していると冷気が直接入り込むようになります。冬場は特に、天井裏を通って冷気が各部屋に降りてきてしまい、暖房効率を大きく下げる原因になります。また、断熱材が不十分な場合や施工が甘い場合、通気口からの冷気が室内環境に直結してしまいます。とはいえ通気口を完全に塞ぐと湿気がこもって結露やカビが発生するため、塞ぐのではなく「冷気は防ぎつつ通気を確保する」工夫が必要です。専用のフィルターや断熱補強を行えば、隙間風を防ぎながらも家を長持ちさせることができます。
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基礎や床下の隙間
基礎や床下は普段目にしない部分ですが、実は隙間風の大きな侵入口です。特に木造住宅や築年数の古い家では基礎の気密性が低く、床下換気口やひび割れから冷たい外気が侵入しやすくなります。冬場に「足元だけが極端に冷える」という底冷え現象は、この床下からの隙間風が原因であることが多いのです。さらに、冷気とともに湿気が入り込むと、床下に結露が発生してカビやシロアリ被害を招く恐れもあります。放置すると住宅の耐久性そのものに関わるため、見えないからこそ注意が必要です。基礎のひび割れは専門業者による補修、換気口の点検やメンテナンスを定期的に行うことで、床下環境を健全に保ちながら隙間風の侵入を防ぐことができます。建具・外壁・屋根と併せて確認しておくと安心ですよ。
断熱材の追加
家の中に隙間風を感じる原因は、外壁や窓だけではありません。壁や天井、床下に入っている断熱材が不足していたり、施工が不十分だったりすると、外の冷気がじかに伝わってしまいます。築年数が古い家では、当時の基準が今より低いため、断熱材がほとんど入っていないケースもあります。その場合、窓や壁に目立った不具合がなくても、家全体が寒くなりやすいのです。断熱改修には費用がかかりますが、光熱費の削減や健康リスクの軽減につながります。部分的に床や天井の断熱材を追加するだけでも効果があるので、専門家に相談する価値があります。
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まとめ
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