
みなさんは「外壁のふくれ」と聞いて何をイメージされますか? おそらくほとんどの方が「何のことか分からない」と答えるのではないかと思います。しかし外壁のふくれは、意外にも多くの住宅外壁に発生しているもので、外壁の劣化サインの一種でもあります。ふくれは外壁塗装部分に空気を含んだかのように膨らみを持ち、本来平らなはずの外壁にポコッとした凸面が発生します。見栄えが悪く外観美を損なうだけではなく、放置すると深刻な雨漏り被害を招く恐れもあります。今回はそんな外壁のふくれについて、発生する原因と見つけた場合の対処法について解説をしていきます。
外壁のふくれる原因とは?
冒頭では外壁のふくれが発生した際の見た目について少し触れましたが、その名前の通り内側に空気が入ったかのように膨らみを持つことから、ふくれと呼ばれています。遠くから見てもふくらんでいる様子が分かるため、比較的発見しやすい外壁の劣化サインではあります。ふくれの原因は大きく分けて「経年劣化によるもの」と「施工不良によるもの」の2種類があります。それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。
経年劣化によるもの
外壁は常に、雨風や紫外線にさらされています。そのためどんなに丁寧に掃除を行っていたとしても、必ず日々劣化していくものです。現在では外壁劣化に強い素材の物もありますが、やはり同様に必ず劣化はしていきます。外壁が劣化すると、外壁塗装表面が剥がれ落ち防水性能が低下します。防水性能が低下すると、そこから雨水が塗装内部に入り込んでいきます。本来水気がないはずの場所に雨水が入り込むことで、気温などにも左右されますが雨水による湿度により外壁が押し上げられ膨張します。これがふくれの発生原因となっています。
施工不良によるもの
施工を行う作業員のミスであったり、技量不足により発生してしまうこともあります。施工不良の場合は、下地の処理が不十分であったり、外壁材と塗料の相性が悪かったりなどの場合に十分に塗料が密着せず内部からふくれあがってしまうことがあります。これにより外壁のふくれが発生します。
外壁のふくれ、放置するとどうなるの?
住宅の外観美を損なうものの、「別に気にしない」「目立つ場所にできていないから修理はしなくてもいい」と考える方もいらっしゃるかと思います。しかし、外壁のふくれは放置してしまうと重大な二次被害につながることも少なくありません。ここでは外壁のふくれを放置すると、どんな二次被害が発生するかについて詳しく解説をしていきます。
外壁の性能が低下し、外壁がボロボロになる
外壁のふくれが発生している時点で、すでに外壁の性能が低下していることが明白です。気付いた時点で対処できれば被害も最小限に抑えることができますが、「ただの劣化で問題ない」と思っていらっしゃる方も多く、放置してしまう方は意外にも多いです。ふくれを放置してしまうと、他の部分にもたくさんのふくれが発生してしまうこともあります。またふくれの部分からクラック(ひび割れ)やコケなどの汚れが発生しやすくなります。初めは一ヵ所だけだったふくれも、このように様々な劣化を招き、最後には外壁をボロボロにしてしまう可能性があります。
雨漏りの原因になる
ふくれの部分から更にクラックなどが生じてしまった場合、クラック部分から雨水が室内側に入り込んでしまうことがあります。雨漏りの位置によっては、天井やクロスに雨漏りシミが発生することもありますし、壁の間など普通に生活している中で気付きにくい部分で雨漏りが発生していることもあります。雨漏りは放置すると、建物の主要構造部を腐らせてしまうこともあり大変危険です。
カビや害虫が発生する可能性がある
雨漏りに続いて発生する可能性が高いのが、カビや害虫です。カビはジメジメとした環境を好む傾向にあるため、雨漏りをした住宅などはカビにとって絶好の生息場所となります。カビは人間には見えない胞子を飛ばして繁殖範囲を広げていくため、空気に乗ってさまざまな場所にカビができてしまいます。また一度カビが発生すると根絶するのが難しく、何度も繰り返してしまうこともあります。カビは見栄えが悪いだけではなく、カビの胞子を人間が吸い込むことによってアレルギーなどの健康被害を招くこともあります。また、雨漏りをした木材などにはカビ以外にも害虫が付きやすくなります。シロアリはその代表で、気付かないうちに住宅の大切な木造部分を食い尽くしてしまいます。場所によっては床材が抜けてしまうこともあり、大変危険です。
外壁のふくれ、見つけた場合どうすればいい?

