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外壁にレンガデザインを取り入れたい! 種類や費用はどのくらい?

お役立ちコラム

更新日:2025/07/21

洋風の住宅外観が好きな方は、一度は「レンガを使った外壁」を取り入れようか悩んだことがあるのではないでしょうか。住宅を洋風の外観にするためには、レンガはイメージ通りに表現しやすく、リフォームで後から取り入れるという方も多いです。そんななかで気になるのが、「本物のレンガを使うと予算が跳ね上がってしまうのではないか」という点ですよね。レンガは非常に耐久性が高く高級感がある一方で、生成や施工に手間がかかるため非常に高価な材質としても知られています。「レンガを採用したいけれど手が出ない」そんな方も多いかと思います。しかし実際には、日本国内の一般的な住宅で採用されるレンガのほとんどが本物のレンガではなく、「レンガ風素材」なのです。そのため、「本物のレンガじゃなくてもレンガ風デザインにしたい」「できるだけ予算を抑えてイメージに近づけたい」という方には、このレンガ風素材がとてもオススメです。そこで今回は、レンガとレンガ風素材について比べながら、その種類の特徴や費用について詳しく解説をしていきます。

レンガ風素材は、今はさまざまなメーカーから出されている定番な商品です。まずは、どんな商品があるか知っておきたいですよね。また比べる際にそれぞれの違いについても、覚えておく必要があります。そこでまずは、本物のレンガを含んだ外壁に使用できるレンガ素材の、それぞれの特徴についてご紹介をしていきます。

本物のレンガは、粘土を主成分として砂や石灰を練り込み、型にはめて焼いて固めていきます。焼成温度は800~1,200℃程度で行われることが多く、数日かけてしっかりと焼き上げていきます。その後ゆっくりと冷却をして、レンガが割れないよう最新の注意を払いながら形成していきます。こうして作られたレンガを、焼成レンガと呼びます。外壁に使うレンガでは、日干しレンガと言って高温での焼き上げなしに日干しでレンガを形成する方法もあります。どちらも天然の色合いが美しく、ひとつひとつ個性のある色合いに仕上がります。住宅に使用することで、重厚感や高級感を演出することができるだけではなく、高い耐久性もあります。

「本物のレンガは予算オーバーだけど、できる限り高級感を維持したままレンガの風味を楽しみたい」という方にオススメなのが、レンガ風タイルです。レンガに似せた色合いを持つ外壁タイルで、一枚一枚外壁にはり付けてデザインを仕上げていきます。タイルの厚みの分、本物のレンガを組み立てているように見えるため、本物のレンガで作ったようなデザインに魅せることができます。外壁に使用する施工方法は2つで、下地をモルタルにして埋め込むようにして施工していく湿式工法と、サイディングボード下地の上から引っ掛けるようにして施工していく乾式工法の2パターンがあります。

更にコストを抑えて施工できるのが、レンガ風のサイディングを使用することです。サイディングボードにレンガのデザインが印刷されているため、そのまま外壁にはり付けることで施工をすることができます。工場で生成されるサイディングボードですので、安定した品質が確保できます。一方で一枚一枚施工するレンガやレンガ風タイルと違い、奥行きがないため、ツルッとした印象を受けます。「手軽に最小限のコストでレンガデザインを試したい」という方にはオススメである一方で、本物に近い風合いを目指したい方には向かないこともあるため、よく検討して採用するようにしましょう。

ここまでで、外壁に使うことができるレンガ素材の種類やその特徴について、知っていただくことができたかと思います。では実際に施工するとなった際に気になるのが、「どのくらいの費用がかかるのか」ですよね。予算もあるかと思いますので、やはり費用を事前リサーチしておくことはとても大切です。そこでここでは、それぞれのレンガ素材の費用についてもご紹介をしていきます。

本物のレンガを使用する際の㎡単価の平均は、10,000万円~30,000円となります。スライレンガと言ってタイルのような薄いレンガ材であれば、㎡単価がおよそ10,000万円~20,000円程度と言われております。一般的にイメージされやすい積みレンガと呼ばれる厚みのあるレンガは、㎡単価が20,000円~30,000円とやや高めになります。一般的な30坪木造二階建ての住宅の外壁面積は160㎡~170㎡程度と言われておりますので、最低でも160万円~の費用がかかります。ただし今のデザインでは外壁全てをレンガにするケースは非常にまれで、1階部分のみの施工などが多いデザインです。1階部分の外壁面積を仮に半分の80㎡とすると、1階部分全てをレンガにするデザインでは最低80万円~の費用となります。当然単価の高いレンガを使用したり、レンガ施工面積が大きい場合は、比例して費用も高くなっていきます。

