ガルバリウム鋼板屋根は、耐久性が高く、軽量で屋根材として優れていることから近年人気がある屋根材のひとつです。しかし一方で、「ガルバ屋根は夏は暑い」「冷房費用が高くなる」そんな話を聞いたことがある方も多いかと思います。ガルバリウム鋼板が暑くなると言われている原因には、ガルバリウム銅板の素材や特徴が関係しています。今後ガルバリウム鋼板にしたいと考えている方は、注意点として知っておく必要があります。また今現在ガルバリウム鋼板を使用している屋根でも、対処法はいくつかあります。そこで今回はガルバリウム鋼板屋根が暑くなる原因と、現在ガルバリウム鋼板屋根を使用されている方に向けた対処法について、詳しく解説をしていきます。
ガルバリウム鋼板屋根の基本知識

「そもそもガルバリウム鋼板屋根ってどんな屋根?」と疑問を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこでまず初めに、ガルバリウム鋼板屋根の特徴について解説をしていきます。すでにガルバリウム鋼板屋根を使用していて基本的な知識は知っているという方も、忘れていたり、知らない情報もあるかもしれません。ガルバリウム鋼板屋根の基本知識について、一緒に見ていきましょう。
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金属屋根の一種
ガルバリウム屋根は、金属屋根の一種で、メッキ製品に分類されます。日本国内の製品や技術の安定性を確保するために定められた「JIS(Japanese Industrial Standards)規格」では、「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」として知られています。業者の間では「ガルバ」と略称で呼ばれることが一般的です。
金属屋根で高いシェア率を誇る
日本では江戸時代から徐々に広まっていったとされる金属屋根で、実は金属屋根自体は国内でも長い歴史を持ちます。金属屋根は江戸時代に一般的に使われていた瓦屋根と比べて軽く、地震の際の安全性や、施工のしやすさなどから注目されていきました。明治時代以降から一般家庭でも金属屋根が普及し始め、現代では当時主流だった金属屋根のトタン屋根から形状を変えて生まれたのがガルバリウム鋼板屋根となります。トタン屋根は軽量である一方耐久性の面でデメリットが大きい屋根でもありましたが、ガルバリウム鋼板屋根は耐久性も高く軽量であるため、金属屋根でも特に需要が高まりました。
耐用年数は30~40年
ガルバリウム鋼板屋根は、金属屋根でありながら耐久性が高く、30年~40年ほど持つと言われています。ガルバリウム鋼板屋根自体が新しいため、まだデータが多くはありませんが、耐久性が高いことは認められている屋根材です。折り曲げて施工することができるため、多くの複雑な屋根に対応することも可能です。
ガルバリウム鋼板屋根が暑い原因とは?

ガルバリウム鋼板屋根の基本的な知識をつけていただくことができたかと思います。名前が広く知れ渡っているため、どんな種類の屋根なのか知らなかったという方も意外にも多いです。そんなガルバリウム鋼板屋根ですが、金属屋根の特徴である「夏に暑さを感じやすい」という部分が、デメリットになってしまうことがあります。そこでここでは、なぜガルバリウム鋼板屋根は暑さを感じやすいのか、ガルバリウム鋼板屋根が暑いと言われる原因について詳しく解説をしていきます。
金属の高い熱伝導率
金属は熱伝導率が高く、外部の熱をすぐに内部に伝える性質があります。ガルバリウム鋼板は金属でできているため、太陽の直射日光を受けると、その熱が屋根全体に瞬時に広がります。このガルバリウム鋼板屋根の特徴は、特に夏場にデメリットとして感じることの多い特徴です。夏の強い直射日光がそのまま屋根に当たり、屋根表面が高温になるとその熱が室内に伝わりやすくなります。その結果、室内温度も上昇し、特に屋根に近い部屋にいると屋根からの暑さを感じやすくなります。この現象は金属屋根全般に共通する特性であり、ガルバリウム鋼板以外の金属屋根でも同じことが起きます。
熱吸収が早い
ガルバリウム鋼板は金属であるため、熱を非常に早く吸収します。鉄製のお箸を使用したことがある方は、高温の食べ物を掴んだ際にすぐに箸に熱が伝わり、火傷をしてしまったなんて経験もあるのではないでしょうか。この現象が、太陽から熱を受けた屋根に起きているのです。太陽光を受けると瞬時に表面温度が上がり、短時間で高温になります。この速い熱吸収が、屋根の表面温度を急激に上昇させ、家全体の温度を引き上げる原因となります。特に夏の強い日差しの下では、この効果が顕著になり、室内が非常に暑く感じられます。
蓄熱性がある
金属は熱を蓄える性質があり、日中に吸収した熱を夜間になっても放出し続けます。ガルバリウム鋼板はこの性質を持つため、昼間の高温が夜になっても冷めにくいという特徴があります。その結果、屋根が夜間も熱を放出し続け、室内の温度が下がりにくくなります。これにより、夜間でも暑さが続くことがあります。外の気温が低くなってきても、室内の暑さが続くため冷房が欠かせなくなります。
断熱性能の不足
ガルバリウム鋼板自体には断熱性能がほとんどありません。そのため、屋根裏の温度も高くなりがちです。非金属の屋根と同じ感覚で断熱材の設計をしてしまったり、断熱材のグレードが低いなどが原因で断熱効果が不十分な場合、夏は暑くなりやすいですし冬は寒くなりやすくなってしまうのです。断熱性能の不足は、ガルバリウム鋼板の暑さだけではなく寒さを増幅する要因となります。
ガルバリウム銅板屋根裏の温度上昇が室内に与える影響とは?
