屋根の劣化を確認し、トラブルにつながる前に予防するために行うのが屋根工事の定期点検ですが、近年コの屋根工事の定期点検を利用した詐欺が増えています。詐欺被害についての情報収集がしやすくなった今の時代ですが、同時に詐欺を行う業者の手口も多様化しており、詐欺が増えていると知っていても騙されてしまう方は多いです。そこで今回は、屋根工事の点検商法の特徴について確認し、詐欺被害に遭わないための予防を一緒にしていきましょう。
屋根工事の点検商法の手口とは?

屋根工事の点検商法は、基本的な詐欺の手法は変わっていません。しかし詐欺を行う悪徳業者のトークが多様化、巧妙化しており、一見詐欺ではないように見えてしまうのが騙されてしまう主な原因です。詐欺から身を守るためには、まずは起きている詐欺について知ることが大切です。ここでは、近年報告されている詐欺の内容と業者の使う営業手法について確認していきましょう。
参考元:独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20231011_1.html
依頼していないにも関わらず点検をしようとしてくる
点検商法の王道な手口としては、屋根にあがり修理が必要だと伝えて契約をしようとしてくるというものがあります。そのため、基本的には「屋根を見せてください」「無料で点検します」などと言って、なんらかの口実をつくって屋根にあがろうとしてきます。頼んでいないにも関わらず点検を実施しようとしてくる業者は、点検を利用した詐欺を行う業者の可能性が高いため注意しましょう。
屋根について具体的な指摘をされる
「屋根がズレているのが見えました」「瓦屋根の瓦が落ちそうですよ」などと言って、親切心を装って違付いてくる事例が報告されています。こうした手口を使う悪徳業者は、「他の作業場所から屋根が見えた」「たまたま通りかかった」などと自然な口述で近づいてくるため、まさか悪徳業者に騙されていたなんて気付かなかったという方は多いです。
屋根の写真を見せてくる
実際に修理が必要な劣化症状がある屋根の写真や、壊れた屋根の写真を見せてきて、修理や契約の必要性を伝えてくる業者もいます。実際に自分の家の屋根の写真を見せられたら、「本当に修理が必要なんだ」と思いますよね。しかし悪徳業者の場合、こうした写真は事前に全く違う住宅のものの写真を撮っておき、訪問した住宅の屋根に近い屋根や色のものを選んで見せているだけのこともあります。本来は修理が必要ない屋根なのに、あたかも修理が必要かのように説明をされるため、写真を見て信じてしまい悪徳業者と契約をしてしまうのです。
屋根以外にも次々に修理の勧誘をしてくる
悪徳業者のよくある手口としては、屋根修理だけではなくそれ以外の修理の必要性についても言及し、他の箇所の修理も勧誘してくるといったものです。例えば「屋根を直しても外壁や床下が劣化しているから、今すぐ同時に修理しないと雨漏りで大変なことになる」などと、消費者を焦られつつ契約につなげようとしてきます。もし本当に修理が必要な個所があったとしても、「今すぐ契約しないといけない」などと言って焦らせてくる業者には注意しなければいけません。
屋根工事の点検商法を行う業者の特徴とは?

ここまでで、近年増加している屋根の点検商法の手口について知っていただくことができたかと思います。しかし実際、本当に修理が必要で親切心で声をかけてくれる業者もいるかもしれませんし、手口を知っているだけでは完全に業者の善悪を見抜くことは難しいですよね。そんな時に見ていただきたいのが、相手がどんな業者かという点です。こうした手口で消費者を騙そうとする悪徳業者には、いくつかの共通点があります。ここでは、屋根工事の点検商法を行う業者の特徴についても解説していきます。
突然訪問してくることが多い
近年は訪問営業が一般的になりつつあるため、訪問営業が必ずしも悪いということではありません。しかし、悪徳業者の多くは、点検のきっかけを作るために突然訪問してくることは多いです。依頼していないにも関わらず突然来て、さらに修理が必要などと言って強引な契約を進めてくる場合には、注意しなければいけません。
必要以上に不安を煽ってくる
劣化や雨漏り症状などが深刻な場合、もちろんそのことをきちんと伝えることは業者の大切な役割ではあります。しかし悪徳業者は、修理することではなく契約することが目的であるため、必要以上に不安を煽りすぐに契約に結びつけようとしてきます。事実やリスクを伝えることと、不安を必要以上に煽ることは全くの別物です。「今すぐに修理が必要だから契約をしましょう」「今契約をしないと家が崩れますよ」そんな風に必要以上に不安を煽るようなことを言われたら、注意が必要です。
大幅な割引を提案してくる
悪徳業者の特徴としては、あたかも消費者がお得なように見せかけた大幅な割引の提案をしてくるというものがあります。本当に修理が必要な状態で適切な処置をしてくれるうえで、割引があるのであれば嬉しいですよね。そのため業者を信頼してつい契約をしてしまいがちですが、悪徳業者の目的は契約をして不当な利益を得ることですので、割引でお得に見えても実際は割高であったり手抜き工事をされてしまう可能性があります。契約をしたら大幅な割引をする、今なら安くできる、などと言ってくる業者は注意が必要です。
