
10月に入り寒い日が増えてきましたね。最近は連日のように列島を怯えさせていた台風が落ち着いてきましたが、まだまだ油断ならないのが屋根修理の詐欺を働く悪徳業者の存在です。台風やゲリラ豪雨などの自然災害があった後は、詐欺被害の相談などがとても多くなります。中には詐欺被害にあっているという自覚がない方もおり、そういったお家は再び狙われてしまいます。屋根修理は一度での工事金額が100万円以上と高額になることも珍しくはなく、悪徳業者が不当な利益を狙いやすい部分でもあります。今回はそんな悪徳業者に騙されないために、悪徳業者による屋根修理の詐欺の手口について一緒に学んで行きましょう。
屋根修理の詐欺は年々増加傾向にある
独立行政法人国民生活センターが運営する全国消費生活情報ネットワークシステム(略称PIO-NET)によると、訪問販売によるリフォーム工事・点検商法の詐欺被害相談件数は年々増加現象にあります。詐欺の注意喚起を呼びかけていても増加してしまうのは、悪徳業者側も手口を変えてあの手この手でなんとか利益を生み出そうとしているからです。独立行政法人国民生活センターはそうした新手の詐欺手口に騙されないように、最近の相談内容を公開しています。随時更新されていますので、定期的にチェックするクセを付けておくといいかもしれませんね。ここでは現段階で公開されている内容を「訪問販売によるリフォーム工事」と「点検商法」からそれぞれ屋根についての相談を2つほどピックアップしてご紹介します。(※2022年10月7日時点での情報です。)
参考元:独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html
実際にあった詐欺手口①:訪問販売によるリフォーム工事
【相談内容】隣家で作業をしているという業者が来訪し、屋根修理の契約をした。後日、壁の補修も必要だと言われ追加で契約したが、解約したい。
隣家で作業している業者が工事時の騒音の説明や挨拶まわりはあったとしても、契約をさせてこようとする業者は注意が必要です。もちろん全ての訪問販売がダメというわけではありません。ただししっかりした業者であれば突然来て契約をさせるようなことはしてきません。この例は言葉巧みにのせられてしまい契約をしてしまった例で、その他月々に修理が必要な箇所を指摘して追加料金をとるというのも詐欺の手口としてよく見られます。
実際にあった詐欺手口②:点検商法
【相談内容】「近くで工事をしている」と言って作業員が訪ねてきた。翌日、別の作業員も連れてきて「点検します」と言い、屋根に上った。瓦が割れた写真を見せられ、「このままではもっとひどい状態になる」と言われて屋根工事の契約をしてしまった。
こちらも①と似ている手口ですね。近くで工事をしている、ご近所さんもこの業者に依頼しているなら大丈夫だろうといった集団心理を無意識に持たせて安心させます。また写真を見せられたら信じてしまいますよね。こちらが依頼していないにも関わらず点検をしようとしてくる業者は悪徳業者の可能性があります。
「無料で屋根修理」は信じていいの?

結論から述べると、その言葉をそっくりそのまま信じてはいけません。天災などがあった後に多いのが「無料で屋根修理ができますよ」と言って契約させようとしてくる悪徳業者です。無料で高額な修理費が賄えるのなら誰だってそうしたいと考えますよね。火災保険に加入していれば、ある条件の元内容によっては保険で修理費がカバーできるという場合もあります。ただし工事費を全て保険金で賄い、工事を無料でできるかは内容によるため「無料でできる」と言い切る業者には要注意です。火災保険を利用した悪徳業者の手口にのってしまわないよう、一緒に火災保険と屋根修理の正しい知識を身に付けましょう。
火災保険とは?