ガルバリウム鋼板屋根の暑さ対策を考えるうえで、見落としがちなのが「屋根裏の温度」です。金属屋根であるガルバリウム鋼板は太陽の熱を受けやすく、表面温度が高くなりがちです。その熱が直接伝わるのが、屋根のすぐ下にある屋根裏。屋根裏の温度が上がることで、住まいの快適性や建物そのものにまで悪影響を与えてしまう可能性があるのです。ここでは、屋根裏の温度上昇によって起こりうる主な影響について、具体的にご紹介していきます。
冷房の効きが悪くなり、電気代が上がる
屋根裏の温度が上昇すると、そこに蓄積された熱が天井を通して室内に伝わってきます。天井が熱を帯びると、室内全体の温度も自然と上がってしまい、エアコンの設定温度を下げてもなかなか涼しさを感じにくくなります。このような状態では、冷房を長時間使わざるを得ず、電気代も当然かさみます。特に築年数が経っていて断熱性能が低い住宅や、屋根裏に断熱材が十分入っていない場合は、冷房効率が著しく低下してしまいます。また、最近の猛暑では冷房を強めにしても追いつかない日も増えてきており、光熱費の増加は無視できない問題です。結果的に、夏の快適な生活を維持するために、高額な冷房費が必要になるという悪循環に陥ってしまうこともあります。
居住空間が不快になり、健康にも影響が出ることも
屋根裏の温度が高くなると、2階やロフトなど、屋根に近い部屋ほど強く影響を受けます。日中はもちろん、夜になっても屋根裏にこもった熱がじわじわと下に伝わり続け、部屋の中がなかなか涼しくならないといった状況になること可能性もあります。特に寝室が上階にある場合、熱気によって寝苦しさを感じやすく、良質な睡眠が取れなくなることがあります。体力のない小さなお子さまや高齢者にとっては、体調不良や熱中症のリスクも高まり、健康を害する恐れすらあります。エアコンの設定温度を下げても「暑さを感じる」「息苦しい」「頭がボーッとする」といった症状が出る場合は、屋根裏の熱の影響を疑ってみるとよいでしょう。毎日過ごす住まいだからこそ、目に見えない部分の暑さ対策が快適な暮らしの土台となります。
建材の劣化やカビ・結露の原因になる
屋根裏は、通気性が悪いと熱がこもりやすくなり、温度と湿気が高まることで結露が発生しやすい環境になります。特に、断熱材の施工が甘かったり、換気口が塞がれていたりする場合には、湿気が逃げ場を失って滞留してしまいます。結露が発生すると、屋根裏の木材や断熱材が常に湿った状態になり、カビの繁殖や木材の腐食といった劣化のリスクが高まります。これらの劣化は目に見えにくいため、気づいたときにはすでに被害が進行しているケースも少なくありません。さらに、カビが天井裏に発生した場合、胞子が室内に流れ込み、アレルギーや喘息など健康被害を引き起こすこともあります。屋根裏の温度上昇を放置してしまうことが、建物だけでなく住む人の健康にも悪影響を与えることを忘れてはいけません。
小屋裏収納などが使いにくくなる
最近では、小屋裏を収納スペースとして活用するご家庭も増えてきました。しかし、夏場の屋根裏はサウナのような高温になりやすく、温度が60〜70℃に達することもあります。そのような環境では、人が数分といられないほど暑くなるため、物の出し入れすら困難に。さらに、収納している品物にもダメージが及ぶ可能性があります。たとえば、書類や衣類、電化製品などは高温多湿に弱く、変形や劣化、カビの発生などが起こりやすくなります。結果として、大切なものを保管するつもりだった小屋裏収納が、「暑すぎて使えない場所」になってしまうのです。屋根裏の暑さをコントロールすることで、収納スペースの活用度や家全体の利便性も大きく変わってきます。
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ガルバリウム鋼板屋根が暑くならないための対処法とは?