見積もりが詳細に記されていない
見積もり内容が「工事一式」「修理代金」などとまとめられて簡潔に表記されている業者は、注意が必要です。簡潔にまとめられているということは、一見消費者にとって見やすく分かりやすい見積もりにも見えますが、実際は違います。工事の単価や必要な材料の量、人件費やその他諸経費が不透明のまま契約してしまうと、業者としては契約後に何らかの理由をつけて高額な追加料金を請求しやすくなってしまうのです。工事を進める中で不測の事態や予想できなかった追加料金などは、どの業者や工事においても発生するリスクはあります。しかしその際に追加料金が妥当なのか、そもそも最初の見積もりに不備はなかったのかなどは、きちんと記されている見積もりが手元にないと業者と交渉や確認がしにくくなってしまいます。貰った見積もりが簡潔で少佐に記されていない場合は、消費者にとって不利になる可能性があるた気をつけなければいけません。
一度にたくさんの契約を勧めてくる
屋根工事においては、劣化状況や雨漏りの状況次第では、屋根だけではなく雨樋や外壁の修理も一緒に行った方がいいケースもあるのは確かです。しかし、詳しい状況や根拠を説明せずに一度に複数の契約を勧めてくる業者には注意が必要です。こうした業者は契約して不当な利益を得たいだけで、消費者のためを思った提案をしてくれているわけではありません。きちんとした業者であれば、放置することのリスクや修理が必要な理由、根拠をしっかりと納得するまで説明したうえで、無理に契約をしようとはしません。強引な勧誘や複数の契約を一度に勧めてくる業者には注意しましょう。
屋根工事の点検商法から身を守る方法は?

事前に詐欺の手口や情報を知っていても、いざ自分がその場に遭遇すると焦って契約してしまう、といったケースは老若男女問わず誰にでも起こりうることです。詐欺や悪徳業者の被害から身を守るためには、どんなときでも冷静に対応できるよう対応のマニュアルを家族間や身近な人と共有しておくと、いざというときにも安心です。そこで最後に、詐欺や悪徳業者から身を守るための方法をお話していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
頼んでいない点検は断る
新規顧客獲得のために訪問営業を行う業者は多く、訪問営業事体は一般的ではありますが、訪問時に点検をしたいと無理に屋根にのぼろうとしてくる業者には注意が必要です。悪徳業者は新規顧客を獲得する目的ではなく、不当な利益を獲得する目的で突然の訪問、そして屋根の点検を申し出てきます。この点においては悪徳業者以外の業者と区別がしにくい部分でもありますが、確実に点検商法から身を守るためには、まずは頼んでもいない点検は例え無料と言われても断ることが大切です。必要があれば点検は自分で探した信頼できる業者に依頼することが大切です。
その場で契約をしない
点検を断ったとしても、外から屋根を見て声をかけてくる業者もいます。もちろんなかには本当に親切心で声をかけてくれる業者がいることも確かですし、屋根の指摘をされたからと言ってすべてが危険というわけではありません。しかし悪徳業者の手口として声をかけて契約をするというケースがある以上、やはりある程度疑う目を持つことも大切です。本当に修理が必要な状態であれば、他の業者に見てもらった場合にも同じことを指摘されるはずですので、複数の業者に確認を取ってもらい事実かどうかを確かめる必要があります。そのため仮にその場で契約を勧められたとしても、他の業者にも確認をするという意味合いで、その場での契約はしないようにしましょう。
相見積もりを実施する
悪徳業者は、ピカピカの新築住宅にはあまり声をかけません。基本的には劣化が進んでいそうな、修理の必要性がありそうな住宅に声をかけます。そのため、「ちょうど修理を考えていた」「そろそろメンテナンスの時期だったから丁度良かった」と、悪徳業者に疑問を抱かずそのまま契約してしまったという方もいらっしゃいます。しかし悪徳業者の見積もりや技術は必ずしも正しく正確であるとは言い切れず、手抜き工事をされたりかえって雨漏りを悪化させてしまう悪徳業者も存在します。そのため、本当に修理やメンテナンスが必要なタイミングであったとしても、まずは相見積もりを実施して自分で業者を選ぶようにしましょう。相見積もりを実施することで、業者の提案する見積もりや工事内容に怪しい点がないか確認することができます。
業者の基本情報を調べておく
屋根の修理やメンテナンスを実施する際には、業者の基本情報を調べておくことも大切です。今は多くの業者が公式ホームページを持っているため、業者の情報を調べるのは比較的簡単になりました。ただし悪徳業者もホームページを持っていることが多く、ホームページを持っているから安心とは言えません。ホームページでは、業者の住所や電話番号、代表者氏名や顔写真、業者の作業実績などもしっかりと確認しておくようにしましょう。特に悪徳業者においては、でたらめな住所を記載していたり、電話番号を伏せていることがあります。ひとつでも不審な点があれば避けましょう。
悪徳業者に騙された場合の対処法はある?