レンガ風タイルの㎡単価は、20,000円前後と言われています。ただし、レンガと同様に単価の高いタイルを選ぶことで、㎡単価が高くなります。中には30,000円以上のタイルもあるため、レンガよりも単価が高くなるケースもあります。タイルも非常に高級な素材ですので、比較的単価は高いです。30坪程度の住宅に換算すると、20,000円のタイルを使用しておおよそ320万円~340万円が全体の相場となります。ただし、タイルと同様に外壁全体をレンガ風タイルにするケースは珍しいですので、1階部分のみの施工と仮定すると半分程度の費用の160万円~170万円が一般的な相場となります。

レンガ風サイディングは、㎡単価の相場が4,000円~5,000円となります。サイディングにもグレードがあるため、グレードを落とすことで更に安くすることもできますし、グレードが高いサイディングは5,000円以上の㎡単価となることもあります。30坪程度の住宅に当てはめると、64万円~85万円程度が費用相場となります。レンガ風サイディングを採用される方は、住宅全体を同じデザインのサイディングにすることも多いです。一般的なサイディング外壁の費用と考えていただければ問題ありません。

予算やイメージしている外壁デザインに応じて、それぞれのレンガ素材を選ぶようにしましょう。では、実際にレンガデザインを住宅に取り入れる際には、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。一般的な外壁デザインと比べてどんなことに注意すればいいか気になっている方も多いかと思いますので、外壁をレンガデザインにする際の注意点について一緒に見ていきましょう。

本物のレンガやレンガ風タイルの場合は、素材そのものに重さがあります。特に本物のレンガの積みレンガを使用する場合は、外壁にかなり重さの負担がかかります。特にリフォームでレンガを後付けされる場合は、住宅設計時の構造・重量計算や耐震性の計算にレンガ分の重さが含まれていますので、後付けでのレンガの重量に外壁が耐えられるか事前に確認しておく必要があります。またレンガを高い部分に設置する際は、地震の際に通行人に影響を与える恐れがないか、住宅の出入りの動線にどのように関わってくるかを確認しておくことも大切です。

特にレンガやレンガ風タイルは、自然由来の素材であるため、非常に耐久性が高い外壁素材です。そのため、「レンガにしたらメンテナンスはいらない」と思われてしまう方もいらっしゃいますが、実際はメンテナンスはどの素材にしても必須になります。レンガやレンガ風タイルであれば目地やひび割れ補修、レンガ風サイディングであれば定期的なコーキング・ひび割れ補修や塗装が必要になります。特にレンガ風サイディングはどんな色合いの塗装を選ぶがが重要になります。最初であればレンガ風のデザインをいかすためにクリア塗料を使用するのもいいですが、劣化していくとどうしてもサイディングは色あせが古びた印象になってしまいますので、塗装の色選びが非常に重要になってきます。10年後、20年後のことも考えたリフォーム計画が必要となりますので、劣化した後どうするかも決めておくようにしましょう。

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本物のレンガを採用する場合は、風化と共に生じるレンガの色あせに配慮する必要があります。レンガの色あせは古びた印象というよりも、趣があり色あせも含めて美しい素材です。ただし色あせをすることによって、他の塗装部分や異なる素材の外壁部分との不一致が生じてしまうことがあります。また紫外線が強く当たる部分は、特に色あせが進みやすく、同じレンガでも年数とともに違った見え方になっていきます。レンガの色あせを込みでデザインをするのか、塗装をして色あせの対策をするのか、はたまた再度リフォームをするのか、など今後のプランも計画しておくようにしましょう。

レンガやレンガ風素材の施工には、素材そのものの価格だけでなく、施工費用も大きく関わってきます。本物のレンガは材料費が高いだけでなく、施工に時間や手間がかかるため工事費用も高額になりがちです。一方でレンガ風タイルやサイディングの場合は比較的安価で工期も短く抑えられます。予算を明確にして、どの素材をどの範囲で使うのかを決めることが大切です。また、見積もりを複数業者から取って比較検討することや、追加費用の有無、保証内容についてもきちんと確認しておくことで、予算オーバーを防ぎ、コスト管理をしやすくなります。

レンガ外壁は素材の性質上、断熱性や防音性にプラスの効果をもたらすことがあります。レンガは熱をため込みやすく、室内の温度を安定させる働きが期待できるため、夏の暑さや冬の冷え込みを和らげ、冷暖房効率の向上にもつながります。また、厚みのあるレンガは外部の騒音を遮断しやすく、静かな住環境づくりに寄与します。ただし、施工方法や壁の構造によって効果は変わるため、断熱材や気密性の確保と合わせて設計することが重要です。快適な住まいのためには、外観デザインだけでなく性能面も意識した計画が必要です。

