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外壁の素材を活かすクリア塗装とは? メリット&デメリットも解説!

お役立ちコラム

更新日:2025/01/09

日本の住宅ではサイディング外壁が用いられることが多く、全体の7割程度の方がサイディング外壁を戸建て住宅に採用しています。サイディング外壁は、レンガ調や木目調など、高額な素材を似せた外壁材で手軽に楽しむことができるため人気があります。しかし一点だけ気を付けなければいけないのが、サイディング外壁には外壁塗装が必要不可欠であるという点です。外壁を守るためには外壁塗装は大切ですが、「せっかくの素材を塗料で潰したくはない」という方も一定数いらっしゃいます。そんな方にオススメしたいのが、クリア塗装です。本記事では、サイディング外壁の素材を活かすクリア塗装について、その特徴やメリット&デメリットを詳しく解説していきます。

クリア塗装の解説に入る前に、まずは基本的な情報として、サイディング外壁に外壁塗装が必要な理由について触れていこうと思います。なぜ外壁塗装を行うことで外壁を守ることにつながるのか、意外と知られていない部分でもあります。お金を支払って行う工事であれば、工事を行う理由についてもしっかりと把握しておきたいものですよね。そのためここでは、サイディング外壁に外壁塗装が必要な理由について詳しく解説をしていきます。

サイディング外壁は優秀な外壁材ではあるものの、機能性の面では完ぺきではありません。そのため、サイディング外壁に外壁塗装を施すことで、外壁材の性能を高めて寿命を長く保ちます。外壁塗装は、防水性や耐候性、耐久性を高めることができ、住宅を守るうえで必要となる機能性を十分に補うことできます。

外壁塗装は機能性を高めるだけではなく、外壁材を劣化から守る役割もあります。外壁材を劣化から守ることで、劣化から発生する害虫被害や雨漏り被害から住宅を守ることもできるのです。外壁塗装を行っていない外壁材よりも、外壁塗装を行っている外壁材の方が寿命が長くなり、かつ長期的な目線で見るとメンテナンスにかかる費用も抑えることができます。

外壁は紫外線や雨風にさらされることで色あせや汚れが目立つようになります。塗装をすることで外観をきれいに保ち、建物全体の美観や価値を維持することができます。特にサイディングはカラーバリエーションが豊富なため、塗装によって好みの色合いに変更することも可能です。外壁をきれいな状態で維持しておくと、実際の築年数よりも築浅に見えたり、デザインがより美しく見えるメリットもあります。

サイディング外壁は、サイディングとサイディングの繋ぎ目を補填するために、コーキング材を流し込んで隙間を埋めていきます。そのため、おおよそ2mおきにコーキング材が繋ぎ目として出てくるような見栄えになります。このコーキング材は隙間を埋めるだけではなく、雨水や害虫の侵入を阻止したり、地震の際の衝撃吸収などの役割を担っている大切な部材のひとつです。しかしゴム状であることから、サイディング部分よりも早めに劣化してしまうデメリット面もあります。しかしコーキング材のうえから塗料を重ねることで、コーキング材が塗料に覆われ耐久性が向上します。コーキング材の劣化を食い止めるためにも、サイディング外壁の場合は外壁塗装は欠かせません。

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外壁の状態は建物の価値に直結します。塗装が劣化したままだと建物の見た目が悪くなり、資産価値も下がる可能性があります。一方、定期的に塗装を施して外観を整えることで、建物の資産価値を維持することができます。特に売却や貸出を検討している場合、外壁の状態は重要なポイントになります。今後住宅を売却する予定がある方、賃貸に出す予定がある方などにとっては、外観の見栄えも資産価値に響きますのでチェックしておきたい部分ですね。

冒頭でもご消化したクリア塗装は、色が付いていない透明な塗料で、外壁塗料として商品化されている塗料のことです。外壁塗料と聞くと色が付いた塗料をイメージされる方が多いかと思いますが、サイディング外壁の素材感を活かすためにクリア塗料を採用する方も一定数いらっしゃいます。では、そんなクリア塗料ですが、サイディング外壁に使うことで具体的にどんなメリットを得ることができるのでしょうか。

