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鉄筋コンクリートで雨漏りが起きるとどうなる? 原因と対処法について

お役立ちコラム

更新日:2024/03/13

鉄筋コンクリートはRC造とも呼ばれ、近年の戸建て住宅では人気のある構造のひとつです。鉄筋コンクリートの主な特徴は防音性や耐久性に優れているため、なんとなく「強い」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。また鉄筋コンクリートという名前から、雨漏りなどのトラブルが発生しても木材のように腐る部分がないから大丈夫だろうと思われている方も多いです。しかし鉄筋コンクリートも木造住宅と同様に雨漏りには注意しなければならず、放置すると家の安全面に関わる二次被害が発生することがあります。今回はそんな鉄筋コンクリートの住宅で起こる可能性のある雨漏りとその二次被害、また雨漏りの原因や対処法についても解説をしていきます。

鉄筋コンクリート造の住宅で雨漏りが起きるとどうなるの?

冒頭でも触れましたが、鉄筋コンクリート造の住宅でも木造住宅と同様に雨漏り被害が発生することがあります。また雨漏りした後の二次被害も同様に発生します。それでは具体的に、鉄筋コンクリート造の住宅では雨漏りによってどのような二次被害が発生するのでしょうか。一緒に見ていきましょう。

鉄筋が錆びる

鉄筋が錆びると聞くと、コンクリートなのに錆びることに驚く方も多いかと思います。しかし鉄筋コンクリート造の住宅の場合、雨漏りによって鉄筋部分が腐食し錆びが広がっていってしまうことがあります。コンクリートそのものが錆びるわけではありませんが、こうした錆びがコンクリートに付着していくことで雨漏りした箇所からどんどん錆びは広がっていきます。劣化や地震などによりコンクリートにヒビが入り内部の鉄筋部分が見えてしまっているなどの場合、より被害は深刻になり住宅の安全面にも影響を及ぼす場合があります。

コンクリートが破裂する

上記のように鉄筋が雨漏りの影響によって錆びてしまうと、鉄筋が内側から外側のコンクリートに向かって膨張し、コンクリートが破裂することがあります。このような現象を建設業界の中では「コンクリートの爆裂」といった呼び方をすることもあります。インパクトのある呼び方のため、業者の点検時に「コンクリートが爆裂しています」と言われてビックリしたという方もいらっしゃるかと思います。しかし実際にコンクリートの破裂が起きてしまうと、その部分の鉄筋内部がむき出しになってしまい、中身が丸見えになってしまいます。また破裂部分の鉄筋は構造としても弱っているため、コンクリートの破裂によって更に耐久性が低下します。コンクリートの破裂した位置や規模によっては、住宅の安全に重大な影響を及ぼす可能性もあります。

天井や壁がシミになる

木造住宅と同様に雨漏りをしてしまうと、居住空間に影響が出ることもあります。天井や壁に茶色っぽいシミが発生したり、雨が降っている場合はポタポタと雨漏りをすることもあります。収納の中など気付きにくい場所で雨漏りが起きてしまうと、布団や洋服などが雨水に晒されてしまうことがあります。天井や壁がシミになり、やがてはクロスが剥がれてきてしまうこともあり、インテリアにも大きな影響を及ぼします。

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カビが発生する

雨漏りが発生すると、鉄筋コンクリート造でもカビが発生することがあります。天井や壁の中、雨漏りした室内の一部などが高温多湿な環境である場合、カビは活性化し増殖をしていきます。カビは見た目にも影響を及ぼすだけではなく、カビが放出する目に見えないほど小さな胞子を人間が吸い込むことによって、アレルギー性肺炎などを引き起こすことがあります。小さいお子さんや高齢者などは、こうしたアレルギーが重症化しやすく時に命に関わることもあります。そのためカビも決して軽視はできない雨漏りによる二次被害のひとつです。

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雨漏りが発生した際の二次被害として意外と知られていないのが、断熱材への影響です。断熱材は住宅には必ず使用されているもので、断熱材があることで冬は暖かく夏は涼しく室内で過ごすことができます。しかし、雨漏りによって断熱材が傷んでしまうと、断熱材そのものの性能が落ちてしまうことがあります。断熱材の性能が落ちると当然住宅全体の熱効率が下がるため、一年を通して過ごしにくく感じることも増えます。熱効率の低下で冷暖房費が高くなることも多いため、定期的に冷暖房費にかかっている費用を確認しておくようにしましょう。

「木造住宅はシロアリなどの害虫被害が発生しやすいが、鉄筋コンクリートの住宅は害虫被害には遭いにくい」と思われている方も多いですが、雨漏りが発生することで、鉄筋コンクリートの住宅でも害虫被害のリスクが懸念されます。特に注意しなければいけないのが、ダニやシロアリです。ダニやシロアリは雨漏りが発生した断熱材などに潜むことがあるため、木材を使っていない鉄筋コンクリートの住宅も注意しなければいけません。またシロアリは、濡れた断熱材が好物のため、雨漏りに加えてシロアリに食べられてしまい断熱材が機能しなくなってしまうリスクがあります。