ガルバリウム鋼板屋根の意匠性や、軽量なところや耐久性に惹かれて、どうしてもガルバリウム鋼板屋根を採用したいという方も多いかと思います。実際にガルバリウム鋼板屋根は、とても優秀な屋根材のひとつです。そんな優秀なガルバリウム鋼板屋根のデメリットと上手に付き合っていくためには、しっかりと対策をとることが大切です。また今現在ガルバリウム鋼板屋根を採用していて暑さを感じている方も、今からでも遅くはありません。新築ではなくてもできることはあるため、ここではガルバリウム鋼板屋根の暑さ対策について一緒に見ていきましょう。
断熱材の追加・交換を行う
ガルバリウム鋼板屋根の下に断熱材を追加することで、外部からの熱が室内に伝わりにくくなります。断熱材は熱の伝導を抑える効果があり、特に夏場の高温対策に有効です。断熱材を適切に設置することで、屋根裏の温度を低く保ち、室内の快適性を向上させることができます。施工時に専門業者に依頼し、適切な厚みと材質の断熱材を選ぶことが重要です。
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屋根の遮熱効果を高める
屋根の表面を遮熱塗料で塗装することで、太陽光の反射率を高め、屋根の表面温度を下げることができます。遮熱塗料は特に白色や銀色が効果的で、熱を集める黒い色は避けることをオススメしています。色にも配慮することで、最大限太陽光を反射させ屋根からの熱の吸収を抑えます。遮熱効果のある塗料は、屋根のメンテナンスの一種として行うことができ、遮熱効果はもちろんのこと屋根の性能を維持することにも役立ちます。その他、屋根の遮熱効果を高めるためには遮熱シートもオススメです。遮熱シートを屋根の上から張り付けることで、屋根に熱を伝わりにくくします。遮熱シートは一般的には倉庫の屋根などに用いられることが多く、一般住宅では屋根の形状などによって施工できないこともありますので、遮熱シートを使用したい場合は事前に対応できる業者を探して確認することが大切です。
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屋根裏に換気口を設置する
屋根裏の換気を良くすることで、熱がこもらないようにすることができます。屋根裏に換気口を設置し、空気の流れを確保することで、熱気を外に逃がすことができます。換気システムを導入することで、屋根裏の温度を下げ、室内の快適性を向上させることが可能です。自然換気だけでなく、機械換気を併用する方法も効果的です。屋根裏の換気に関しては新築時にしっかりと計算されて設置されているかとは思いますが、適切な換気が行えているかも踏まえて一度業者に相談してみるといいですよ。
定期的な屋根点検とメンテナンス
断熱材や遮熱塗料によって屋根からの暑さを防ぐことはできますが、そのまま放置することで、雨漏りや害虫の侵入によって効果が半減してしまうこともあります。せっかく屋根の暑さ対策を行ったのですから、その時だけではなくずっと効果のあるものにしていきたいですよね。そのためには、やはり定期的な屋根点検とメンテナンスは必須です。屋根の点検は年に一度、メンテナンスは耐久性が高いガルバリウム鋼板屋根でも劣化はするため15年に一度程度の頻度で実施できるように準備をしておきましょう。
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ガルバリウム鋼板屋根の適切なメンテナンス時期は?
耐久性に優れたガルバリウム鋼板屋根ですが、ノーメンテナンスで長持ちするわけではありません。長く美しく、機能的な状態を保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし具体的のどのタイミングでどんなメンテナンスをすればいいか分からない、という方も多いかと思います。そこでここでは、どのタイミングで点検・補修を検討すべきか、目安となる時期や注意点を解説していきます。
新築・リフォーム後10年目が最初のチェックポイント
ガルバリウム鋼板屋根は、一般的に耐用年数が20〜30年とされており、非常に長寿命な屋根材として知られています。しかし、経年による劣化は少しずつ進行していきます。特に施工から10年が経過すると、表面の塗膜が劣化しはじめ、色あせや細かいキズ、サビの前兆などが見られることがあります。このタイミングで一度、専門業者による屋根点検を行うのがおすすめです。異常が見つかれば部分的な補修や塗装によって劣化の進行を抑えることができ、屋根全体の寿命を延ばすことにもつながります。
塗装のメンテナンスは10〜15年が目安
ガルバリウム鋼板自体はサビに強い素材ですが、表面の塗装が劣化すると防水性が落ち、結果的に金属部分が傷みやすくなります。そのため、美観と防水性を保つために、10〜15年を目安に再塗装を検討するのが理想的です。とくに色あせやチョーキング(表面を触ると白い粉がつく現象)、塗膜の剥がれが見られる場合は、放置せず早めの塗装を行いましょう。定期的な塗装メンテナンスを行うことで、サビの発生を防ぎ、屋根全体を健全な状態で保つことができます。
台風や大雪の後は臨時点検を検討する
自然災害は、屋根の劣化を一気に進行させる要因になります。とくに金属屋根は飛来物によるへこみや傷が起こりやすく、表面に小さなダメージを受けていることもあります。また、大雪の場合は雪の重みで固定部分が緩んだり、継ぎ目から雨水が入り込む可能性もあります。目視で確認できる範囲に異常がなくても、念のため専門業者に点検を依頼すると安心です。災害後の臨時点検は、大きな修繕を未然に防ぐ予防策として非常に有効です。
まとめ
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