屋根工事の点検商法に引っかかってしまった場合、適切な対処をしなければ被害が拡大する恐れがあります。契約後に高額な請求をされたり、不十分な工事のまま放置されたりするケースも少なくありません。しかし、冷静に行動すれば被害を抑えたり、取り戻したりすることが可能です。そこでここでは、悪徳業者に騙された場合の具体的な対処法を解説します。
クーリングオフ制度を利用する
悪徳業者と契約を結んでしまった場合でも、条件が整えばクーリングオフ制度を利用して契約を解除できます。クーリングオフとは、訪問販売や電話勧誘販売などで契約をした場合に、一定の期間内であれば無条件で解約できる制度です。屋根工事の点検商法も、業者が訪問して契約を結ばせるケースが多いため、この制度が適用される可能性があります。クーリングオフの適用期間は契約書を受け取った日を含めて8日間で、この期間内に業者に対して書面で通知を送ることが必要です。通知は証拠を残すために内容証明郵便を利用するとよいでしょう。契約を解除できる期間が限られているため、詐欺に気づいたらすぐに行動を起こすことが重要です。
消費生活センターに相談する
悪徳業者とのトラブルに巻き込まれた場合、一人で解決しようとせず、早めに消費生活センターへ相談するのが賢明です。消費生活センターは、消費者トラブル全般について無料で相談を受け付けており、専門の相談員が適切なアドバイスをしてくれます。契約内容に問題がある場合は、クーリングオフの方法や業者への対応について具体的な指示を受けることができます。相談の際には、契約書や見積書、業者とのやり取りの記録などを持参するとスムーズに対応してもらえます。屋根工事の点検商法による被害は全国で報告されているため、相談員も類似のケースを把握しており、実際にどのような方法で被害を最小限に抑えられるのか、具体的なアドバイスを提供してくれるでしょう。
工事の不備がある場合は第三者に点検してもらう
悪徳業者が行った工事は、必要のない部分を修繕したり、適切な施工を行わなかったりするケースが少なくありません。そのため、契約した工事内容が妥当だったのか、また施工に問題がないかを確認するために、第三者に点検を依頼することが大切です。信頼できる地元の工務店や、業界団体に所属する屋根業者に相談し、適正な判断を仰ぐとよいでしょう。工事の不備が発覚した場合には、消費生活センターや行政機関に報告し、契約解除や修正工事を求める対応を進めることができます。また、点検の結果、工事が完全に不要だった場合には、業者の違法性が認められる可能性もあるため、法的措置の検討も視野に入れる必要があります。
支払い済みの費用を取り戻すための行動を取る
すでに業者に対して支払いを済ませてしまった場合でも、返金を求められる可能性があります。クレジットカードで支払った場合は、カード会社に連絡して不正取引の申し立てを行うことで、支払いを取り消せる場合があります。特に、業者の強引な勧誘があった場合や、契約内容と異なる工事が行われた場合には、カード会社も消費者保護の観点から対応してくれることが多いです。一方で、銀行振込や現金払いの場合は、返金のハードルが上がるものの、消費生活センターや弁護士を通じて業者と交渉することで、返金に応じさせるケースもあります。支払い記録や領収書は重要な証拠になるため、紛失せずに保管しておくことが大切です。
法的措置を検討する
業者が悪質な対応を続け、返金や契約解除に応じない場合には、法的措置を検討することが必要です。詐欺の疑いがある場合は、警察に被害届を提出することで、業者の取り調べが行われる可能性があります。ただし、詐欺罪の成立には「最初から騙す意図があったこと」の証明が必要であり、立証が難しいことが多いです。そのため、弁護士に相談し、民事訴訟を検討することも有効な手段となります。消費者問題に詳しい弁護士であれば、法的に契約を無効にする手続きや、損害賠償請求の方法について具体的なアドバイスを受けることができます。法テラスを利用すれば、無料相談を受けられる場合もあるため、まずは専門家に相談するのがよいでしょう。
信頼できる屋根工事業者の選び方を身に付けよう!

