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カラーベスト屋根の特徴とメンテナンスの時期は? どんな人が向いている?

お役立ちコラム

更新日:2024/04/17

屋根材を選ぶ際に「カラーベスト」という名称の屋根を見かける機会が多いかと思います。しかしどんな屋根かは、名前からは判断することができませんよね。そこで今回は、カラーベスト屋根についてその特徴などについて詳しく解説していきます。屋根材選びに悩まれている方は、検討する際の知識として是非参考にしてみてくださいね。

カラーベスト屋根とは?

カラーベスト屋根は、セメントを主成分とし、厚さ約5mm程度の板状に加工した屋根材です。屋根材や外壁材など販売しているケイミュー株式会社が発売している商品としても知られています。一般的にスレート屋根と総称されることが多いものの、カラーベストという名称が広く浸透しており、認知度が高い屋根材となっています。また、コロニアルと混同されることがありますが、カラーベストはケイミュー社が製造しているスレートの製品カテゴリー、コロニアルはそのカラーベストの中の商品名を指します。業者によって呼び方が違うため若干ややこしいですが、基本的にスレート、カラーベスト、コロニアルは同一のものと覚えておいていただいて問題ありません。美観や豊富な色の選択肢から、商業施設や工場などの大型施設だけでなく、一般住宅でも広く用いられています。

費用相場

商品のグレードによって変動はありますが、一般的なカラーベスト屋根の費用相場はおおよそ5,000円〜7,000円/㎡程度となります。ここで示されている費用は、カラーベスト屋根を設置する際にかかる費用で、既存の屋根の上に重ねる重ね葺き工法と、新しい屋根材に取り替える葺き替え工事の設置費用の目安です。葺き替え工事の場合、既存の屋根の撤去費用が発生するため、重ね葺きに比べてコストが高くなる傾向があります。さらに、足場代やその他の施工費は別途必要となりますので、ご注意ください。

耐用年数

カラーベスト屋根の耐用年数は、新築時で10年程度と言われており、屋根材の中では耐用年数が少ないです。そのため長期的に見た時にメンテナンス回数が増えたり、メンテナンスにかかる費用がかかる可能性があります。ただし10年ごとに屋根材を交換しなければいけないというわけではなく、雨漏りなどの大きな問題がなければ、耐候性や防水性能を高めるために塗装をして様子を見ていきます。

カラーベスト屋根のメリット

カラーベスト屋根を採用している住宅は多いですが、実際に取り入れることでどんなメリットがあるのでしょうか。人気がある屋根材には、必ず支持される理由が存在しています。住宅の外観を決めるだけではなく、住宅を守るために重要な役割のある屋根材ですので、しっかりとメリット面についても理解しておく必要がありますよね。そこでここでは、カラーベスト屋根のメリットについて、具体的にどんなものがあるのか見ていきましょう。

デザインが豊富

カラーベスト屋根にはさまざまなデザインものが登場しています。和風の外観、洋風の外観などザックリとした希望はもちろん、質感や見た目に強いこだわりがあるという方にも希望のデザインが見つかりやすく、オススメです。またカラー展開も非常に幅広く、他の屋根材ではあまりないようなカラーも取り扱いがあります。近隣の住宅の屋根とかぶりたくない、という方にも選択肢の幅が広くオススメです。

屋根材が軽量

カラーベスト屋根は、一般的に軽量であることが知られています。具体的にどのくらいの数値になるかについては、使用する種類にもよりますが、㎡あたりで見るとカラーベスト屋根は5~10㎏です。瓦屋根は約40-60 kg/m²、金属系屋根は約5-15 kg/m²、アスファルトシングル屋根は約10-15 kg/m²程度だと言われております。軽い屋根材と比べると大きく違うというわけでもありませんが、より軽量さを求められる場面ではカラーベスト屋根の軽量である特性が活きてきます。また一般住宅の屋根においても、屋根が軽量だと地震による衝撃が抑えられるため耐震性もいいと言えます。