レンガ外壁は洋風住宅の魅力を高める人気の素材ですが、すべての住宅や環境に無条件で適しているわけではありません。レンガの重量や素材特性が住宅構造や地域の気候条件に影響を与えるため、採用の際には十分な検討が必要です。特に既存住宅へのリフォームの場合、構造的な強度の問題はもちろんのこと、地域特有の自然災害リスクを無視すると、思わぬトラブルを招くことがあります。ここでは、レンガ外壁を取り入れる前に必ず確認しておきたい地域ごとの気候や災害リスクとの関係を詳しく見ていきましょう。

寒冷地でのレンガ外壁は、厳しい冬の寒さと凍結によるダメージの影響を強く受けます。レンガは多孔質のため水分を吸収しやすく、その水分が凍結すると膨張してレンガの表面にひび割れや剥離が生じる「凍害」が発生します。凍害は外壁の見た目を悪化させるだけでなく、レンガそのものの耐久性を著しく低下させ、建物の保護機能を損なう恐れがあります。寒冷地での凍害対策としては、吸水率の低い耐凍害性能を持つレンガや特殊な防水・凍結防止塗料の使用が効果的です。また、レンガの施工時には適切な目地材の選択や通気性を確保することで、湿気の滞留を防ぐ工夫が必要です。こうした対策を講じることで、寒冷地でも長期間美しいレンガ外壁を維持できます。

日本の沿岸部や山間部など、多湿な気候の地域では、レンガ外壁にカビや藻が発生しやすい点にも注意が必要です。湿気が多い環境では、レンガの表面に微生物が繁殖しやすく、これが美観を損ねるだけでなく、レンガや目地の劣化を促進します。特に、北側の壁面や日陰になる場所は乾燥しにくいため、カビ・藻の発生リスクが高まります。これを防ぐためには、防藻・防カビ効果のある塗料を使用し、定期的に外壁の清掃や洗浄を行うことが大切です。また、植栽や周囲の環境にも配慮し、風通しを良く保つことが、カビや藻の発生を抑制する上で効果的です。レンガ外壁の美しさを長く保つためには、こうしたメンテナンス計画を事前に立てておくことも欠かせません。

日本は地震大国であり、台風や強風が頻発する地域も多くあります。そうした地域でレンガ外壁を採用する場合は、耐震性や耐風性を十分に考慮する必要があります。レンガは素材自体が非常に重いため、建物全体の揺れを増幅させる可能性があり、耐震性に悪影響を及ぼす恐れがあります。特に既存住宅に後付けでレンガ外壁を施す場合は、建物の構造がレンガの重量に耐えられるか専門家の診断が必須です。また、強風地域では風で飛ばされてくる飛来物による衝撃でレンガが割れたり、目地が損傷するリスクもあります。耐衝撃性の高いレンガ風タイルやサイディングを選ぶことも一つの対策です。施工にあたっては、十分な耐震補強や強固な下地作りを行い、地域の自然災害リスクに見合った工法を採用することが、長く安心してレンガ外壁を使うためのポイントとなります。

レンガ外壁は耐久性に優れた素材ですが、強い紫外線にさらされると、その表面の色あせや劣化が進行しやすくなります。特に南向きや屋根の高所など、日照時間が長く直射日光が強く当たる場所は注意が必要です。紫外線はレンガの顔料を分解し、色味を徐々に薄くしてしまいます。また、塗装が施されている場合は、その塗膜も紫外線によって劣化しやすく、ひび割れや剥離が生じることがあります。これが進行すると、水分が内部に浸入しやすくなり、ひび割れの拡大や凍害を引き起こす原因となるため、美観だけでなく建物の耐久性にも悪影響を及ぼします。特に日本の夏は紫外線が強いため、十分な対策が必要となります。

こうした紫外線の影響を抑えるためには、耐候性に優れた素材や塗料の選定が非常に重要です。たとえば、紫外線に強い顔料を使用したレンガや、特殊なUVカット効果のあるクリア塗料を採用することで、色あせの進行を遅らせることができます。特にレンガ風サイディングの場合、塗装の耐久性が外観の維持に直結するため、長持ちする塗料選びがポイントです。また、塗装は一度行えば終わりではなく、数年ごとに状態を確認し、劣化が進んでいる部分は早めに塗り直すことが大切です。これにより、塗膜の保護効果を維持し、レンガ外壁自体の寿命を延ばせます。さらに、施工時に日差しが強く当たる部分に工夫を施すことや、軒を深く設けるなどして直接の紫外線を和らげる設計も効果的です。

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