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雨漏りと漏電はなかなか結び付きにくいトラブルですが、雨漏りが原因で漏電が発生することは十分に考えられます。雨漏りでは同じ場所に雨が降るたびに雨水がかかってしまうことが多く、雨水がかかる場所に配線などがあれば、配線を覆っているケースが劣化したり腐食して漏電が起きることがあります。配線のカバーが劣化している場合は、更に漏電が発生しやすくなります。また、漏電してしまった部分から漏電火災に発生することもあるため、注意しなければいけない二次被害のひとつです。漏電が発生している時は、家電の故障やコンセントからの感電が起きることも多いため、自宅の家電が故障したりコンセントに触れた際にビリッとした感覚があった場合は、高い確率で漏電が発生しています。

鉄筋コンクリート造の住宅で雨漏りする原因とは?

鉄筋コンクリート造の住宅でも、雨漏りすることで多くの被害が発生する可能性があるということを知っていただけたかと思います。では一体なぜ鉄筋コンクリート造の住宅は雨漏りをしてしまうのでしょうか。鉄筋コンクリート造の住宅で雨漏りを防ぐためには、まずは鉄筋コンクリート造の住宅が雨漏りを引き起こしてしまう原因について知っておく必要があります。そのためここでは、鉄筋コンクリート造の住宅が雨漏りする原因について、解説していきます。

外壁のひび割れ

鉄筋コンクリート造の住宅も木造住宅と同様に、外壁部分が劣化しひび割れすることにより内部に雨水が入り込みます。鉄筋コンクリート造の住宅の外観は、コンクリートの素材を活かした打ちっぱなしコンクリートデザインやタイルなどが多い傾向にありますが、サイディングや塗装によって洋風さが強い外観を和風にする方などもいらっしゃいます。そのためデザインによっては気付きにくいことも多いですが、ヘアークラックと呼ばれる髪の毛のように細いひび割れからでも雨漏りが発生することはよくあります。

シーリングの劣化

シーリングとは、窓や外壁のつなぎ目部分などの隙間を埋めるために施工されるもので、触るとゴム状の柔らかい部材です。シーリングの柔らかさを活かして部材同士の隙間を埋めることに優れていますが、紫外線や雨水に晒されていることにより摩耗し劣化します。その結果、シーリング部分からの雨漏りにつながります。黒ずんでいたり剥がれている、ひび割れしているシーリングは既に劣化を起こしているため注が必要です。

防水機能と排水機能の低下

屋上やバルコニーなどは、雨水の侵入を防止するために防水工事が行われます。防水層の上には一般的にはトップコートと呼ばれる塗装が行われますが、劣化が進むとこのトップコート部分が剥がれてしまったりヒビが割れてしまいます。更にそのまま放置していると防水層にまでひび割れなどが到達してしまい、そこから雨水が侵入してしまうという可能性があります。また屋上やバルコニーの排水口かつまっていたり、排水管がつまっていることによる室内への雨水の逆流などが起きることもあります。鉄筋コンクリート造の住宅の屋根構造は陸屋根のような平らな屋根であることが多く、特にこうした雨漏りの原因は他の住宅に比べて起きやすい傾向にあります。

鉄筋コンクリートの住宅は、一般的には木造住宅などと比べて地震に強い住宅であると言われています。しかし大きな地震が発生した場合や、地盤が元々弱い場合などは、建物が地震によってダメージを受けることがあります。近年地震被害も増えている日本国内では、地震による建物へのダメージも他人事ではありません。鉄筋コンクリートの住宅は地震に強い一方で、一度被害を受けてしまうと修復が大変であったり、大きなひび割れなどを起こし雨漏りにつながりやすくなってしまうこともあります。地盤に関しては弱い地域では新築時にしっかりと地盤改良を行っているかと思いますが、施工不良や手抜き工事などが発生していると住宅へ大きなダメージを与えてしまうこともあるため、まれではあるアクシデントではあるものの、このようなリスクも頭に入れておく必要があります。

鉄筋コンクリートの住宅は、木造の住宅と比べて寿命が長いことで知られていますよね。定期的なメンテナンスを行うことで、その寿命は50年~100年ほど維持することができるとも言われています。そんな頑丈な鉄筋コンクリートの住宅ですが、50年を超えてくるとやはりさまざまな部分に劣化が生じることも増えてきます。これまで適切にメンテナンスができていなかったという住宅であれば、もっと早い段階から劣化症状が現れることもありますし、先ほどお伝えしたような大きな地震などにより建物がダメージを受けていることもあります。そうした場合の鉄筋コンクリートの住宅は、雨漏りを引き起こす可能性が高くなるため注意が必要です。

鉄筋コンクリート造の住宅が雨漏りした際の対処法とは?