本記事のタイトルにもある通り、クリア塗料はサイディング外壁の繊細な素材感を活かすことができます。また色がない透明の塗料のため、サイディング外壁の絶妙な色味や素材をそのまま外壁に反映することができ、塗料によるイメージの違いや失敗を防ぐことができます。サイディング外壁にこだわって決めた、という方にとっては、サイディング外壁のこだわりをそのまま活かすことのできる塗料です。

通常の外壁塗装では、「上塗り」「中塗り」「下塗り」といった3段階の塗装が必要になります。またそれぞれしっかりとした乾燥時間を設けなければなりません。一方でクリア塗料であれば、塗装回数は2段階で済むため、その分の工期短縮や塗料費用を抑えることができます。一回分の塗装がないため、サイディング外壁の素材にある凹凸が埋まりにくく、サイディング外壁の素材を活かすことにも役立ちます。

クリア塗料を用いることで、サイディング外壁の素材に艶感をプラスすることができます。外壁の艶感は、高級感を出すことができますし、汚れを付着させにくくする効果もあります。そのためクリア塗料を使用することで、外壁に艶感を出しつつ、汚れにくい外壁にしてくれるのです。

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サイディング外壁の素材を活かしたい、と考えている方にとっては、クリア塗料はとてもいい塗料ということを知っていただけたのではないでしょうか。しかし、サイディング外壁にクリア塗料を用いることで生じるデメリットも存在します。メリット面だけではなくデメリット面もしっかりと確認してから、クリア塗料を採用するか検討することが大切です。ここでは、サイディング外壁にクリア塗料を使うことによるデメリットについても、併せて解説をしていきます。

新築時のサイディング外壁にクリア塗料を使う場合は問題ありませんが、外壁塗装のメンテナンスでクリア塗料を使う場合は注意が必要です。劣化が進んで「クラック(ひび割れ)」や「色あせ」などが発生している外壁材には、クリア塗料は向きません。クラックが発生しているのであれば、クラックを補修してからクリア塗料を行えばいいのではないか、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかしこの場合、補修した部分が丸見えになってしまうため、外壁に違和感が出てしまうことがあります。また、色あせが発生している場合は、クリア塗料を用いることで色あせがそのまま反映されてしまうため、せっかくメンテナンスをしても劣化した印象のまま残ってしまうことになります。こうした理由から、一般的には劣化が進んでいる外壁にはクリア塗料をオススメしていません。

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こちらもメンテナンス時に気を付けなければいけないのですが、既存の塗料とクリア塗料が相性の悪い塗料の場合は、クリア塗料を使用することができません。相性の悪い塗料としては、機能性の高い塗料があげられます。例えばフッ素塗料や無機塗料など、汚れが付きにくく高性能を売りにしているような塗料を使用している場合は、上からクリア塗料を重ねられないことがあるのです。詳しくは使用している製品のメーカーに確認する必要がありますが、高性能塗料を使用している場合は、基本的には上からクリア塗料を重ね塗りしないよう注意書きされていることが多いです。

クリア塗料は、金属系サイディング外壁には向かない塗料です。金属系サイディングは、シックでスタイリッシュな外観に見せてくれることから、近年人気のあるサイディング材のひとつではあるものの、金属系サイディングの表面の艶がクリア塗料と馴染みにくく、使うことはオススメできません。デザインのアクセントとして、一部分に金属系サイディングを用いる方も多いのですが、他の外壁部分にクリア塗料を使う場合は、違和感がでないよう全体のバランスを考える必要があります。

クリア塗装は基本的に透明な塗料で、外壁の素材感や模様を活かすことができますが、通常の塗料と比べて耐久性が低い場合があります。特に紫外線や雨風などにさらされることが多い外壁では、クリア塗装は色付き塗装に比べて劣化が早く進みやすいことがあります。そのため、定期的なメンテナンスや再塗装が必要になる可能性が高いです。クリア塗料を採用する場合は、塗料のグレードや性能にも着目して吟味して決める必要があります。

