冬は外壁の劣化が止まると思われがちですが、実際には寒暖差や凍結の影響で外壁は少しずつ傷んでいきます。特に寒暖差の激しい地域では、日中と夜間の気温差や凍結と解凍の繰り返しによって、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、コーキングの劣化が進むことがあります。コーキングの劣化などの小さな変化は目に見えにくいため、気づかないうちに外壁の内部構造まで損傷が広がってしまうことも少なくありません。早めに外壁の劣化を発見し、対処することが大切です。そこで今回の記事では、冬でも進行する外壁の劣化のメカニズムと、寒暖差が招く外壁の劣化のサインを詳しく解説していきます。
寒暖差が外壁に与える影響とは?

冬は外気と日差しの温度差が大きく、外壁にかかる負荷は目に見えない部分でも少しずつ蓄積されます。寒暖差による膨張・収縮は、外壁の寿命に関わるさまざまな部分に影響してきます。では実際に、寒暖差が発生すると外壁にどのように影響を与えるのでしょうか。ここでは、寒暖差によって外壁が受ける影響について解説していきます。
気温差による外壁の膨張と収縮
外壁は日中の暖かさで材料が膨張し、夜間の冷えで収縮します。この膨張と収縮が何度も繰り返されると、外壁材や塗装に微細なストレスが蓄積されます。例えば、モルタル外壁ではわずかな膨張・収縮が亀裂やクラックの原因となり、サイディング材では板と板の接合部分に隙間が生じやすくなります。寒暖差が大きい地域では、日中と夜間の温度差が10〜15度以上になることもあり、この温度変化による応力は年間を通して外壁に繰り返し負荷を与えます。材料の膨張係数によって影響の度合いも異なるため、材質によって劣化の出方が変わるのも特徴です。
凍結と解凍の繰り返しが引き起こすひび割れ
冬の寒冷な夜間に外壁に浸入した水分が凍ると、氷の体積膨張によって外壁内部に圧力がかかります。日中に解凍されると氷は水に戻り、圧力はなくなりますが、この凍結と解凍の繰り返しが何度も起こることで、微小なひび割れが少しずつ広がります。モルタルやコンクリートの外壁では、この凍結膨張の影響が特に顕著で、ひび割れの発生や既存クラックの拡大につながります。また、サイディング材の場合も、板の目地や接合部分に水分が入り込むと、凍結による膨張で隙間やズレが生じやすくなります。外壁のひび割れや隙間のズレなどの現象は、被害が大きくなるまで目に見えにくく、知らぬ間に外壁全体の耐久性に影響を及ぼします。
塗装やコーティングの剥がれや浮き
外壁塗装は、寒暖差に伴う膨張と収縮を繰り返すことで、塗膜に微細な負荷がかかります。この負荷が蓄積すると、塗膜と外壁材の接着力が徐々に弱まり、塗装の浮きや剥がれが発生します。塗料の劣化状況によっては、色あせのように見えることもあります。外壁の塗料は外壁を紫外線や雨水などから守る働きがありますが、外壁の塗膜が剥がれてしまうと、剥がれた塗膜部分から水分が浸入しやすくなってしまい、やがて塗膜そのものの光沢や防水性の低下にもつながります。特に古い外壁や塗膜の厚みが薄くなった部分では、寒暖差による膨張収縮の影響が強く現れ、剥がれや小さな亀裂が広がりやすくなるのが特徴です。塗膜の膨張や収縮は、塗料の種類や施工時の下地処理の状態によっても影響の出方が異なります。
水分の侵入による内部劣化
寒暖差によって生じたひび割れや塗膜の浮き部分から水分が外壁内部に入り込むと、外壁材や断熱材、木材部分に物理的なダメージが蓄積されます。例えば、凍結による膨張の圧力が内部の水分と結びつくことで、外壁内部で微細な亀裂が広がることがあります。また、湿気が長時間残ると、モルタルの中性化や木材の含水率変化が起こりやすくなり、構造材や接着部の耐久性にも影響を与えます。寒暖差が激しい冬は、こうした内部損傷が目に見えない形で進行するため、外壁の見た目だけでは劣化の進行度を把握しにくくなるのが特徴です。
冬に注意して見ておきたい外壁の劣化サインとは?