木造住宅と同様の原因で、鉄筋コンクリート造の住宅も雨漏りするということが分かりました。鉄筋コンクリート造は強いというイメージを持っていた方からすると、意外に感じるかもしれませんが、鉄筋コンクリート造も雨漏りには注意しなければいけません。では実際に鉄筋コンクリート造の住宅が雨漏りしてしまった際には、どのように対処すればいいのでしょうか。ここでは雨漏りの際の対処方法についても解説をしていきますので、鉄筋コンクリート造の住宅にお住いの方やこれから建築の計画がある方は、いざという時に役に立ちますので是非覚えておいてくださいね。

被害拡大を防ぐ

雨漏りが発生したら、まずは被害の拡大を防ぎましょう。できることとしては、雨漏りしている場所から家具家電を移動させる、水が滴り落ちてきている場合にはバケツなどで受け止めるなどの方法があります。その他に水漏れした部分の水気は可能な限り拭き取り、漏電などの可能性もありますのでコンセント部分に触れないようにして過ごしましょう。雨漏りは雨が降っているときに起きるものですが、この時に無理に屋根などに登って現場を確認するといったことは避けましょう。屋根を確認したり応急処置としてブルーシートを被せるなどの方法もありますが、屋根は濡れていると足元が更に悪くなるため晴れている日に安全対策を十分にした上で実践するようにしましょう。

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その場で確認できる範囲で、雨漏りによる二次被害が発生していないか確認をしましょう。特に先ほどお伝えした漏電には、注意しなければいけません。「漏電しているかどうか分からない」という場合で不安な方は、コンセントに直接触れないようにして家電のコンセントを抜き、小さいお子さんなどがいる場合はコンセントや金属製ドアノブなど、感電が起こりそうな場所に近づけないようにしましょう。一番は電源盤を落とすことです。支障がない場合は業者の到着後安全が確認できるまでは、電源盤を落としておいてもいいかもしれませんね。

プロの業者に修理依頼をする

応急処置を行って雨漏りが落ち着いたとしても、プロの業者による修理は必ず依頼するようにしましょう。雨漏り経路の特定は実はプロの業者であっても難しい作業です。そのため、雨漏りが修理した以外の場所で起きておりそのことに気付いていない場合、知らない間に被害がどんどん拡大していてしまう・・・なんてこともあり得ます。また応急処置だけでは雨漏り修理としては不十分なこともあり、長期的な目線で住宅を雨から守るためには、しっかりと修理をしておく必要があります。雨漏り修理は数万円で済むものから、数十万円かかるものもあり、依頼する業者選びもとても重要です。台風や自然災害が発生すると、悪徳業者の被害も同時に増えるため、業者に依頼する際にはしっかり自分で調べた上で依頼することが大切です。

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雨漏りを予防するためにできることとは?

鉄筋コンクリート造であっても、一度雨漏りが発生してしまうと業者に依頼して修理してもらう、といったその後のアフターケアがとても大変です。雨漏り修理という思わぬ出費に大変な経験をした方も多いのではないでしょうか。雨漏りはいつ発生するか予測ができず難しいものですが、雨漏りの発生リスクを最小限にして予防することはどなたでも十分可能です。最後に鉄筋コンクリート造の住宅で雨漏りを予防するためにできることについて解説をしていきます。既に雨漏りを経験している住宅にも当てはまる内容ですので、是非参考にしてくださいね。

外壁に劣化症状がないかチェックする

外壁の性能が低下してくると、劣化症状が現れ始めます。外壁の劣化症状は業者ではなくても目視や触れることで確認することができます。外壁の劣化症状をチェックする際には、以下の内容を確認するようにしてみてください。

・ひび割れがないか
・コケや藻などの汚れは発生していないか
・膨れや剥がれはないか
・チョーキング(触れると白い粉が手に付く)症状がないか

上記の症状がある場合は、外壁の劣化が始まっている状態ですので、業者にメンテナンスを依頼しましょう。劣化が激しい場合は修理や塗装、そうでない場合は外壁の洗浄などを行い様子を見ることもあります。

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屋上やバルコニーに劣化症状がないかチェックする

外壁と同様、屋上やバルコニーも劣化により防水機能や排水機能が低下してしまうことがあるため、日々の生活の中で確認することは大切です。屋上やバルコニーで注意して見ていただきたいのは、以下の内容です。

・ひび割れがないか
・コケや藻などの汚れが発生していないか
・膨れや剥がれはないか
・色あせなどが起きていないか
・排水口や排水管につまりはないか

掃除などを行っている中で上記の症状に気付いた場合は、こちらも業者にメンテナンスを依頼しましょう。修理や清掃、トップコートの再塗装などで済むことも多いですが、劣化が防水層まで達している場合は防水工事のやり替えが必要になります。

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まとめ

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