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軒なし住宅は後悔する? 雨漏りしやすいって本当?

お役立ちコラム

流行りのファッションや髪形などがあるように、住宅にも時代に応じて流行というものが存在します。そんななかで近年注目を集めているのが、軒なし住宅と呼ばれる住宅です。軒なし住宅は見た目のスタイリッシュさや洗練された美しさを演出することができるため、住宅の大規模なリフォームや建替えの際に希望される方は多いです。しかし、軒なし住宅はメリットだけではなくデメリットも存在するため、軒なし住宅を選ぶ際には十分に検討する必要があります。そこで今回の記事では、軒なし住宅の特徴や、メリットやデメリットについて解説していきます。

軒なし住宅と聞いて、なんとなくイメージがつく方もいれば、そうではない方も多いかと思います。そこでまずは、軒とはなんのことを指すのか、軒なし住宅と呼ばれる住宅はどんなものなのか、この2点について解説をしていきます。

軒と呼ばれる住宅の部分ですが、建築基準法で住宅における軒は明確に決められています。簡単にお話をすると、建築基準法上では「住宅の外壁や窓から外側に出ている屋根」を軒と定義しています。下から見た際に見える軒部分は、軒天上や軒裏などと呼ぶこともあります。軒が住宅の外壁から1m以上出ている場合は、出ている部分が建築面積に算入されるため、一般的には軒の出は1m以内にすることが多いです。また軒の役割としては、雨風や紫外線などの天候による住宅への影響を最小限にし、劣化から住宅を守ることです。

軒なし住宅とは、上記で解説をした建築基準法上に該当する軒がない住宅のことを言います。具体的な数値としては、軒が25㎝未満の住宅は、軒なし住宅と呼ばれます。軒の主張がない住宅外観となるため、屋根がスッキリと見えてくるのが特徴です。特に水平ラインを意識した屋根や、片流れ屋根の形状をより美しく見せてくれるため、屋根を目立たせすぎず住宅のデザインを引き出すことができます。

街中を歩いて見たり、住宅のパンフレットなどを見ても、必ずといっていいほど軒なし住宅が目に入りますよね。軒なし住宅がこれほどまでに人気なのは、なぜなのでしょうか。軒なし住宅が人気である理由を知るために、ここでは一緒に軒なし住宅のメリットについて見ていきましょう。

やはり軒なし住宅が人気の最大の理由としては、外観の意匠性が高いことがあげられます。スタイリッシュを持ち合わせながら、屋根の存在を主張しない外観が、街中に溶け込みつつ住宅の個性も出すことができます。先ほど少し触れた内容になりますが、水平ラインや屋根の形状を意識したい住宅外観に特に用いられることが多いです。

軒なし住宅は、基本的には軒部分が建築面積に算入されません。軒なし住宅と逆に、軒の出を活かしたデザインも人気ではあるものの、建築面積に余裕のない土地ではあまり現実的なデザインとは言えません。建築面積を最大限に活用したいという方には、ピッタリです。

軒なし住宅にすることで、軒の分の建築面積まで居住面積とすることが可能であるため、居住スペースが広くとることが可能です。一般的な住宅の軒の出でも90㎝ほどはあるため、その分全方位広く使うことができるとなると、住宅全体にゆとりが出てきます。狭小地や建築面積の制限が厳しい土地などでは、居住スペースを確保する目的で軒なし住宅を選択される方もいます。

軒が出ていれば出ているほど、当然建築コストはかかってきます。軒の裏には軒天上の施工や塗装も必要となってくるため、その分やはり金額があがってしまいます。しかし軒がない住宅は軒にかかるコストを削減できるため、少しでも安くしたいという方にも人気があります。

軒なし住宅のメリットについて、知っていただくことができたのではないでしょうか。メリットがたくさんある軒なし住宅ですが、デメリット面も存在しているため、軒なし住宅を検討する際には必ずデメリット面についても知っておく必要があります。ここでは、軒なし住宅のデメリットについて、一緒に確認をしていきましょう。

