日本国内でも度々問題視されている『シロアリ被害』ですが、「うちは大丈夫」と思われている方もとても多く、気付いた時にはすでに住宅の大部分をシロアリに食べられてしまっていたなんてこともあります。そのためシロアリ被害には十分に注意する必要がありますが、近年そのシロアリ被害の不安感を逆手に取った悪質業者による詐欺が横行しています。そこで本記事では、シロアリ被害の危険性だけではなく、近年増えているシロアリ被害を利用した悪徳業者の詐欺や、詐欺の回避方法について詳しく解説をしていきます。
シロアリを放置するリスクとは?

シロアリは非常に小さいながらも、住宅にとっては深刻な脅威となり得る害虫です。シロアリが食べるのは木材であり、家の構造部分を破壊することで住宅の耐久性を著しく低下させます。シロアリの被害は初期段階では発見が難しく、気づいたときにはすでに被害が広がっている場合が多いため、早期発見と駆除が非常に重要です。放置することによって引き起こされるリスクはさまざまなものがあります。そこでここでは、シロアリについての知識を深めるために、シロアリを放置するリスクについてお話をしていきます。
家の耐久性が低下する
シロアリが最初に食害するのは、建物の内部にある木材です。特に住宅の基礎部分や構造体に影響を与えることが多く、シロアリに食べられた木材は強度が著しく低下します。シロアリは内部から木材を食べるため、外見では異常がないように見えても、中身がスカスカになっていることがあります。このような被害が進行すると、建物の耐震性や耐風性に影響を及ぼし、地震や台風などの自然災害に対して弱くなってしまいます。最悪の場合、家の倒壊や崩壊を引き起こすリスクもあり、非常に危険です。
修繕費用が高額になる
シロアリ被害を放置すると、修繕にかかる費用がどんどん高くなります。初期の段階で駆除を行うだけで済めば、数万円から数十万円で済むこともありますが、被害が広がると、構造材の交換や全面的な補修が必要になり、数百万円以上の費用がかかることもあります。特に、シロアリが柱や土台にまで被害を及ぼすと、家全体をリフォームすることが避けられなくなり、そのコストは非常に高額です。住宅ローンが残っている場合、修繕費用とローンの二重の負担が生じるため、早期に対策を講じることが重要です。
健康被害につながる
シロアリ被害が進行すると、木材が腐食して湿気がこもりやすくなり、カビの発生やダニの繁殖を促進します。これらの微生物や害虫は健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。カビが発生すると、アレルギーや喘息、皮膚炎などの症状が悪化することがあり、特に子どもや高齢者、呼吸器系が弱い人々にとっては重大なリスクです。また、湿気がこもることによって他の害虫(ゴキブリやムカデなど)の発生も増えるため、家全体の衛生状態が悪化し、健康に害を及ぼす可能性が高くなります。
不動産価値が下がる
シロアリの被害は、家の資産価値に大きな影響を与えます。家を売却しようとする際、購入希望者が住宅診断を依頼することが多いですが、そこでシロアリ被害が発覚すると、家の価値が大幅に下がります。シロアリの被害がある家は、修繕が必要な状態にあるとみなされ、価格交渉の段階で値引きが求められたり、最終的に購入希望者がいなくなることもあります。特に、シロアリ被害が深刻な場合は、売却前に修繕することが求められ、その費用が大きな負担となります。
火災のリスクが高まる
意外に思われるかもしれませんが、シロアリの食害が進行すると、家の電気配線に影響を与えることがあります。シロアリは木材だけでなく、時には電線の被覆も食い破ることがあります。これにより、電気ショートや漏電が発生しやすくなり、最悪の場合、火災の原因となることもあります。特に、床下や壁の中に電気配線が通っている場合、シロアリの食害によって漏電が引き起こされるリスクが高くなり、火災の発生を招く可能性があります。
シロアリ駆除業者の詐欺手口とは?