費用が比較的安い

カラーベスト屋根は材料費が安いため、工事自体も他の屋根材を使うよりも安く住むことがあります。費用は使用している屋根材のグレードや、業者によって変わってくるため一概にどのくらい安いとは言い切れませんが、カラーベスト屋根を基準にすると瓦屋根屋根の1/4程度、金属系屋根の1/2程度、アスファルトシングル屋根の2/3程度で材料費用が収まります。予算を抑えたい方にもオススメの屋根材です。

カラーベスト屋根は、瓦屋根やガルバリウム銅板屋根などと比べて比較的施工がしやすいため、施工対応している業者がとても多いです。カラーベスト屋根は薄い板状に加工されている屋根材を、釘やビスなどを使って敷き詰めるようにして施工するため、もちろん専門業者による施工は必要ですが業者の技術による仕上がりの差も生じにくいメリットがあります。その他、施工対応している業者が多いということは、それだけ予約や万が一の際の修理対応できる業者が多いということでもあるため、点検や今後のメンテナンス工事を考えても安心です。

施工しやすいカラーベスト屋根は、他の屋根材と比べて比較的短時間で屋根の工事を終えることができます。屋根の工事は住宅の四方を足場で囲った上に、養生でシートをか被せるため、在宅している間はどうしても日光が遮られてしまったり工事音が気になってしまうものです。しかし工期が短いということは、こうした工事に伴って発生する住人の負担を減らすこともできます。また、全体的な工期の短縮は人件費などの節約にもなるため、他の屋根材と比べた時に諸経費を抑えることもできるのです。

カラーベスト屋根は、塗り替えの必要がないものや、石綿を一切使わない商品が開発・販売されています。こうした点をふまえると、維持費が安く済むというだけではなく、環境に優しい屋根材であるとも言えます。特に石綿は規定量以上を吸い込むと肺がんや悪性中皮腫などを引き起こす、人体にとって有害な物質とされているため、その石綿が含まれていないだけでも安心できますよね。カラーベスト屋根にはいくつか商品がありますので、こうした環境配慮型の商品を選ぶのもいいかもしれませんね。

カラーベスト屋根のデメリット

カラーベスト屋根のメリット面を見ると、デザイン性がいいのに費用が安く非常にコストパフォーマンスの面で優れており、カラーベスト屋根にしたいなと思われた方も多いかと思います。魅力的なメリット面を持つカラーベスト屋根ですが、実はデメリット面も存在しています。デメリット面はどの屋根材にも存在するものですので、カラーベスト屋根にしたいと考えている方もそうでない方も、デメリット面も知った上で慎重に屋根材を選ぶ必要があります。ここではカラーベスト屋根のデメリット面の解説をしていきます。それではさっそく見ていきましょう。

短いスパンでのメンテナンスが必要

どの屋根材でも共通していえることですが、定期的なメンテナンスが重要です。屋根のメンテナンスは、防水性能や屋根材の性能を維持するために、主に塗装を行います。この過程で雨漏りや屋根材自体の寿命により、葺き替え工事が必要になるタイミングがきます。カラーベスト屋根の場合、他の屋根材に比べて耐用年数が短いため、塗装などのメンテナンスを行っても、葺き替え工事が必要になる可能性が早まることがあります。このため、初期費用が安いとはいえ、長期的な視点でトータル費用が高くなることが考えられます。ただしメリット面で触れたように、商品によっては塗り替えなどのメンテナンスが必要ないものもあるため、メンテナンスの負担を考慮して塗り替え不要の商品を選んでみてもいいかもしれませんね。

