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外壁塗装は艶ありと艶消し、違いはなに? それぞれどんな人にオススメ?

お役立ちコラム

更新日:2024/05/15

外壁塗装では塗料の種類にも様々なものがありますが、その仕上げ法も実は複数の種類があります。塗料をハイグレードなものを選んだとしても、仕上げのイメージや違いを把握しておかないと、「思っていた外観と違う」「期待していた塗料の機能が発揮されない」なんて事態に陥ることもあります。今回は外壁塗装の種類の解説と、艶あり艶消しの違いについて詳しく解説をしていきます。また目的別にオススメの仕上げ方法もお伝えしていますので、外壁塗料の仕上げについてお悩みだという方は是非参考にしてみてくださいね。

外壁塗料の種類は主に4種類!

一般的な戸建て住宅に使われている外壁塗料の種類は、主に「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」の4種類となっております。まずは簡単にそれぞれの外壁塗料の特徴について解説をしていきます。もう既に外壁塗料は選んだ、あるいは知っているという方は飛ばして次のトピックスに進んでいただいても大丈夫です。外壁塗料の種類を知っておきたいという方は、このまま一緒に確認していきましょう。

アクリル塗料

アクリル塗料は、アクリル樹脂を主成分として作られたプラスチック素材の塗料です。1950年頃から登場しましたが、現在では多くの塗料が開発され発売されているため、使われる機会は減りました。アクリル塗料のメリットは費用や安く、扱いやすい塗料であるという点です。DIYなどでも使われることが多いため、商品展開も豊富です。艶ありや艶消しの仕上げ方法も段階的に選べるため、デザインに応じて好みの仕上がりを選ぶことができます。デメリットは耐用年数が10年以下と言われており、紫外線に弱く耐久性に劣る点です。そのため住宅の外壁塗料としては耐候性が弱く、長期的に見てもメンテナンスの手間がかかります。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、ウレタン樹脂を主成分とする合成樹脂塗料で、化学反応によって生成される高分子化合物です。塗膜に弾性の性質を持つため、外壁の劣化の際に起きやすいひび割れのリスクを防ぐことができます。また施工場所を選ばないため、様々な場所や用途で使用されています。例としては自転車やバイク、木材の製品、フローリングなどです。ウレタン塗料は価格が安い塗料ですが、仕上がりに高級感を出すことができるため、コストパフォーマンスが高い塗料のひとつでもあります。艶ありから艶消しまで段階的に仕上げを選べる点も、外壁にこだわりたい方にとって嬉しいポイントです。しかし耐用年数10年程度と短いうえに、紫外線に弱い特徴があるため、長期的に見ると複数回のメンテナンスの手間が発生します。

シリコン塗料

シリコン塗料は、外壁塗料の中でも中間グレードに位置しながら耐用年数は10~15年と長く、また費用も比較的安いことから、コストパフォーマンスのいい塗料として知られています。そのため新築の他にも、メンテナンスのタイミングの住宅など築年数に関係なく人気のある塗料で、商品のラインナップも豊富です。耐熱性や耐候性に優れており、雨漏りもしにくい塗料です。しかし艶ありの仕上げが多く、艶消しのない商品もあります。マット系がお好みの方は好みの外観にならない可能性もあるため、選ぶ際に注意が必要です。

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フッ素塗料

フッ素塗料は、高級グレードの塗料として知られており、大規模な邸宅や公共施設、商業施設などに私用されています。フッ素塗料の最大のメリットは、耐久性の長さです。年数は15~20年と一般的に使われている塗料の中でも長く、耐候性にも優れていることから、長期的な目線で見てもメンテナンスの負担を減らすことができます。仕上げは一般的には艶あり仕上げとなり、シリコン塗料と同様好みが別れます。また費用が中間グレードのシリコン塗料から更に1.5~1.6倍ほど高くなるため、高い予算が必要になります。

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外壁塗料の種類を知っていただくついでに、ぜひ知っておいていただきたい塗料のひとつとして「クリア(クリヤ)塗料」というものが存在します。普通の塗料と違うのは、色がついていない透明な塗料という点です。外壁塗装で色を付けたくないけれど艶を出したい、という方などにオススメな塗料ですので、ここではクリア塗料についても解説をしていきます。

クリア塗料の最大のメリットは、塗料に色が付いていないため外壁材の柄や色などをそのまま活かすことができる点です。せっかく色や柄にこだわって外壁材を選んでも、色付きの塗料を上から重ねてしまうことで、思っていた仕上がりと違って見えてしまうということは実はよくある失敗例です。そのためクリア塗料を選ぶことで、外壁材を見たままのイメージで仕上げることができます。その他のメリットとしては、工期が色付きの塗料と比べて短い、外壁材だけでは補いきれない艶感を出すことができるという点です。色付きの塗料では3回に分けて塗料を塗布していきますが、クリア塗料の場合は2回で済むため工期が1~2日短縮できます。また新築住宅などで選んだ外壁材に艶感が欲しい場合などにも、クリア塗料は役立ちます。