シロアリ駆除は、住宅の保護において非常に重要な作業ですが、残念ながらその分野にも詐欺的な業者が存在しています。これらの業者は、顧客の不安や無知に付け込んで、高額な料金を請求したり、無駄な作業を行って金銭を不正に得ようとします。シロアリ駆除業者の詐欺は、見た目には信頼できそうに見える場合も多く、被害者が気づかないうちに進行することがよくあります。ここでは、シロアリ外注業者の詐欺にいち早く気付くために、よく見られる詐欺の手口を解説していきます。
◎参考:点検のはずが…強引なシロアリ駆除サービスの勧誘/独立行政法人国民生活センター
https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen338.html
高額な料金を請求する
詐欺的なシロアリ駆除業者の最も一般的な手口は、不必要に高額な料金を請求することです。駆除の必要がない場合でも、「家全体にシロアリが広がっている」と偽って高額な料金を提示することがあります。特に、シロアリの被害が目に見えない場所にある場合、消費者は業者の言いなりになりやすいです。また、駆除後に「追加作業が必要だ」として、さらに高額な料金を請求することもあります。場合によっては、契約書を交わさずに進められることも多いため、十分に確認し、納得するまで契約を結ばないようにしましょう。
無駄な作業を行って金銭を得る
詐欺業者は、必要のない作業を進めて顧客から金銭を得ようとします。例えば、「床下の全体的な消毒が必要だ」「薬剤の追加が必要だ」などと言って、実際にはシロアリ駆除には関係ない作業を行い、追加料金を請求します。シロアリ駆除は、実際には被害箇所に対しての適切な処置が求められるもので、無駄な広範囲の作業や過剰な薬剤の使用は、逆に家に悪影響を及ぼすことがあります。
被害を誇張して恐怖心を煽る
シロアリ駆除業者の詐欺手口の中には、シロアリ被害を過剰に誇張して、顧客の恐怖心を煽るものがあります。例えば、業者が「家全体にシロアリが広がっており、今すぐ駆除しないと家が倒壊する恐れがある」などと言って、即決で契約させる手法です。このような話に惑わされると、冷静な判断ができなくなり、契約を結んでしまうことがあります。実際のところシロアリ被害は放置すると危険であることは確かで、早急な対処が求められます。しかし必要以上に不安を煽り、考える時間もくれないという業者は怪しい業者だと思って間違いありません。
実際には駆除作業をしない
詐欺的なシロアリ駆除業者は、実際には駆除作業を一切行わずに、見積もりや契約金だけを受け取ることがあります。実際にはしっかりとした駆除作業をしていないにも関わらず、「作業が完了した」として料金を請求し、逃げるという手口です。依頼者がシロアリ駆除の内容を詳細に把握しているケースは少ないですし、シロアリ駆除をする場所は床下など見えにくい場所となります。そのため業者がしっかりと作業をしていなくても、気付けないことが多く、またシロアリ被害を訴えても「作業はしっかりしたが、またシロアリが来てしまったのだろう」といって逃げられてしまうことも多いです。
シロアリ駆除業者の詐欺手口を回避するためのポイントとは?

シロアリ駆除業者の詐欺を回避するためには、消費者が事前に注意を払い、適切な判断を下すことが重要です。ここまででは、シロアリ駆除業者の詐欺手口について一緒に見てきましたが、ここからは実際に悪徳業者を回避する具体的な方法について解説していきます。詐欺手口を知っていても騙されてしまうという方は実はとても多いですので、ここでしっかりとシロアリ駆除業者の詐欺手口を回避する方法を確認をしておきましょう。
複数の業者に見積もりを依頼する
最初に重要なのは、複数の業者に見積もりを依頼することです。1社だけでは料金や作業内容が適正かどうかを判断できません。複数の業者から見積もりを取ることで、料金相場や作業内容の違いを確認することができます。もし一つの業者が明らかに高額な見積もりを提示してきた場合、それは詐欺の兆候かもしれません。また、見積もり内容が不明瞭な場合や説明が不十分な場合には、慎重に検討しましょう。
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契約内容をしっかり確認する
契約を結ぶ前には、契約内容を必ず確認することが大切です。特に、料金の詳細や作業内容については、書面で明記されているかをチェックしてください。不明瞭な項目や後から追加料金が発生しそうな項目がある場合、契約を結ぶ前に必ず質問しましょう。また、即決を迫られたり、契約を急かされたりする場合は、注意が必要です。冷静に時間を取って、契約内容に納得した上でサインすることが大切です。