軒の特徴で少し触れましたが、軒は雨風や紫外線という天候の影響から住宅を守るために考えられた部材です。そのため、住宅にとっては必要である部材とも言えます。そんな軒を取ってしまうことは、天候の影響を受けやすいということにつながります。軒で防ぐことができない分、住宅全体が天候の影響を受けやすくなり、雨風や紫外線にされされた部分は特に劣化スピードが加速します。特に外壁が影響を受けやすく、劣化が進むことで外壁の性能が低下し、雨漏りにつながるリスクも高まります。

軒ない分、日差しを遮るものがなくなるため、特に夏は窓からの日差しにより暑さを感じやすくなります。その結果、夏の冷房費用が高くなりやすく、軒なし住宅と比べて過ごしにくさを感じることもあります。夏の日差しや西日を強く受ける窓は、明るい時間帯でもカーテンを引きっぱなしにしなければならなくなった、というケースも実際にあります。

基本的に外の環境に耐えることができる設計になっている室外機や給湯器ですが、一般的には軒の下側になるように設置されています。そのため、軒なし住宅で日差しが差し込みやすい立地環境の場合、常に室外機や給湯器が天候に晒されることになり、少なからず劣化に影響を与える可能性があります。冷房が効きにくくなってしまったり、給湯器の寿命が早まるなどのリスクは知っておくようにしましょう。

軒なし住宅で気をつけなければいけないのが、洗濯物です。軒がない分、雨風を遮るものがないため、急な悪天候から洗濯物を守ることができません。天気予報を見ていても完ぺきに雨を避けることは難しいことも多く、より計画的な家事が必要になります。共働き世帯などは家にいない時間も多く、こうしたちょっとした家事への影響が、大きなストレスや負担になることも珍しくありません。快適に生活をするためには、家事などの日常的な活動に影響が出るかどうかも知っておく必要があります。

軒なし住宅のメリットとデメリットを知ったうえで、「軒なし住宅にしたい」と考えている方も多いかと思います。そこで最後に軒なし住宅にして後悔しないために行うべき対策について、解説をして終わります。新築・リフォーム問わず、これから軒なし住宅を検討している方には役立つ内容となっているため、ぜひ参考にしてみてくださいね。

軒なし住宅は、軒のある住宅と比べてやはり劣化が早い点が難点です。しかし、劣化が早いというデメリットを初めから知っておくことで、劣化にすぐに対応できるようこまめなメンテナンスを実行して、建物の負担を減らすといったこともできます。屋根と外壁の同時メンテナンスを行うことで、なにか異常があればすぐに気付くことができ、早めの対応ができるようになります。一般的には屋根も外壁も、10年~15年に一度再塗装などの工事をふまえたメンテナンスが必要と言われているため、10年を目途に一度メンテナンスを実施すると安心です。また年に一度程度、業者による点検も行っておくと、劣化や雨漏りにすぐに気付くこともできるようになります。

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今は、天候の劣化に強い建材や塗料が数多く存在しています。軒がない分雨風や紫外線のダメージは直接受けやすいため、直接ダメージを受ける屋根や外壁部分を部材・塗料で強化しておくというのは、軒なし住宅で住宅の寿命を長く保つためにはひとつの重要な対策となります。ただし、やはり劣化に強い建材や塗料というのは単価が高くなっているため、予算や今後のメンテナンス周期などもふまえたコストパフォーマンスを検討して、決めていく必要があります。

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軒がない分、夏の日差しによる影響は受けやすく、住宅全体が熱くなりやすい軒なし住宅は住宅全体の断熱材を見直すことも大切です。特に、屋根や外壁の断熱材を強化することで、夏だけではなく冬も過ごしやすく一年を通して冷暖房費を削減することもできます。その他のメリットとしては、屋根や壁内結露を防ぐことができるとった面もあります。軒なし住宅を検討する際は、ぜひ断熱材の性能の見直しも同時に行いましょう。

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窓から入り込む太陽の熱や日差しを遮るために、性能のいい複層ガラス窓や庇を取り付けるのもひとつの手です。複層ガラスは単層ガラスに比べて、窓からの熱が室内に伝わりにくく、冷暖房費が高くなることを防ぐことができます。また窓の上に庇を取り付けることで、窓から入る日光を直接遮断することができ、カーテンがしめっぱなしになってしまうといった事態を防ぐことができます。軒なし住宅の場合はつい外観だけを重視しがちですが、こうした「実際の生活のしやすさ」などにも目を向ける必要があります。

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