クリア塗料が向いている人は、外壁材の素材感を活かしたい人、外壁材の色をそのまま活かしたい人、外壁に艶感が欲しい人が向いていると言えます。求めている仕上がりイメージによって使うべき塗料は変わってくるため、よく検討する必要はありますが、色がつかない分失敗が少ない塗料とも言えます。色付き塗料では色選びで失敗してしまう方も多いため、そうした外壁塗装の失敗を回避することもできます。また外壁の雰囲気を変えずに外壁の性能を強化したい、雨漏りや劣化を予防したいという人にも向いています。色付き塗料と比べて施工費用も安くなるため、メンテナンスの際に低予算で外壁塗装を実施したい方などにも人気があります。

クリア塗料を施工する際には、クリア塗料の特徴をふまえたうえで、いくつか事前に確認しておかなければいけないこともあります。まず一点目としては、劣化が進んでいる外壁には使えないという点です。透明な塗料ですので、劣化している部分がそのまま浮き出てしまう可能性があります。そのため、一度外壁材の修理を行ってからクリア塗料を施工しなければいけません。大きな劣化はなく色あせの修繕だけを行いたい場合は、色付き塗料の方が仕上がりがきれいに見えることもあります。二点目は、相性の悪い塗料があるという点です。フッ素塗料や無機塗料など相性が悪いとされている塗料が既に塗布してある場合には、一度剥がす作業が必要になるため、コストパフォーマンスがあまりよくありません。最後は、クリア塗料が施工できない外壁材があるという点です。具体的には金属サイディング系の外壁材には不向きで、仮に施工してもすぐ剥がれてしまったり、ムラができてしまう可能性が高まるため注意が必要です。

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外壁塗料の艶の種類はどんなものがある?

上記では基本となる外壁塗料の種類について解説をしてきましたが、ここからは本題となる外壁仕上げの艶について解説をしていきます。本記事では、艶あり、艶消しといった表現をしていますが、実際にはもう少し艶の種類が枝分かれしています。違いがいまいち分からないという方も多いかと思いますので、細分化されている艶の種類について具体的にお話をしていきます。

艶消し(艶なし)

メーカーによって艶消し、艶なしと呼び方が違っていることがありますが、ほとんど同じ仕上がりになるとイメージしていただいて問題ありません。艶消しはその文字の通り、仕上がりに艶がなくマットな仕上がりになります。艶は外壁に反射する光の加減によってイメージが変わりますが、艶消し仕上げの場合、外壁が光を拡散させ反射させないように加工していることから、実際には対象の反射はあるものの、人の目から艶がないように見えます。

3分艶

3分艶は、艶が一番控えめで艶有の中でも艶消しに近い仕上がりになります。艶の加減は光の反射率を示した光沢度によって測ることができますが、3分艶は光沢度が100あるうちの15程度となっています。基準値には厳密な規定がありませんが、一般的な3分艶の区分けは10%~25%の範囲です。艶の光沢度が強いほど、外壁はツルツルとした仕上げになるため汚れが付きにくくなります。そのため3分艶はマット系の落ち着いた雰囲気を持ちながらも、他の艶には劣りますが、外壁に付いた汚れを落とす性質があります。

5分艶(半艶)

5分艶は半艶とも呼ばれ、艶消しと艶ありのちょうど中間に位置しています。ほどよい艶加減に落ち着いた雰囲気が出るため、仕上がりが上品に見えます。光沢度は35程度と言われており、艶が出すぎず他の部材などともきれいに馴染む艶加減です。5分艶の区分けは25%~50%の範囲です。

7分艶

7分艶は、光沢度が60程度と5分艶と比べると、見た目にも艶があるのが分かるようになります。艶により汚れが付きにくく、耐候性に優れていることから、外壁を長い期間きれいに保ちたいという方に人気です。7分艶の区分けは50%~70%の範囲内です。7分艶でも控えめな光沢度のものは上品に、高い光沢度のものはハッキリと艶が出て汚れがより付きにくくなります。

艶あり

艶ありは、光沢度が70を超えるものが一般的には分類されています。艶消しと比べると光沢度が高いことは一目瞭然ですが、外観がかなり光を反射するため、人の目から見てもパッと明るく見えます。また耐候性の面でも一番優れている仕上げとなるため、汚れが気になるという方は艶ありを選ばれる方がとても多いです。

艶消し艶あり、それぞれオススメな人は?