評判や口コミを調べる
詐欺的な業者を避けるためには、業者の評判や口コミを調べることが非常に効果的です。インターネットや知人からの口コミを活用して、業者が信頼できるかどうかを確認しましょう。良い評判を得ている業者は、顧客対応が適切で、透明性のある料金設定を行っていることが多いです。反対に、悪評が多い業者には注意が必要です。レビューをチェックすることで、詐欺のリスクを減らすことができます。
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資格や認証を確認する
シロアリ駆除業者には、資格や認証を持っている業者を選ぶことが重要です。信頼できる業者は、法律に基づいた認証を持っており、駆除作業が適切に行われることを保証しています。業者が正規の資格を持っているか、また業者が所属している業界団体のメンバーかどうかを確認することが大切です。資格を持つ業者は、安心して依頼できる可能性が高くなります。
作業内容を詳細に確認し、報告書をもらう
作業終了後には、作業内容を詳細に確認し、報告書をもらうことをおすすめします。信頼できる業者は、駆除作業がきちんと行われた証拠として、作業の前後の写真や報告書を提供してくれることが一般的です。作業後に報告書をもらうことで、実際にどのような処置が行われたかを確認でき、作業の信頼性が担保されます。もし報告書の提供を拒否されたり、作業内容が曖昧な場合は、再度確認するか、その業者の利用を避けた方が良いでしょう。
不審な高額請求や追加作業には警戒する
シロアリ駆除後に不審な高額請求や追加作業を要求される場合は、警戒することが必要です。駆除作業が完了した後に「追加作業が必要だ」「薬剤を追加しなければ効果が薄い」などといった理由で高額な請求がされる場合、詐欺の可能性があります。業者が過剰に料金を請求する場合や必要のない作業を提案してくる場合は、他の業者と相談してみることが有効です。
シロアリを予防する方法はある?
家屋を支える木材に深刻な被害を与えるシロアリは、一度侵入を許してしまうと駆除や修繕に大きな費用と労力がかかります。さらにシロアリを駆除するためには業者を呼ばなければならず、家主の負担も大きくなります。住宅の維持には修繕費が欠かせませんが、シロアリによって想定外の費用が出てしまうのは、家計にも負担になりますよね。そのため、シロアリの被害に遭う前にしっかりと予防を行っていくことが、住宅の長期的な寿命とトータルコストを下げるために重要なのです。では具体的に、どのようなことを行っていけばいいのでしょうか。ここでは、住まいを守るためにできるシロアリ予防の方法を解説していきますので、ぜひできることから実施してみてくださいね。
住まいの湿気対策を徹底する
シロアリは湿度の高い環境を好むため、住まい全体の湿気対策はもっとも基本的な予防策です。特に床下は湿気がこもりやすく、通気口が物置や植木鉢で塞がれていると風通しが悪化し、シロアリの温床になってしまいます。そこで通気が滞りがちな場所では、床下換気扇や調湿材を活用することがオススメです。床下換気扇や調湿材を活用することで、季節や気温の影響を受けにくくなり安定した湿度環境を維持できます。また、浴室や洗面所、キッチンなどの水回りで水漏れを放置しがちという方は、こちらも注意が必要です。水回りの水を放置することで、木材の含水率が高まりシロアリが寄りつきやすくなります。水漏れに気付いたらすぐに修理を依頼し、また生活の中で飛び散ってしまった水や汚れは、できるだけ早めに落とすように心がけましょう。さらに、雨樋の詰まりや外壁のひび割れから浸水するケースもあるため、室内だけではなく建物全体を点検し、わずかな異変も早めに修繕することが重要です。湿気を抑えることは、シロアリだけでなくカビや腐食の予防にもつながり、建物寿命を延ばす効果も期待できます。
木材や段ボールを家の周囲に放置しない