保険の名称から火災時の保険というイメージを強く抱きがちですが、火災以外にも風災・雪災・雹(ひょう)災での被害をカバーすることのできる補償範囲の広い保険です。火災の場合はもらい火や放火なども対象であることがほとんどで、落雷による火災や爆発によって建物が被災した際に補償されます。風災は台風や突風などが含まれます。ただし台風時の雨などで発生した洪水は水災に分類され、火災保険単独で補償できません。ただし氾濫の危険がある河川の付近に住んでいるなどという方であれば、追加で水災保険を付けているケースも珍しくありません。
屋根修理で火災保険が適応されるケース
加入している火災保険によって多少の違いはあるものの、屋根修理で火災保険が適応されるケースは基本的に以下の3つです。
・風災・雪災・雹(ひょう)災だと認められること
・屋根修理が必要になってから3年以内であること
・屋根修理の費用が20万円以上であること
注意したいのは経年劣化などによる破損は適用外だということです。台風などの天災で被害を受けた部分をカバーする保険ですので、経年劣化による雨漏りなどは火災保険で修理することはできません。
補償金額の判断は業者ではなく保険会社
火災保険で補償される金額が決まるまでの流れとしては以下の通りです。
・保険会社へ連絡
・屋根修理業者による現場確認、見積もり作成
・書類作成、送付
・現場鑑定人による現場調査
・審査
・金額確定、振込
火災保険を使用するにあたって嘘の申請がないかなどを、損害鑑定人による現場調査によって確認することもあります。保険会社によっては必ず実施されるというものではないようですが、被災から申請まで長い期間空いてしまっている場合などは「なぜそんなに時間が空いたのか」という確認なども踏まえて調査が入る可能性があったり、被災の判定が難しい場合などは保険会社から現場調査について案内があります。このような流れを経て火災保険の審査が通ったら、ここでようやく補償される金額が確定します。保険適応となっても工事費全てカバーできるとは限りません。保険会社が最終的に判断する部分ですので、業者が最初から「無料でできますよ」などと言ってくるのは危険なサインです。
申請したからといって通るとは限らない
火災保険は申請したからと言って必ずしも申請が通るとは限りません。台風による被害だと思っていたものが実は経年劣化によるものだった、なんて場合は保険会社の設ける屋根修理の条件に当てはまりませんので却下されてしまいます。きちんとした業者が屋根の状況を見てGOサインを出しても、必ずしも思っていた通りの結果になるとも限りません。そのくらいプロの業者でも「確実」とは言えない部分です。きちんとした業者であれば「この範囲で補償ができる見込みはありますが確実ではありません」と、万が一の際の説明も欠かせません。なぜなら保険がおりなければ自費で修理をする必要があるからです。そのため工事契約も通常は火災保険の通過の可否が分かってから行うものです。火災保険がおりなかった場合はどうなるかまできちんと説明し、申請が通らなかった場合の金額なども見積書に提示してくれます。火災保険に申請もしていないのに契約を迫ってくる業者も危険な業者のサインです。
「火災保険を使って無料でできる」は悪徳業者の詐欺手口!
ここまでで火災保険の仕組みや流れを理解していただけたかと思います。また最初から「無料でできますよ」と言ってくる業者は怪しい業者だと判断できるようになりましたね。悪徳業者は高齢者などをターゲットとする場合が多く、家族全体で詐欺手口について共通理解をしておくことが大切です。初見の業者が訪ねてきた場合、その場で契約しないなどと家族内でルールを作っておくのも安心です。
もし騙されてしまったら?
「騙されているかもしれない」「怪しい人がきた」など不安なことや気付きがあったら、まずは慌てず消費者センターに連絡をしましょう。消費者センターは、被害の状況を聞きその後どのような対応をすればいいか教えてくれます。また中には家に無理矢理上がってきて契約を迫ってくる、なんて業者もいるようです。個人での対応が難しいと感じたり身に危険を感じたら迷わず警察に連絡をしましょう。
クーリング・オフ制度の活用
クーリング・オフ制度とは個人と事業者の間に成り立つ、個人のための救済制度のことをいいます。時に「断るのが怖くて言われるがままに契約してしまった」なんてこともあるかと思います。そんな時は是非このクーリング・オフ制度を思い出してください。使用するためには種別ごとに日数制限があるため、ちょっとでも不安なことがあればまずは消費者センターに相談し、適切な期間内にクーリング・オフを行えるようにしましょう。
まとめ
イーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。もし他社の見積もりがあればご持参ください。当社との見積もりの見比べやご相談にも対応可能ですので、是非お気軽にご連絡ください。