一言で艶と言っても、さまざまな仕上げの種類があるということを知っていただけたのではないでしょうか。しかし実際に見てもどんな建築デザインに合うのか、どんな人にオススメなのか、分かりにくい部分がありますよね。外壁の艶加工でどれを選べばいいか分からない、と言う方に向けて、ここでは艶の光沢度に応じたオススメの選び方を記載しています。是非参考にしてみてくださいね。

和風建築やクールな外観が好きな方

和風建築や暗めの色でまとめたクールな印象の外観がお好きな方であれば、「艶消し」「3分艶」がオススメです。艶消しは艶ありと比べて汚れが付きやすいデメリット面がありますが、仕上がりは引き締まった印象になり、選ばれる方が少ないため周囲の住宅とデザインに差を付けることができます。艶消しだと汚れが気になるけれどマットに近い仕上がりにしたいという方は、3分艶もオススメです。艶消しよりは光沢がありますが、目立つほどではなく、汚れも艶消しよりも付きにくいため、マット系仕上げに近づけたい方に人気です。

特徴が強く出ない上品な仕上がりが好きな方

艶消しや艶ありだとどちらも極端すぎて選べない、仕上げの特徴が顕著に出ている仕上がりは苦手だけど上品なイメージは崩したくない、と言う方であれば「5分艶」がオススメです。艶けしと艶ありの中間にあり、マットすぎたりツヤツヤすぎたりといった極端な特徴も出にくいです。またほどよい艶加減で上品な仕上がりにもなり、艶ありほど強くはありませんが汚れの付きにくさも発揮します。

洋風建築や艶感がある外観が好きな方

洋風建築や見た目に艶感のある外観がお好きな方は、「7分艶」「艶あり」がオススメです。この2つの仕上げは全体的に見ても艶感が強く、得に晴れている日はキラキラときれいに光を反射してくれます。その見た目の特徴から明るい色彩が多い洋風建築や、高級感のあるデザインの住宅に人気です。特に汚れが付着しにくいという点から、外観を長い期間きれいに保ってくれる効果があります。

艶あり仕上げでもメンテナンスは必須!

外観をきれいに見せてくれるのなら、外壁塗料のグレードを落として艶ありにすれば、メンテナンスの手間が減るのではないか? と思われた方もいらっしゃるかと思います。しかし実際には艶の強度に関係なく、使用している外壁塗料に応じたメンテナンス期間でメンテナンスを行っていく必要があります。外壁に付着した汚れが劣化の要因になることはありますが、外壁の劣化の原因は汚れ以外にもたくさんあります。そのためプロの目線から見てメンテナンスを行うことが、外壁を美しく長く保つためには必要なことです。

外壁の汚れや劣化を放置するのは危険

つい見過ごされてしまいがちな外壁の汚れや劣化ですが、放置することで時に住人の命に関わるトラブルにつながることもあります。外壁の汚れや劣化は、外壁の防水性能や機能が劣化していることの現れです。そのため通常の状態よりも天候の影響を受けやすい状態にあります。特に危険なのが雨漏りです。劣化したことにより外壁に大きなクラック(ひび割れ)などがあると、そこから雨水が建物内に侵入してしまい、家を守る上で大切な役割である柱や梁などといった構造部に影響を与えてしまうことがあります。現に国内でも倉庫の雨漏りに気付かず放置してしまい、倉庫の屋根が崩落し人が亡くなってしまうといった被害も起きています。そのため外壁の汚れや劣化を発見したら、早急にプロの業者にメンテナンスをしてもらう必要があります。

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外壁の劣化を放置するとどうなる? 劣化のサインは自分で分かる?
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外壁塗装のメンテナンスは10年に一度

一般的に外壁塗装のメンテナンスは10年に一度行うのがオススメです。アクリル塗料やウレタン塗料など、耐用年数が短い外壁塗料の場合は更に短いスパンの5年~7年に一度、メンテナンスの機会を設けておくのが望ましいです。沿岸部や強風を受けやすい立地、豪雪地帯や台風の多い地域など、お住まいの地域によっては、天候により外壁がダメージを受けやすく劣化が進んでしまいやすい環境の場合もあります。そのためメンテナンスはお住まいの地域の特性も踏まえ、雨漏りなどのトラブルが発生する前に行うようにしましょう。また外壁塗料を依頼する際には、依頼する業者にも注意をしましょう。施工不良が起きてしまうと最悪の場合、その場所から雨漏りを引き起こすこともあります。以下の記事では外壁塗装を依頼する前に注意するべき点をまとめていますので、これからメンテナンスを考えているという方は是非参考にしてみてくださいね。

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外壁塗装に資格は必要? 依頼する前に一度確認を!
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外壁塗装のメンテナンスは10年に一度行っていくのが望ましいですが、さらに行っていただくといいのが年に一度程度の定期点検です。定期点検では、外壁の劣化症状がないかや、雨漏りにつながりそうな場所などを確認し、住宅の状況に応じたメンテナンスのタイミングを計画するのに役立ちます。「そんなに頻繁に点検しなくてもいいのではないか」と思われる方も多いのですが、外壁は常に紫外線や雨風にさらされているため、日々劣化していきます。そのため10年に一度のメンテナンスだけでは足りない場合もあり、10年を迎える前に雨漏りを引き起こしてしまうこともあります。これは新築住宅においても同様で、雨漏りを完全に防いでいくためにはプロの業者による年に一度程度のメンテナンスが重要となります。外壁の点検を行う際には、屋根の点検も同時に行っておくと、より雨漏り予防に役立つためオススメですよ。

◎合わせて読みたい記事!
屋根の点検費用はどのくらい? 点検が必要な理由ってなに?
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まとめ

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