雨漏りが発生すると建材への被害が大きくなりやすい

カラーベストの主成分はセメントと解説をしましたが、実はセメントは雨水を大量に吸い込みやすい特徴があります。そのためカラーベスト屋根は塗装によりセメントが水を吸い込まないようにしていますが、塗装が劣化や飛来物の影響で剥がれ落ちてしまうと、そこから大きな雨漏り被害につながることがあります。雨漏りは必ずしも住んでいて気付けるというものでもなく、知らないうちに屋根裏からどんどん雨漏り被害が広がっていってしまう・・・というケースはよくあります。更に長い期間放置してしまうと、建物内部の建材が腐敗し、建物そのものの安全性にも大きく関わります。

凍害に弱い

カラーベスト屋根は、凍害に弱く寒い地域での施工には不向きです。カラーベストの屋根には波形のものがあります。波形の屋根では、雪や氷が付着しやすく、重みが増すことがあります。重みが増した状態で氷が融けて水分が浸透し、再び凍結すると、屋根材の割れや損傷が発生する可能性があります。また熱伝導性が高いという特徴から、昼間に屋根が暖かくなり、夜に急速に冷えると、屋根表面にできた氷や雪が溶けたり凍ったりを繰り返し凍害につながる可能性があります。そのため基本的には寒冷地では、カラーベスト屋根は選択しないことが多いです。

水平ラインの美しい陸屋根などを検討されている方は、カラーベスト屋根は要注意です。カラーベスト屋根は、メーカーの規定で細かく屋根勾配が設置されています。一般的にはカラーベスト屋根は2.5~3寸以上の勾配が必要とされているため、陸屋根にしたい方などには向いていない屋根材となります。屋根材は性能もとても重要ですが、希望している外観で設置可能かどうかも事前に確認しておく必要があるため、特にリフォームで屋根工事を行う場合は要注意です。

カラーベスト屋根が劣化すると、ひび割れや破損が発生することがあります。屋根は塗装が劣化したことによって雨水を吸収し膨張、その後乾燥して収縮するというのを繰り返してひび割れや破損は発生しるのですが、特にカラーベスト屋根は薄い板状であるためこうした現象が起きやすいのも事実です。塗装が必要のないカラーベスト屋根でも、劣化はするためこうしたトラブルが発生する可能性は十分考えられます。

カラーベスト屋根は、塗装面が紫外線で劣化していくことで、徐々に色あせが発生していきます。そのため時間の経過と共に、新築時の屋根の色と違って見えることがあります。また、塗装面が劣化することで防水性能が落ち、屋根表面に苔や藻が発生することもあります。苔や藻は放置することで、屋根からの雨漏りにつながるため注意しなければならない劣化症状のひとつでもあります。

カラーベスト屋根はどんな人に向いている?

ここまでで、カラーベスト屋根のメリット・デメリットを知っていただくととができたのではないでしょうか。特にデメリット面に関しては「知らなかった」という方も多いです。屋根材を選ぶ際には是非その他の屋根材とも比べて、慎重に選んでいく必要があります。では実際に、カラーベスト屋根はどんな目的がある方に向いているのでしょうか。メリット面のまとめになりますが、一緒に確認していきましょう。

工事費用をできる限り抑えたい人

カラーベスト屋根は費用が安い点がメリットだとお話をしてきましたが、他の屋根材と比べても比較的安価であるため「工事費用を少しでも抑えたい」と言う方に向いています。工事を行うタイミングではお子さんの進学が重なったり、ご自身の転職などが重なり手元にお金がないと不安だという方も多くいらっしゃいます。そのため長期的な目線でメンテナンス回数が増えてしまうデメリット面を考慮しても、今出ていくお金は最小限にしたいと考えている方も多いです。今お金を手元に残しておきたいという方は、カラーベスト屋根がオススメです。

外観のデザインを優先したい方

カラーベスト屋根はデザインが豊富にあるため、機能性が少し落ちたとしてもカラーベスト屋根にしたいという方は実は多いです。屋根でそんなに印象が変わるのか、と疑問に感じる方もいらっしゃるかと思いますが、屋根の形や色合いに重点を置くだけで外観の印象は大きく変わります。そのため必ずしも耐用年数が長い屋根が人気だ、とも言い切れません。実際に一般的な住宅では、カラーベスト屋根は非常に人気の屋根材です。デザインや色にこだわって外観を仕上げたいという方に、カラーベスト屋根はオススメです。