外壁のふくれを放置することで思いがけないトラブルを誘発する可能性がある、ということを知っていただけたかと思います。そのため外壁のふくれを見つけた場合には、出来る限りすぐに対処したいものですよね。DIYで直したいと考えている方も多いかと思いますが、オススメはやはりプロの外壁塗装業者に依頼することです。外壁のふくれの原因は経年劣化もしくは施工不良であると解説をしましたが、外壁修理はプロの知識・技術がどうしても必要になります。一時はDIYで直ったように見えたとしても、下地に問題があった場合や、すでに雨漏りなど他の場所に被害が広がっている場合は再度修理が必要になるため、結局は業者に依頼という形になることがほとんどです。ここでは外壁のふくれを見つけた際、どのように対処すればいいかを解説していきます。
プロの業者に現地調査・見積もりを依頼する
まず外壁のふくれを発見したら、プロの業者に現地調査と見積もり依頼を行いましょう。初めて依頼するという方であれば、できれば2~3社から見積もりをとるようにしましょう。外壁の劣化によるものであったり、既に雨漏りが発生している場合などは全体補修を行う、大掛かりな工事になることもあります。家の規模や外壁面積、使用塗料などにも左右されますが一般的な木造2階建て住宅であれば、全体補修にかかる金額は100万円前後と言われています。状況によってはもちろん100万円以下の場合もありますし、使用塗料や住宅の敷地条件などで運搬費がかかるなどの原因で100万円を大きく超えることもあります。一般的な人であれば自宅の外壁補修や塗装にかかる費用感は分かりにくいものです。そのため複数社から見積もりをとり、ある程度の費用相場を把握しておく必要があります。また相見積もりを取ることで、価格設定を破格に設定して契約後に追加費用を請求してくるような手口を使う悪徳業者や、態度が悪いなど不安を感じるような業者との契約を避けることにも役立ちます。
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全面補修の場合、完成後のイメージをはっきりさせておく
外壁全体の補修を行うとなった場合、全体の完成イメージを業者としっかり共有することが大切です。外壁塗装のよくある失敗が「イメージと違った」というものです。これは小さなサンプルを見て決めた方に多くありがちな失敗です。サンプルと実際の外壁は、面積が違うことから太陽の当たり方などで色の感じ方が違います。また色によっては目の錯覚が起きていることもあり、イメージと違うといった現象が起きてしまいます。せっかく高いお金を出して外壁のイメージを変えるのであれば、絶対に失敗はしたくないものですよね。住宅の写真などで理想の色味、質感に近いものがあればピックアップして業者と共有するなどして、カラーサンプルだけで決めてしまうということがないようにしましょう。
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支払い計画をしっかりと立てる
部分的な修理とは違い、外壁塗装やそのメンテナンスを行う際は、どうしても面積や職人に求められる技術力の関係で高額になりやすい傾向があります。そのため支払い計画がとても大切になります。見た目を美しくしたい目的と、建物の寿命を維持するために行う目的・・・さまざまかと思いますが、必要以上にオプションをつけすぎてしまうなどして支払いに困るということがないよう、工事を行う前にしっかりとした工事計画や支払い計画を立てておきましょう。また雨漏りなどが発生してしまって、急な出費に困っているという方はリフォームローンを検討するのもいいかもしれません。いざという時のために知っておくだけでも十分安心材料になりますので、支払いで悩んでいるという方は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
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まとめ
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