
自宅を雨風などから守ってくれる役割のある「外壁」ですが、普段からその存在を意識しているという方は少ないかと思います。お手洗いやキッチンなど、毎日利用する室内の設備については不調があるとすぐに気付き修理を依頼することもできますが、外壁は不調そのものに気付くのが遅れがちになってしまいます。そのため雨漏りなど被害が深刻になってから気付き慌てて修理を依頼する、といったケースが多く見受けられます。
外壁に限ったことではありませんがどんな物も早い段階で異変に気付くことができれば、被害が大きくなる前に修理をすることができ、また修理費用も安く済みます。今まで外壁の劣化のサインについてまとめて解説をすることが多くありましたが、今回はその中のでも最も初期段階で現れるサインのひとつ「チョーキング」について詳しく解説していきます。
チョーキング(白亜化)現象ってなに?
外壁が劣化することにより、塗料に含まれている顔料が白いチョークの粉のようになって表面に露出することをチョーキング(白亜化)現象いいます。目で見るだけでは分かりにくく汚れと区別しにくいため、実際に外壁の何カ所かを手で触れて、手に白い顔料(外壁によっては白ではない場合もあります)がついているかで誰でも簡単にチョーキングを確認することができます。
中には顔料が使われていない塗料の場合もありますので、必ずしもすべての住宅で確認できるわけではありませんが、ほとんどの住宅では顔料が含まれた塗料が使われています。また白に近い塗料の方がチョーキング現象が発生やすいため、住宅の立地環境などにもよりますが濃い色が使われた外壁よりも発生頻度が高い傾向にあります。チョーキング現象の原因は、主に外壁の劣化です。外壁は住宅を守るために常に雨や風、また紫外線などにさらされています。
特に紫外線などは目に見えず直接的な影響を感じにくいため普段意識することはありませんが、実は外壁にとっては劣化のスピードを早めてしまう原因のひとつです。その分陽当たりのいい外壁面は、そうでない外壁面と比べチョーキング現象が起きやすい部分でもあります。このように新築時は綺麗な外壁でも、住んでいるだけで着実に外壁は劣化していきます。
外壁のチョーキングを放置するとどうなる?

チョーキング現象が起きたからといって今すぐに大きな問題に発展するようにことはなく、ほとんどの場合様子見でも問題ないことが多いです。しかし確実な外壁の劣化サインであることは間違いありません。チョーキング現象が発生しているということは外壁からの「あなたの家の外壁は性能が落ちていますよ」「劣化が進んできていますよ」というサインでもあります。
そのため問題ないからと放置し続けてしまうと、気付いた時には手遅れになってしまうこともあります。では実際にどんなことが起きるのでしょうか。放置することで起きてしまう可能性のある被害を一緒に確認していきましょう。
①雨漏りを引き起こす
外壁の性能が落ちているということは、外壁のバリア機能が低下して雨水が侵入しやすい状態になっています。一度浸水を許してしまえばその部分が勝手に直ることはなく、雨が降る度にどんどん雨水が浸透していってしまいます。住宅にとって雨水の浸水は時に安全を脅かすものともなりえます。雨漏りで被害が大きくなるのは木造のイメージですが、これはRC(鉄筋コンクリート)造などでも同様です。
外壁から浸水してしまった雨水は、住宅の構造部分である柱や基礎、また屋根などを腐らせてしまったり、室内側へ雨漏りしてしまいクロスや家具家電などに被害が及んでしまう場合もあります。また雨漏りの場所によっては電気系統のトラブルを引き起こしてしまったり、時に漏電を起こす場合もあります。漏電に気付かずコンセントなどを触れてしまった場合感電する可能性も高く、非常に危険です。
②外壁に汚れ(カビ・コケ・藻)が発生する
雨水を守る機能が落ちている外壁は、雨水を吸収しやすくなってしまいます。そのため水はけが悪く、外壁にカビ・コケ・藻などが発生してしまうことがあります。これらは多湿な場所を好むため、バルコニーの下や地面に近い場所などに多く発生します。コケや藻などは緑色であるため外観の美しさも損なわれてしまいます。
また「お風呂場にカビが生えてしまってなかなか落ちない」という経験をされたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、それは外壁も同様です。長時間放置してしまうと完全に除去することが難しくなってしまいます。
③外壁が剝がれ落ちる
外壁の内側に水分を含んでしまうことにより、外壁が内側からふくれてしまったり、もろくなった外壁が剥がれ落ちてしまうなどといったことが起きやすくなります。
基本的には経年劣化により引き起こされるものですが、紫外線が強い地域や台風が多い地域などでは更に劣化のスピードが早まります。また外壁が剥がれ落ちることにより、その部分から更に雨水が入り込みやすくなり、内側まで浸透してしまい雨漏り被害につながるといったケースもあります。
④クラックを誘発する
上記の様々な要因が複合的に組み合わさることで雨漏りが発生すると、建物の基礎部分や外壁などがダメージを負い、それによりクラックと呼ばれるひび割れが外壁に生じることがあります。
クラックは地震の揺れや経年劣化が原因で発生しますが、このようにチョーキング現象から雨漏り被害、そしてクラックの発生と段階的に被害が大きくなってしまうことがあります。クラックについては以下の記事でもご紹介しておりますので是非ご覧ください。
◎合わせて読みたい記事!
外壁にクラックが発生する原因とは? 見つけた場合どうすればいい?
https://www.elife-home.net/column/crack-2/.html
チョーキングに気付いたらメンテナンスの計画を!
記事内でも少し触れましたが、チョーキング現象は今すぐ修理をしなければならないというサインではありません。そのためまずは慌てず、チョーキング現象の他に何か劣化サインが出ていないかなどを確認するようにしましょう。またチョーキング現象の発生は外壁の性能が落ち始めているということですので、メンテナンスの時期を考え始めるいい機会です。
放置してしまうことで悪化してしまう可能性がありますので「異変が起きるまで様子を見る」ということはおすすめできませんが、急いで修理する必要がないということは「メンテナンスの計画を立て検討する時間が十分にある」ということです。外壁のメンテナンスは家全体で見ても高額になりやすく、足場を組むとなれば更に追加費用がかかります。
足場を組むメンテナンスは屋根も該当するため、どうせなら一緒にやってしまった方が一度に出る金額は大きくても、再度足場代を出す必要がないため全体的に見れば経済的です。このように外壁のメンテナンスを考えるにあたってその他の部分のメンテナンスを一緒に計画する事もでき、また雨漏りなど目に見えて生活が脅かされるような被害が出ていない場合、見積もりを複数社に依頼したり吟味したりと焦らずしっかり業者を見極めることもできます。
まとめ
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