屋根工事は家の安全性や耐久性を左右する重要な工事です。しかし、ここまでで解説してきたような悪質な点検商法を行う業者が存在するため、慎重に業者を選ぶ必要があります。また適当に業者を決めてしまうと、必要のない工事を押し付けられたり、手抜き工事をされたりするリスクが高まります。では、どのようにすれば信頼できる業者を見極めることができるのでしょうか。ここでは、安心して屋根工事を任せられる業者を選ぶためのポイントを詳しく解説していきます。ぜひ業者選びの参考にしてください。
資格や許可を持っているか確認する
信頼できる屋根工事業者を選ぶ際には、まず資格や許可を持っているかを確認することが大切です。屋根工事には国家資格が必要なわけではありませんが、一定の専門知識と技術を持っている証明となる資格があります。例えば、「一級建築士」「二級建築士」「建築施工管理技士」「瓦屋根診断技士」などの資格を持っている業者は、専門的な知識を備えていると考えられます。また、建設業の許可(「建設業許可番号」)を取得している業者であれば、一定の基準を満たしているため、信頼性が高いと言えるでしょう。資格や許可の有無を確認することで、悪徳業者を避ける第一歩となります。
会社の実績や評判を調べる
実績や評判の確認も、信頼できる業者を見極めるために欠かせません。業者のホームページには、施工事例やお客様の声が掲載されていることが多く、それらをチェックすることで、どのような工事を行っているのかを把握できます。ただし、ホームページ上の情報だけでなく、第三者の口コミサイトや地域の評判も参考にすることが重要です。Googleマップのレビューや住宅関連の口コミサイトでは、実際にその業者を利用した人の感想を見ることができます。評価が極端に低い、クレームが多い業者は避けたほうが無難です。また、地元の工務店やリフォーム業者に相談して、信頼できる屋根業者を紹介してもらうのも良い方法です。
適正価格で見積もりを出しているか
屋根工事の費用は、工事内容や使用する材料によって異なりますが、相場よりも極端に安すぎる、または高すぎる業者には注意が必要です。適正価格で見積もりを出しているかどうかを確認するためには、複数の業者に相見積もりを依頼するとよいでしょう。同じ条件で工事を依頼しても、業者ごとに提示される金額が異なるため、相場感をつかむことができます。また、見積書の内容が不明瞭な業者は避けるべきです。例えば、「一式」とだけ記載されている見積書は、具体的にどのような作業が含まれているのかが分かりづらく、後から追加請求される可能性があります。しっかりと項目ごとに詳細が記載されている見積書を提示する業者を選びましょう。
強引な営業や契約を迫る業者は避ける
信頼できる業者は、お客様の意思を尊重し、納得できるまで丁寧に説明をしてくれます。一方で、訪問販売などで強引に契約を迫る業者は、悪徳業者である可能性が高いため注意が必要です。「今すぐ契約しないと大変なことになる」「今なら特別割引がある」などと急かしてくる場合は、冷静に対応し、一度持ち帰って検討することが重要です。また、契約を急がせるだけでなく、見積書の内容をしっかりと説明せずに契約を結ばせようとする業者も要注意です。信頼できる業者は、工事の必要性や費用について納得いくまで説明し、契約を強制しません。少しでも不信感を抱いた場合は、その場で契約せず、他の業者と比較して慎重に判断しましょう。
アフターサービスや保証がしっかりしているか
信頼できる屋根工事業者は、施工後のアフターサービスや保証が充実しています。工事が完了しても、万が一のトラブルが発生した場合に迅速に対応してくれる業者であるかどうかを確認しておくことが大切です。例えば、「工事後○年間の保証付き」「無料点検サービスあり」といった保証制度がある業者であれば、工事に自信を持っている証拠でもあります。逆に、保証やアフターサービスについて説明がなかったり、契約前に質問しても曖昧な回答をされたりする場合は、注意が必要です。契約前にしっかりと保証内容を確認し、口頭だけでなく書面で保証の条件を明示してもらうことで、万が一のトラブルに備えることができます。
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まとめ
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