シロアリは木材や紙類を主食とするため、庭や倉庫に不用な木材や段ボールを放置しておくことは大きなリスクになります。特に雨ざらしにされたものは湿気を含み、シロアリにとって絶好の餌場や住処となってしまいます。例えば古いウッドデッキ材や使用しなくなった家具をそのまま屋外に置いておくと、そこから家屋へシロアリが侵入することも珍しくありません。古くなった木材は水分を吸い込みやすくためやすくなるため、気付かない間にシロアリの侵入経路になってしまうこともあるのです。外からの侵入を防ぐためには、庭の清掃や倉庫の整理を定期的に行い、不要なものは早めに処分することが予防の第一歩です。どうしても薪や木材を保管する必要がある場合は、コンクリートの台の上やラックを利用し、シロアリが移動をしている地面と接触させない工夫をしましょう。ウッドデッキで劣化が目立つ場合は、新しいものや木材以外に交換したり、コーティングを行ってシロアリが好む湿気を抑える工夫も効果的です。
庭や植栽の管理をこまめに行う
庭木や植栽の根元は湿気がこもりやすく、また落ち葉や枯れ枝が堆積するとシロアリの活動場所になります。特に木の株や切り株を放置していると、そこにシロアリが巣を作り、やがて住まいへ侵入してくる可能性があります。庭の雑草や落ち葉を定期的に取り除くことはもちろん、不要な切り株は早めに撤去することが大切です。また、庭木の枝が家の外壁に接触していると、そこからシロアリが侵入するケースもあるため、枝を剪定して建物と距離をとる工夫も有効です。庭や植栽を整えることは、景観を美しく保つだけでなく、シロアリにとって住みにくい環境をつくることにつながります。ただし背の高い木の剪定は危険を伴いますので、安全対策を十分に施したうえで二人以上の体制で無理のない範囲で行うか、難しい場合は庭の専門業者に相談すると安心して任せることができますよ。
基礎や外壁のひび割れを修繕する
シロアリはわずかな隙間からでも侵入できるため、基礎や外壁にひび割れがあると格好の侵入口となります。特にコンクリート基礎のひび割れやモルタルの剥がれは注意が必要で、そのまま放置しておくとシロアリが内部の木材に到達しやすくなります。目に見えにくい部分ですが、小さな亀裂でもシロアリは簡単に侵入できてしまうのです。そのため定期的に家の周囲を見回し、ひび割れや隙間を発見したら早めに補修依頼することが、シロアリを住宅に侵入させないために役立ちます。また、外壁材やサッシまわりのコーキングの劣化もシロアリ侵入の原因になるため、築年数に応じてメンテナンスを検討しましょう。小さな修繕を怠らないことで、シロアリだけでなく雨水や害虫の侵入も防げ、住まい全体の耐久性を高めることができます。
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床下の点検口を活用して定期チェックする
床下はシロアリが活動しやすい場所ですが、普段は目が届かないため被害に気づきにくい場所でもあります。床下点検口がある場合は、年に数回でも自分で覗いてみるだけで予防につながります。手前の部分だけでも見れる場所を見ながら、土台や束柱に湿り気や泥の筋がないか、木材が不自然に脆くなっていないかを確認することが大切です。さらに床下点検口付近で害虫やシロアリが発生している場合は、糞や死骸などを見つけることができるかもしれません。もし異常を感じた場合は早めに専門業者へ依頼することで、被害が広がる前に対応できます。自分でのチェックは限界がありますが、意識的に床下を見る習慣をつけることでシロアリの早期発見につながり、シロアリの被害拡大や予防に役立てることができますよ。
定期的なシロアリ点検を受ける
シロアリ被害を防ぐうえで最も確実な方法のひとつが、専門業者による定期的な点検です。シロアリは光を嫌い、木材の内部や床下など見えない場所で活動するため、自力で確実に発見するのは非常に難しいといえます。自分で床下点検口を確認して異常がなかったと思っていたけれど、気づいた時には柱や土台がスカスカになっていた、というケースも少なくありません。しかし点検を依頼すれば、床下や基礎部分、外壁周りなど普段確認できない箇所までチェックしてもらえます。専門家が実際に住宅を確認することで、シロアリの発生場所や自力で見つけるのは難しいシロアリの侵入場所も突き止めることもできます。さらに、予防のために薬剤を散布したり、建物の周囲にバリアを作る工法を実施したりと、長期的に効果を発揮する施工も可能です。一般的には5年ごとの点検が推奨されますが、湿気が多い土地や木造住宅ではより短い周期での点検が望ましいでしょう。近隣でシロアリが発生した、以前シロアリ被害に遭ったという方で不安な方は、年に一度程度の頻度で点検を依頼するのもオススメです。プロの目による定期調査は、安心して住まいを維持するための心強いサポートになります。
まとめ
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