耐震性や耐候性を優先したい方

カラーベスト屋根は軽量な屋根ですので、耐震性や耐候性に優位に働きます。最近は日本全国、どこにいても地震の危険があります。地震で実際に屋根が倒壊するケースもありましたよね。そのため地震の際に少しでも家に負担がかからないようにしたい、という希望がある方にもカラーベスト屋根は向いています。ただし、やはり寒冷地には不向きであるため、寒冷地にお住まいの方は要注意です。

カラーベスト屋根は他の屋根材と比べて工期が比較的短く済むため、屋根の工事にあまり時間をかけたくない方や工期をできるだけ短縮したい方にもおすすめです。本文中でも触れましたが、工期の短縮は人件費などの諸経費の削減のほか、施主の負担を最小限にすることができます。ご近所への騒音などが気になるという方も、工期が短いことで騒音クレームをできる限り減らすということにも役立ちます。

カラーベスト屋根の商品にもさまざまなものがありますが、本文中で触れたような環境配慮型や健康に配慮された商品も多数存在しています。そのため、環境に優しい製品を使いたいという方は、カラーベスト屋根の環境に配慮されて作られた商品を採用するのもいいかもしれませんね。また小さいお子さんがいらっしゃるご家庭などでは、石綿を含まない製品を選択することで、安心して暮らすことができます。

業者に依頼する際に注意したいポイント

屋根の工事を自分で依頼する場合、ほとんどの方がメンテナンスで依頼することが多いです。新築の場合は、工事を依頼した施工店やハウスメーカーが指定してきたものやオススメしてきたものの中から選ぶ、というパターンが多いかと思います。場合によっては建売などで自分で屋根を選ぶ選択肢がなかったという方も多いのではないでしょうか。そのため、屋根の工事が必要になった際は自分で選びたいと業者を新築の時とは別の業者に依頼するケースも珍しくはありません。しかし、新しい業者に依頼する際には注意しておかなければいけないポイントがあります。業者に依頼する前には、必ず以下で紹介しているポイントを確認し、慎重に依頼するようにしましょう。

「無料」という言葉を使っていないか

一部悪徳業者の中では、火災保険を利用して無料で屋根修理ができると言って契約させ、後から高額な工事費用を請求してくるといった詐欺手口を使ってくる場合があります。こうした業者は新築の家などではなく、メンテナンスが必要そうな築年数の住宅や、台風被害が起きた地域などに営業しに来ます。実際に火災保険は台風などの被害の際に修理費用を補償してくれるケースもありますが、申請する前から完全に無料で工事ができるとは限りません。こうした内容を知らない火災保険加入者も多いため、悪徳業者はその隙を狙ってやってきます。自分から連絡していないのに営業に来た、無料で屋根修理ができると言って契約しようとしてくるなどの場合は注意が必要です。

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現場作業員が資格を保有しているか

屋根修理は現場作業員に対して、資格の保有を義務付けていません。そのため技術力のある職人でも、資格を持っていないという人はとても多いです。しかしいくら腕がいい職人がいたとしても、初めて依頼する業者であれば現場で作業する職人の技術力までは分かりませんよね。そんな時に是非注目していただきたいのが、現場作業員が保有している資格です。見積もりを依頼した際に現場で作業する人は資格を持っているか聞いたり、業者のホームページなどで確認するなどして、資格の有無を確認することができます。資格があるということは、規定以上の知識や技術があるということの証明ですので、依頼する際も安心して依頼することができます。

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まとめ

イーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。もし他社の見積もりがあればご持参ください。当社との見積もりの見比べやご相談にも対応可能ですので、是非お気軽にご連絡ください。