冬は気温の低下や寒暖差、凍結など、外壁にさまざまな負荷がかかりやすい季節です。外壁は一見変化がなくても、目に見えないところで劣化が進んでいます。寒暖差の影響で膨張や収縮を繰り返すうちに、ひび割れや塗装の変化、コーキングの劣化などのサインが現れます。これらの劣化サインを見逃すと、後々大きな損傷につながることがあります。ここでは、特に冬の今の時期に注意して確認しておきたい外壁の劣化サインを詳しく解説していきます。
小さなひび割れやクラック
外壁に小さなひび割れやクラックが出るのは、先ほども解説したように冬の寒暖差や凍結・解凍による外壁の膨張収縮が原因です。モルタル外壁では0.5mm以下の微細なクラックでも注意して観察し、必要に応じて修理する必要があります。サイディング外壁の場合は、コーキング部分のひび割れにも注意して観察しておきましょう。見た目では小さなひび割れでも、奥深く亀裂が入ってしまっていたなんてケースも実際にはあります。自分で判断が難しい場合は、クラックを見つけた際に業者に相談しておくと安心ですよ。
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塗装の変色や粉吹き現象(チョーキング現象)
外壁塗装が寒暖差や湿度の変化によって劣化すると、表面が白っぽく粉を吹いたように見えるチョーキング現象が現れます。これは塗膜の表面が劣化して顔料や樹脂が浮き出る状態で、防水性や耐久性の低下を示すサインです。冬の乾燥や霜によって塗膜が硬化しやすくなると、ひび割れや小さな剥がれも同時に発生することがあります。手で軽く触って粉がつくかどうか確認するのが一般的なチェック方法で、外壁全体の劣化進行度を把握する目安になります。プロの業者も実際に外壁の点検をする際には、外壁に触れてチョーキング現象が発生していないかを確認します。高所作業も伴わず行えるチェック方法ですので、晴れている日に外壁に手を触れて観察してみましょう。特に屋根からの水滴や軒先に近い壁、日陰部分では塗装の変色や粉吹きが顕著に現れることがありますので、注意深く確認しておきましょう。
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コーキング部分の劣化や亀裂
外壁の窓枠や板継ぎ目にあるコーキングは、温度変化や外壁の動きに追従する柔軟性が求められます。しかし冬の寒暖差が激しい時期は、コーキングが硬化してひび割れや剥がれが発生しやすくなります。小さな亀裂でもそこから水分が入り込むことで、外壁材に微細な損傷を与える場合があります。特に北側や日陰の窓まわり、外壁の凹凸部分、雨樋付近は劣化が早く現れる傾向があります。亀裂が発生すると見た目ではわかりにくくても、触るとゴムの弾力が失われ硬くなっていることがあります。こうした冬のコーキング劣化は、外壁全体の動きや水の流れを考えながら観察することが重要です。
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表面のカビや苔の発生
冬でも湿気が多く日当たりが悪い場所では、外壁表面にカビや苔が発生することがあります。特に軒下、北側の壁、雨樋の近くなど水が滞留しやすい部分は要注意です。カビや苔は外壁材そのものを直接壊すわけではありませんが、湿気を蓄えることで外壁内部に水分が入りやすくなり、凍結によるひび割れや塗膜膨れの原因となることがあります。色の変化や微細な苔の芽のようなものも、冬の間に注意深く観察することで外壁の劣化傾向を把握する手がかりになります。
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冬に見つけた外壁劣化トラブルはいつ解決すべき?

外壁のメンテナンスは一般的に、気温や湿度が安定している秋に行うのが理想とされています。塗装やコーキングの乾燥が早く、作業条件が安定するため、仕上がりの品質も高くなりやすいからです。しかし、冬にしか気づけないトラブルや、雨漏りやひび割れなど生活に影響する問題が発生した場合は、季節にこだわらず早めの対応が重要です。ここでは、冬に外壁トラブルが見つかった場合にすぐに修理すべきかどうかの判断ポイントや、冬でも修理をした方がいいケースについて解説していきます。
基本は秋のメンテナンスが最適
秋は気温が15〜25℃程度で湿度も安定し、塗装やコーキングが乾燥しやすい条件が整うため、外壁全体の大規模なメンテナンスには最適です。温度や湿度が安定していることで、塗料の硬化が均一になり、仕上がりのムラや塗膜の剥がれを防ぎやすくなります。また、施工中に凍結のリスクも少なく、塗装面やコーキング材の定着がスムーズに進むため、耐久性や防水性を長期間維持しやすいという利点もあります。外壁材の種類や状態にかかわらず、秋に施工することで、外壁全体の寿命を延ばす効果が高まるのが一般的な理由です。
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冬でも対応が必要なケース
冬でも対応を検討すべきケースは、雨漏りや外壁のひび割れ、コーキングの剥がれなど、建物の安全性や生活に直接影響するトラブルが発生した場合です。例えば、外壁のひび割れから雨水が浸入し、夜間の凍結で亀裂が広がる場合や、窓まわりや屋根の取り合い部分で水が漏れている場合は、寒さや凍結の影響があっても対応が必要です。これらのトラブルは放置すると、内部構造や断熱材、木材部分にまで影響が及ぶ可能性があるため、冬でも早めに修理する判断が求められます。冬は施工条件がやや厳しいものの、低温対応型の塗料やコーキング材を使用することで修理や補修は十分可能です。
冬に施工する際のポイント
冬に外壁の補修や塗装を行う場合は、施工方法や材料選びに工夫が必要です。寒冷下でも硬化する低温対応型の塗料やコーキング材を使用することで、施工品質を維持できます。また、作業前には外壁表面の水分や氷をしっかり取り除き、気温が比較的安定している日を選ぶことが重要です。施工中や乾燥時間を確保することで、塗膜やコーキング材が正しく定着し、防水性や耐久性を確保できます。さらに、作業範囲や方法を調整し、部分補修や小規模修理を優先的に行うことで、冬でも安全かつ確実に対応できます。
トラブルの緊急度を見極める
外壁トラブルの対応時期は、問題の緊急度で判断することが大切です。例えば、塗装の色褪せや粉吹き程度であれば、秋まで待つ選択も可能です。しかし、雨漏り、外壁の膨れ、コーキングの大きな亀裂、ひび割れからの水の浸入などは、冬でも早めに対応すべきサインです。特に凍結のリスクがある箇所や、水が入りやすい北側の壁は、冬に発見された場合でも放置せず、施工可能な方法で補修することが重要です。トラブルの範囲や影響度を確認し、必要に応じて専門業者に相談することが、建物の安全性や住環境を守るための判断基準になります。
まとめ
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