クリア塗装には、色付き塗料に比べて防水性や防汚性が低い製品も存在します。特に防水性を重視する場合、クリア塗装では十分に保護できないことがあり、外壁の劣化が進みやすくなる可能性があります。外壁の保護効果を重視する場合は、色付きの塗料や専用の防水塗料を選んだ方が良い場合もあります。素材を活かせる塗料である一方で、機能性の面では通常の塗料に比べやや劣るため注意しなければいけません。

クリア塗装は色をつけないため、外観を一新する効果が色付き塗装に比べて低く、費用対効果が低く感じることがあります。特に外壁が経年劣化している場合、クリア塗装では傷や汚れを隠すことができないため、見た目を重視する場合には不向きです。長期的に見て通常の塗料よりも出費や修理回数が増える可能性があることも、考慮して決める必要があります。またクリア塗料を採用する場合は、しっかりとメンテナンス計画を立てて、どのタイミングでメンテナンスを行うか、どの程度の出費になるか事前にある程度決めておくことも大切です。

クリア塗料を使用するかは、業者と相談したうえで既存外壁の状態を見て判断する必要があります。では、実際に外壁材にクリア塗料を使用するとなった場合、費用はどのくらいで、耐用年数はどの程度になるのでしょうか。クリア塗料を選ぶにあたり費用や耐用年数を知っておくことは大切ですので、最後にクリア塗料の費用相場と耐用年数について解説して終わります。

クリア塗料にもグレードが存在し、グレードによって費用相場が変わります。一般的な中間グレードとされる「ウレタン系」や「シリコン系」のクリア塗料を用いた場合、費用相場は1㎡あたり1,500円~3,500円程度です。業者の仕入れ状況や、使用する塗料の種類によっても費用は変わってくるため、費用を抑えたいという方は中間グレードの中でも比較的安く済ませることができるウレタン系がオススメです。シリコン系はウレタン系よりもやや単価が高い傾向にあるため、耐用年数も費用に比例して長くなります。上グレードがいいという方であれば、「フッ素系」や「無機系」などのクリア塗料を選ぶことでより長持ちします。ただし費用もその分高くなり、上グレード塗料の場合は1㎡あたり3,500円~5,500円が相場となります。

どの種類のクリア塗料を使用しているかにより耐用年数は変わりますが、中間グレードの塗料を使用している場合は7年~15 年程度が、耐用年数の一般的な平均値となります。もちろん塗料によって、同じ中間グレードでも耐用年数が変わるため、塗料を決める際には耐用年数もよく見ておくようにしましょう。先ほどご紹介した上グレード塗料では、耐用年数は更に長くなり15年~25年ほど持つとされています。上グレード塗料は初期費用が高くなる分、長期的な目線で見るとメンテナンスコストが削減できるため、どちらを選ぶかは予算やメンテナンスコストの面から判断するようにしましょう。

クリア塗料の耐用年数に沿ってメンテナンスを計画する方が多いですが、塗料がその通りの劣化をするかどうかは実際のところ分かりません。潮風の影響を受けやすい沿岸部の近くに家があったり、外壁が汚れやすい高速道路の近くに家があるなどの環境的要因によって、通常よりもクリア塗料の劣化が早まることは十分にあり得ます。また、劣化してから修理するのでは、修理範囲が広くなってしまい経済的な負担を強いられてしまうこともあります。このような事態を避けるためには、クリア塗料を使用する場合は、プロの業者による年に一度の点検を実施するようにしましょう。短いスパンで点検を行っていくことで、いち早く外壁の劣化やトラブルに対応できるようになり、また万が一雨漏りが発生していても被害を最小限に抑えることができるようになります。耐用年数が短い塗料では、点検の頻度を増やすなどの工夫が必要です。

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